成長率と配当

久々に株式投資の考察をしたいと思います。

成長と配当金、
どちらも長期投資家にとっておいしいものです。

ただ、二つを投資基準にどう組み込んでいくかどうかは、
投資家ごとにこだわりがあるようです。

個人的には、バフェット流が配当を重んじていないのですが、
配当は重要な要素と考えています。

最近、「帝王の投資哲学」という本を読んでいます。
この本は、色々な一流の投資家がこだわっていることについて書かれている本です。

その中の第2章、バリュー投資家のジョン・ネフ氏が、
成長と配当について以下の公式を書いています。

ジョン・ネフの公式 = ((収益成長率+配当利回り)÷PER-1.0)×100

この式を見て思ったのは、
「ピーター・リンチ氏も同じ考え方の公式を使っていた」ことです。

ピーターリンチの公式 = (経常利益の平均成長率 + 配当利回り) ÷ PER

※1.5以上を割安な企業として定義しています。

成長率を重んじて、配当利回りを加えて、割安かどうかを判定する。
まったく同じ共通項がこの式にはあります。

さて、その一方で配当金を好まない投資家がいます。
私の投資法の一番の根幹をになう、ウォーレン・バフェットです。

彼が配当を好まないのは、

・利益が出ていても配当が出るとは限らない(クリーブランズ紡績 スノーボール上巻:P269)

・配当には税金がかかること
・配当を内部留保し、成長に効率よく活かすことで株価に反映させる

の3点が挙げられると思います。

●成長率について

バフェットにしても、ピーターリンチにしても、
配当金のあり方はともあれ、
企業の成長を大事にしている点では共通です。

そこで、重要なのは、
「企業の(平均)成長率をどのように計算するか」にかかっています。

バフェットは、配当より成長率を大事にしているため、
成長に関してよいヒントを持っています。

バフェットは、
まず「過去10年間のEPSの成長(率)」を重んじています。

一時的に運良く成長した企業ではなく、
継続的に成長し続ける企業を大事にしているため、
少々長い期間の成長率を見ます。

次に、今後10年間も安定したEPS成長率を保てるかについて、
「消費者独占力」がある企業かどうかを判定しています。

加えて、「高いROE」かどうかを見ます。
これは、資産から生み出される内部留保の大きさを大事にしています。

同じことを続け、規模を拡大することができるブランド力や規模の経済を保てる企業が、
高成長率を維持する鍵です。

●配当金について

配当には税金がかかる点で非効率であるというのは納得いく部分ですが、
それを全て内部留保にすることが効率的であるかどうかというところは疑問点です。

バフェットのような運用者が運用を行わない限り、
内部留保された資産がうまく企業の成長に活かせているかどうか。

確実に、手にすることができる配当金は、投資家にとって目に見える利益です。
そこで配当金も、税金を考慮したうえで十分な資産になるということです。

ジェレミー・シーゲル博士の株式投資の未来という本を読むと、

PERが常に割安で、配当金が高い企業に再投資を続けたら、
並外れた運用成績を残せるということがわかるかと思います。

●ではどのような公式を使うべきか

そこで、個人的には、以下の公式を使っています。

X = ((平均)成長率 + 配当*(1-税率))/PER

Xの数値については、ピーターリンチの手法に準じて、
1.5以上なら良い銘柄、
2以上ならば買いと考えられます。

・成長する企業は望ましい

・配当が多い企業も望ましい

・しかし、安く買わなければ意味がない

の3点を抑えた公式です。

そして、配当には税金がかかるため、
成長率に比べると直接給付される恩恵が弱まることを加えてみました。
(おそらく他にも考えた人はいると思いますが・・・)

結論としては、
配当金も重要な要素であり、成長率にのみとらわれるべきではない。
長期的に高成長を続ける企業に投資すべきということです。

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