資料収集について

リュウです。

今日は、1年生、2年生ともに重要な「資料探し」です。

大学院のレポート課題、論文作成について、
書籍の資料を入手しないと、レポートも論文も完成させることは困難(というか無理)かと思います。

どのように資料を集めるか、どれくらい集めないといけないのか、どのように管理するかなど、
必要なことなのに、不明点を自発的に聞かないと、
意外に教えてくれないことだったりします。

1年生のレポート作成の段階では、
比較的入手可能な法学の単行本がメインとなるかと思います。

2年生になり、本格的に論文を作成するころになると、
雑誌論文、単行本の中でも専門性の高いものを準備する必要があり、
探し方や管理が難しくなってくるころです。

今回はこれらの資料収集について整理していこうを思います。

●資料集めについて

資料は、基本的には複写して集めます。
レポート作成など短期で終わるもので、図書館で貸してもらえるものは借りる方法もあります。

一部の本は購入すべきといえますが、専門書ゆえにかなり高いため、
全て買っていたなら、恐らく税理士試験で予備校に1年分通うくらいの支出になります。

複写して集めた資料は、Excel(紙でもいいですが)で管理して、
重複しないようにすると良いかと思います。

また、お金はかかりますが2部(データでも良いですが)準備しておくと安心です。
紛失したり、後日先生などに渡す時に便利です、(ボールペン、マーカーを塗ったものより渡しやすい)

Excelで管理するならば、
気にするゼミでは、文献の引用について、ルールに沿って書かれていないとシビアにつっこまれますので、
引用のルールで入力して、コピー&ペーストで貼れるように記載しておくとラクです。

●資料をどこまで集めるのか

これについては、研究する人により多少見解が異なるかもしれませんが、
自分が行った方法としては、

まず、租税法(金子宏)や、軸となる論文で脚注に参考文献として挙げられている論文を集めます。
次に、集めた論文の引用文献を集めます。そして、その文献の引用文献も集め・・・とやっていくと、
最終的に同じ文献のみに行き着くことになってきます。

そこまで出揃ったところで、文献の収集はほぼ完了になります。

もちろん、新たに別の役立つ論文を発見、
又ははゼミや指導教授の指摘により新たな文献を勧められることがあるので、
再度、その文献から芋づる式に、引用文献を集めることになります。

●どこで資料を集めるか

具体的に、どこで専門書の資料集めをするのかわからない人もいるので、
長所と短所に注目しながら、書いてみたいと思います。

①公立図書館

公立図書館は、ほとんどの人が一番近くにあり利用しやすい施設です。
恐らくあなたの家から鉄道で数駅、人によっては徒歩圏内にあるかと思います。

とはいえ、市区町村立の図書館は、利用しやすい反面利用者も研究者に限られません。
蔵書数の関係で、そこまで専門書を揃えていないことから、使い方を限られることになります。

1年生のレポートは、各法の基本書を精読することで対応できるため、
十分か思われます。

なお、自分が住んでいる神奈川県の県立図書館は、
民法のコンメンタールもあったため、ある程度の書籍は揃いました。

②大学図書館

大学図書館は、他校(一般)開放している場所があります。
(各校の情報はホームページに載っています。)
比較的国公立大学の図書館は、学外の利用者ヘの開放に積極的です。

大学図書館は、資料の質も高いものが多いです。
とはいえ、「法学部」があるか否かで、大分品揃えが変わります。

法学部がある大学図書館だと、単行本と雑誌論文は概ね揃うかと思います。
というのも、他校法学部から(研究用資料として?)、
学校の法学の論文誌を互いに提供しているためかと思います。

また、法学部がある大学なら、その大学に置いてなくても、
別の法学部の論文を取り寄せてもらうことも出来る模様です。
(自分はやらずに集められたので未確認です。)

参考に、自分が使っていたのは、横浜市立大学と横浜国立大学の図書館です。
横浜市大は法学部がないため、横浜国大ほどではなかったのですが、
ジュリスト、判例タイムズ、NBLなどの雑誌が揃っていたので、初期に利用しました。

もう一つ、法学部に限らず大学図書館を使うメリットとして、「自習机の確保」があります。
家だと集中できない人も資料集めと合わせて、
資料を読んで、(あまり迷惑にならない程度に)論文を作成していても良いかと思います。

夏休み前の試験期間の学外利用不可、
夏休みの短縮期間などで活用できる時間が限られる場合がありますが、
集中しやすい環境があるのでかなり便利です。

なお、大学生(特に学部生)は、
夏休みは遊びたい盛りなので、夏休みに入る8月には図書館はガラ空きになります。
結構集中できるので、あわせてお勧めです。

③租税資料館

東亜大学大学院の人は、入学式の時に紹介されたかと思いますが、
東京都中野区にある「租税資料館」は、かなり重要です。
租税法研究をする上で役立つものが多く揃っています。

資料の貸し出しは原則行っておらず、コピーのみ。
(一応、HPを見る限り洋書のみ貸出しているようです。)
入館時は名前を書き、コピーした資料のメモを最後に提出します。

探している資料があったら、スタッフの方に聞くと手厚く教えてくれます。
ここには東亜大学に限らず、他大学の院生もいます。

他の図書館以上に、張り詰めた空気が漂っており、
集中力が高まるところです。
論文完成期の頃になると、よりピリピリムードになります。

アクセスは、丸の内線方南町駅から徒歩8分くらい、
又は新宿(若しくは中野)からバスでアクセスできます。

ゼミの時にも使うことがあり、会議室を使うことが出来るようです。
別のゼミでは、ゼミで利用した後、
方南町駅前の居酒屋で飲み会をしたようです。

租税法に関する資料がたくさん揃うのですが、
唯一の欠点として、「租税法分野以外の蔵書が少ない」ことが挙げられます。
これは、図書館の性質上、仕方がないかと思われます。

一見不要かと思える租税法以外の書籍ですが、
修士論文作成において、他法や他の学問からのアプローチをすることも多々あるため、
租税資料館だけでは足りないことがあります。

大学図書館と併用して利用すると、概ね資料が揃うかと思います。

④東京都立図書館

神奈川県立図書館は、蔵書数の多い図書館だったのですが、
東京の広尾にある都立図書館は、貸し出しはやっていないものの、
かなりの蔵書数と幅広い分野の本が保管されています。

現地では、荷物をコインロッカーに預け、
貴重品と筆記用具くらいしか持ち込めません。

比較的新しい資料か、古い資料かにも寄りますが、
貴重な資料は、職員が複写し、コピー料金が高めです。

自分は、租税法の書籍ではなく、
民法のやや古い貴重な書籍を入手するためにこちらに向いましたが、
貴重な資料だったので結構高めでした。

後述の国会図書館も同様ですが、
広く本を読んでもらうためというよりは、
貴重な資料を保管するための図書館といえるでしょう。

⑤国会図書館

日本で出版されたものは原則として集まっています。
(昔調べた時は、自費出版や同人誌なども対象になるようで、
 100部程度を基準に納本すべきところのようです。)

研究文献で出版されているものは、揃わないものは殆どないかと思います。

個人単位での資料の貸し出しはしていませんが、
現地に行き複写又は、現地に行かずに郵送で複写を依頼することが出来ます。
(事前に登録する必要アリ)

(登録)

自分は、幸か不幸か国会図書館まで行かずに終わりました。
(IDは登録しましたが・・・。)
身近なところで揃わない資料は、確実性からも国会図書館を利用すると便利です。

なお、著作権上の関係で、本一冊分のコピーを入手することが出来ないため、
重要書籍で廃刊になっているようなものだと、
全ての資料を集めることが出来ない問題点(著作権法上の問題)があるので留意しておくと良いかと思います。

自分も、「日税研論集」のある号を一冊欲しかったのですが、
既に廃刊だったため購入できず、複写で集めるのに苦労した覚えがあります。

⑥その他の情報収集

・金子宏「租税法」

修論作成の頃になると、より深い専門書が必要になるかと思います。

検索方法とは言い難いですが、
修士論文の作成については、まずここから資料集めを始めるかと思います。

図書館で借りて終わらせる学生の方も少数いますが、
大学院の租税法の研究により、税理士試験の税法免除を目指すのだから、
持っておくのがスタンダートといえると思います。

租税法以外のレポートでは、使えない手段ではあります(当たり前か)。

・インターネット検索

実はレポート作成に限らず有効な方法がネットにもあります。
Googleで検索するだけです。

自分の指導教官だった先生がいうには、
最近は大学等で、電子情報で論文等(知的生産物)を保管することを進める研究機関が多いため、
意外に、レポート作成や自分の研究分野の論文(第一人者の方の論文なども含め)を、
大学のホームページなどに整理、公開していることがあります。

この方法だけは唯一、その場で、夜間でも、遠方に出かけなくても、資料が揃うので、
早く研究(レポート作成)に移ることが出来ます。

とはいえ、レポート作成ならともかく、
論文作成については、これだけですべての資料を集めることは不可能といえます。

ただし、この論文を足がかりに、
同分野の他の論文で何を読むべきかを見つける機会になるかと思います。

なお、雑誌としても出ている税務大学校論叢は、
国税庁のホームページに掲載されています。

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronso.htm
(※引用の際はインターネットより雑誌を優先するので、出典に気をつけてください。)

●Amazonは有効か

Amazonでも書籍を収集(購入)することが出来ます。
ただ、貴重な本はそれ相応の値段となり、中々大変かと思うので、
あくまで必須な書籍を購入する以外は最終手段に回した方が良いかと。

必須な書籍としては、頻繁に読む本やゼミにもって行く本などで、
金子租税法、租税法判例六法、(テーマ決めにつき)租税法判例百選については、
買っておいてよいかと思います。

忘れがちですが、
我々(私は卒業してしまったものの)、学生の身分になると、
PrimeStudent(昔はAmazonStudent)に登録可能なので、
登録しておくと、本購入時に1~3%ではなく10%ポイント還元されるので、早いうちに入っておくが吉です。

ただ、購入は多用しない方がよいでしょう(当たり前ですが高くつきます。)
基本的には、必要部分を複写する方が安く済みます。

●結論として

どの資料集めの方法も一長一短あり、完全な方法はありません。
また、一箇所ですべての資料を効率よく集めることは困難です。
(一応、国会図書館は可能かもしれませんが、ものすごく高いです。)

自分は、大学図書館と租税資料館を活用しましたが、
地方在住の方にとっては、租税資料館に行くだけでかなり大変です。

そういった方は、集めやすい資料は大学等図書館で、
国会図書館の郵送サービスを利用すると良いかと思います。

指導教授の先生が言っていました。

「論文作成の最終盤で、重要な論文を読んでいなかったことを、
先生方に指摘された時は本当に大変ですよ。」

とのこと。

必要文献を見落とさず集めることが重要です。
しっかりと文献を洗い出し、収集して行きましょう。

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