リュウです。
12月は論文も完成直前期、論文の作成と合わせて「論文要旨」を作成する時期でもあります。そのため、2年生のほとんどの生徒は、12月に余裕が無いかと思います。
自分は、12月31日の午後以外年末年始に休むことが出来る余裕は有りませんでした。
今日は、そんな年末頃(人によっては1月)に作成する「論文要旨」について、書いてみたいと思います。
「論文要旨」は、想像以上に重要なもので、公聴会のレジュメに影響を及ぼしますし、「国税審議会」に提出するものでも有ります。
私の所属していたゼミの大先生に言わせるところの、「国税審議会でみられる重要ポイントの一つ」とのことです。
●目次
1.論文要旨とは
2.論文と論文要旨との関係
3.国税審議会が見るポイント
4.書き方で注意すべきこと
5.まとめ
1.論文要旨とは
論文要旨とは、「論文の内容を概要としてまとめ、3ページ程度の文章でまとめたもの」となります。
また、前述の通り「修士論文と共に国税審議会に提出するもの」です。
当然ながら、完成論文に基づき論文要旨を書くことになるため、作成はどうしても年末周辺になります。年末ギリギリの時期に論文要旨を作成して、論文本体を「いやいや、ここはやり直し」と言われる頃で、大いに焦る時期です。
この記事を書く際に年末に出した論文要旨の初稿を久々に見直してみましたが、当時は、あれもこれも伝えたくて論文要旨は6ページになっていました。
提出後、副査の先生に「(リュウ)君、これじゃヤバイよ。」と叱咤された覚えがあります。
論文要旨も修士論文の製作物の一つ、油断せずに作成していく必要があります。
公聴会前に準備するものとして、修士論文に加えて、「論文要旨」、公聴会参加者への「レジュメ」、「発表用原稿」を作成する必要があります。
その中でも、「論文要旨」は、「レジュメ」と「発表用原稿」の軸になるものです。
2.論文と論文要旨との関係
論文要旨とは、要旨の名のとおり「論文の概要を、教授陣や公聴会参加者に案内するもの」です。
東亜では、「3ページ以内」にまとめるよう指示が出ているかと思います。
自分で書いたものなので、論文の内容を語れるのは当たり前の話(剽窃、代作、盗作はダメですよ!)ですが、それに加えて、「自分で論文概要を、簡単に説明できる」能力が必要となります。
書いてみるとわかりますが、簡潔にまとめないと字数がすぐオーバーすることがわかるかと思います。
不要なこと(特に語りたいこと以外)は書かず、結論にたどり着くロジックをわかりやすく説明する必要があります。
3.国税審議会が見るポイント
公聴会が無事通過できたとして、最終的に国税審議会に論文審査を受けることになります。
国税審議会に提出する書類は、上述の通り手続き書類に加えて「論文本体と論文要旨」が必要になります。
(なお、余談レベルですが、論文要旨を2つ折りにして論文本体に挟んで提出します。)
これは、私のゼミの大先生が言っていたのみで、国税審議会の査読官から聞いたわけでは有りませんが、
「良い論文かどうかは、要旨の質と引用の質である程度わかる。」
とのこと。
おそらく、大先生は「体裁が甘ければ、論文本体の質が透けて見える」と伝えたかったのかと思います。
私のゼミでは、大先生が読まれたときに、論文要旨もさることながら、「助詞、句読点、引用の使い方」がいい加減だと蜂の巣にされました。(9月、11月のゼミで、その指摘だけで持ち時間30分のうち、40分(誤字じゃないですよ。)攻撃され続けた可哀想な人も・・・)
査読官の方も、「読みにくい要旨、引用がいい加減な本文」に対しては「これは油断できない」と、本文をじっくり読み、本文の穴があるとわかったら、不認定ということも想定されるわけです。
4.書き方で注意すべきこと
書き方について、内容に絡む部分は教授陣にお任せするほうが良いと思うためここでは触れませんが、共通している重要な部分を書きたいと思います。
・論文を理解できていることが必要
・引用は不要
・各章の分量は極力均等に
(1)論文を理解できていることが必要
論文要旨は、論文に書いてあることをまとめるものです。
論文本体の表現を使うことは問題ないのですが、どうしてもそのまま使うと非常に冗長になります。
自分の修士論文の内容を理解できていることは当たり前なのですが、「さらに深い理解」が必要になります。
「要旨」であることを忘れず、指定の3ページに合う形で完成させましょう。
上述の通り、最初は論文を切り張りしたことにより、6ページの要旨になり、かなり先生方にダメ出しを貰いました。ルールを守っていきましょう(結構重要なポイントです。)
ルールもさることながら、国税審議会の査読でも、「冗長な要旨」は要旨になっておらず、出来の悪いものと判断されるようです。
(2)引用は不要
最初6ページになってしまった原因として「引用」を使ってしまっていました。初歩的なミスのようですが、我々は法学論文の初心者ですし、把握しておいて損は無いと思います。
「論文要旨に引用は不要」です。
文字数も増えますし何もメリットは有りません。
(3)各章の分量は極力均等に
要旨でも、主張したい部分をどうしても長く書いてしまう傾向が有りますが、バランスよく書かないといけないようです。
私が作ったものは4章立ての論文ですが、結論の4章が若干長い以外は同じくらいの分量にしました。
5.まとめ
論文要旨は、一見、論文の重要部分をカットダウンするだけの簡単なものかと思いますが意外とリスキーなものと理解いただくと良いと思います。
重要なのは、以下の4点です。
・論文要旨は、論文の概要を3ページ程度(東亜は具体的に3ページと指定あり)にまとめたものである
・論文要旨を公聴会の発表原稿にする人も居る(読み原稿を別に作る人も居る)
・論文要旨と引用が甘いと、論文の質を疑われ、精読されて問題点を指摘されるリスクが高まる
・作成上の注意事項として、「自分の論文をさらに理解する」、「引用は要らない」、「各章均等に紹介する」
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