おはようございます
リュウです。
フィッシャーが求める成長株となる企業の条件のつづきを、
今日も解説していきたいと思います。
昨日は、
1 少なくともあと5,6年企業全体の売上を伸ばす十分な市場やサービスを持っているか
2 経営者は、現在、人気商品が市場を開拓しつくしそうとする時点で、
今後も企業全体を伸ばし続けるための新製品や新製法を開発しようとする決意を持っているか。
3 研究開発の規模と比較し、成果はどの程度出ているか
の3点について解説してきました。
研究開発をしない会社が長期的な利益を逃していること、
そして、成果が出る研究をしないといけないこと、
「研究開発」以外に、「生産」、「販売活動」が両輪となっていることが重要なポイントでした。
4 営業部門は平均以上の力を持っているか
良い製品を作り出すことができても、
その会社の販売部門の営業力が弱い場合、
物自体が売れません。
短期的な利益を、品物のよさで獲得することがある程度ならできるでしょう。
しかし、長期的には営業力がないといけません。
では、「営業力」がある企業をどのように見分けるか。
これは、第1回に話した「聞き込み」が役立ちます。
競合他社、元社員、組合などに所属する人に、社内の様子を聞いてみることです。
本書78,79ページで、ダウ・ケミカル、IBMの例を挙げています。
5 投資する価値があるだけの利益率を持っているか
これはわかりやすいかと思います。
利益率が高い会社は、それだけ投資家にも恩恵があり、
会社の成長も加速度的になります。
それを計る目安としては、
「売上1ドルあたりで何セントの営業利益を上げることができるか。」
日本で言うと「売上100円で何円の営業利益をあげることができるか。」です。
注意すべき点は、「好景気の場合は利益率が高くなる」ということ。
そして、新興企業に多いのですが、
「現時点で利益率が低いが将来性がある企業」が存在すること。
に気をつける必要があります。
利益率が低い会社には手を出さない方が賢明です。
6 利益率を維持し、改善するために何をしているか
5で利益率の高い会社を選ぶべきという話でした。
しかしながら、
それは「過去の利益率」であることを忘れてはいけません。
投資家が注目すべきは「今、そして未来の利益」についてです。
気をつけるべき点は、前年の利益が「目先の利益になっていないか」ということです。
著者は1956年~57年の銅の価格と銅精錬業者の利益について解説しています(P87)
1956年に銅の価格常勝を抑えきれず、高騰しました。
需要が少なくなる中、供給が増した結果、
1957年の銅精錬業者の利益率が大幅に下がる結果となりました。
たび重なる価格上昇により会社の利益率が上昇している場合、
長期投資にとっては、慎重になるべきところです。
値上げに頼らず、
経費節減などによる財務内容の改善を行う企業に注目すべきです。
これらを確認するためには、
「聞き込み」が大切になってきます。
こういった努力については、企業に直接メールなどで聞いてみる価値があるようです。
営業利益の向上のために、企業で工夫している点を確認することで、
長期的には大きな営業利益の差が生まれるのです。
次回は、7 友好な労使関係を築いているかから解説していきたいと思います。
リュウ
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(平成22年9月22日現在 375冊 / 395回)
あなたの読書の役に立てるとうれしいです。
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