(385回)影響力の武器(その6)

おはようございます。

リュウです。

今日で、影響力の武器は6回目、

一区切りがつきます。

今日は第6の影響力の武器、「希少性」についてです。

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか R・チャルディーニ

希少性・・・。

いかにも影響力を与えそうな名前です。

人は「手に入りにくくなるとその機会がより貴重なものに思えてくる」

という希少性の原理の影響を受けます。(P379)

同じくらい価値のあるものならば、

それを獲得することを考えるよりも、それを失うことを考える時に強く刺激されるようです。

わかりやすい例は、今回はたくさんあるが、

「ロミオとジュリエット」が典型的な例となる。

2人は親と親の争いのせいで、

恋愛をすることができなかった。

その圧力が大きくなればなるほど、相手を欲するようになり、

そして、最後に心中をするわけです。

では、なぜ私たちはここまで「希少性」に影響されてしまうのか。

大きく2つの理由があります。

1 手にすることが難しいものはそれだけ機長であるものが多い。

  ある品や経験を入手できる可能性がその質を判定するのに手っ取り早い手がかりとなるから。


2 手に入りにくくなると、私たちは自由を失うことになる。

  心理的リアクタンス(応答)理論によると、以前より自由を欲するという形で自由の喪失に反応する。

それらをビジネスで利用したのが、

「閉店セール」、

「期間限定」、

「数量限定」、


そして、

「もはや手に入らない」と思わせた時点で売りさばく。

ある商品をホームページで期間限定で売ります。

期間が来たら、そのページを消すのではなく、

「期間が終了しました。ありがとうございました。」

と表示しておけばよい。

すると、お問い合わせのフォームからメッセージが来るだろう。

「期間がすぎてしまったのだが、どうか売ってもらえないだろうか。」

売る側は、ここでほくそ笑みます。

まだ商品が残っているのでそれを、

「仕方ありません、あなただけ特別ですよ。」

と、30通の同じメールに対して返信をするわけです。

希少性の原理をより最適な条件で活用する方法は、大きく2つあります。

1 最初から希少なものより、

  途中から急に希少なものに変わった場合におこる。


2 他人と競い合っているときに希少価値の高いものに最も引き寄せられる。

これらの「希少性」に抗うのは、理性では困難かもしれない。

希少性を含む状況では、頭にカッと血が上らないように注意する。

万が一血が上ってしまったらまず落ち着き、

「それをなぜ欲しいのか」という観点から自己で再評価をするといいだろう。

以上で6つの影響力の武器を解説してきました。

最後に、6つの影響力の武器をおさらいします。

1 返報性
2 コミットメントと一貫性
3 社会的証明
4 好意
5 権威
6 希少性


今回、2年ぶりくらいに読み返してみたのですが、

前は自然に通り過ぎていた、

これらの影響力の武器をよく利用したビジネスの分野があります。

「セミナー業」・「情報起業系ビジネス」です。

「情報商材」と呼ばれる電子書籍の販売戦略は、

この影響力の武器が脈々と生きています。

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無料の電子書籍を与えるところからはじめ、

昔は私もできなかった、と類似性を与え、


あと2日で、あと30人で販売終了しますと言って希少性を上げて、

締め切り後にサーバのエラーが発生しました、販売期間を延ばしますといって売る。

また、分野の専門家を名乗り

販売サイトにはスーツを着た男性が映り、

本当にその電子書籍を利用したかわからない人が口コミで紹介されている。

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セミナーに関しても、

なぜ100の席で講演した方が利益率は高いのにもかかわらず、

20しか席を準備しないで、「満席」という状態を作るのか。

これらを読者は、

すべて6つの影響力の武器によってご理解できたかと思います。

一般のビジネスでもそうですが、

「影響力の武器」と言う本は、

ビジネスや交渉でだまされないようにするためにも役立つものであり、

また、逆に売るために、

潜在的な顧客を発見する上でも役立つ本です。

書評の第1回から紹介したかった本ですが、

語りたい分量と読書時間の多さから、1年経ってようやく紹介できました。

個人的には、ビジネス書ではトップクラスの名著だと思います。

定価が2940円する本ですが、

定価以上の価値を与えてくれる本となるでしょう。

オススメします。

実にロバート・チャルディーニ博士にはあってみたい方です。

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか R・チャルディーニ

リュウ

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【今まで紹介してきた本のリスト】

(平成22年9月12日現在 375冊 / 385回

 あなたの読書の役に立てるとうれしいです。

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