おはようございます。
リュウです。
マイペースに第4回目です。
今回は損益計算書、
「利益の質」について考察していきます。
損益計算書は利益・費用などを観ていく部分ですが、
減価償却費やたな卸し資産の考え方によっては、非常に大きくも小さくもできます。
よく見て、質の良い利益を上げているかを考えて生きます。
前回メインで「貸借対照表」を観てきました。
今回は「損益計算書」とともに観ていきます。
チェックポイントは4つ
1 会計基準
2 売上債権回転月数
3 たな卸し資産回転月数
4 減価償却方法
1 会計基準
会計基準は大きく2つあり、
a 日本会計基準
b 米国会計基準
があります。
日本の会計基準の方が利益を操作しやすいようです。
米国会計基準は逆に厳しめで、利益が出にくくなっているようです。
大規模な会社は米国会計基準を採用しだしています。
逆に言うと、現時点でまだ多くの会社は日本会計基準を使っている。
決算短信(財務諸表や現況が書かれた報告書)を見る際に、
採用企業は、【米国会計基準】と表記するなど、
自信を持ってそれを採用していることが書かれていることが多いです。
日本マクドナルドの場合は、日本会計基準を使っているようです。
●株ドラゴン(日本マクドナルドの例)
2 売上債権回転月数
無理な販売をすると、売掛金など売上債権が増えます。
それを調べるために必要なのが売上債権回転月数です。
簡単に言うと、売上債権(受取手形及び売掛金などの合計)が、
何ヶ月で売上に変わっているかを計算します。
貸借対照表の「受取手形及び売掛金などの合計」と、損益計算書の「売上高合計」を使います。
売上債権回転月数(ヶ月) = 受取手形及び売掛金などの合計 / 売上高合計 ×12
目安として4ヶ月以上が危険とのこと。
なお、マクドナルドは、どんどん売ってしかるべき商売なので、
売掛金などはほぼ存在せず、回転率はかなりの速さです。
2009年の売上債権回転月数は
9,938 / 362,312 × 12 = 0.329(ヶ月)
です。
●MSNマネー(日本マクドナルド)
3 たな卸し資産回転月数
在庫を抱えてながら資産が増えている状況かどうかを確認します。
たな卸し資産の状況を見ないで利益が大きく見えている場合、
たな卸し資産が急増することで、
原価を安く見せて利益が大きく表示している場合があります。
たな卸し資産の評価方法についても解説されていますが、
最近は、価値が下がったたな卸し資産は、
価値が下がったものと評価するように簿価の切り下げが行われるようになったようなので、
ある程度安心してみることができます。
参考にする方はP99を見てください。
棚卸資産回転転月数(ヶ月) = たな卸資産合計 / 売上高合計 ×12
こちらも4ヶ月を超えると危険ラインです。
(※随時在庫が多くなりがちな医薬品と、流動性が低い不動産業は除く)
日本マクドナルドの場合
2,233 / 362,312 × 12 = 0.07(ヶ月)
です。
常に在庫を抱えない事業だということがわかります。
4 減価償却方法
固定資産(機械など)を買った際に、
1年間でその機械を使い倒すわけではなく、何年もかけて使い切っていきます。
そのため、何年かに分けて費用化していく必要があります。
減価償却の方法については大きく2種類あります。
・定率法
・定額法
これらのメリットとデメリットを考慮して、
採用企業の様子を確認してみます。
●定率法
定率法は、率によるもの。
年度によって費用化される額が異なる。
初期が大きく費用化され、後半は費用化されにくい。
→ 買ってすぐに費用が大きくなる。
→ 初期の利益が小さくなる
●定額法
定額法は、額が固定されているもの
毎年同じ額を費用化していきます。
→ 買った頃の費用が小さい
→ 初期の利益が大きくなる
定額法を採用することで、「利益を大きく見せる」ことが可能です。
なお、日本マクドナルドは定額法でした。
注意してほしいのは、定額法であるべき減価償却のアイテムや、
「株主(もしくは税対策)に利益を隠す」ために定率法で行う。
という考え方もあること。
どちらを採用しているかは、
有価証券報告書に載せられています。
有価証券報告書(日本マクドナルド)
http://www.kabupro.jp/mark/20100326/S0005FC1.htm
以上で、損益計算書の概要を終わります。
最後にまとめると、
1 会計基準
日本会計基準か、米国会計基準か
2 売上債権回転月数
3 たな卸し資産回転月数
棚卸資産回転転月数(ヶ月) = たな卸資産合計 / 売上高合計 ×12
4 減価償却方法
定額法か、定率法か
次回がキャッシュフローで一まとめします。
リュウ
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(平成22年9月3日現在 374冊 / 378回)
あなたの読書の役に立てるとうれしいです。
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売上債権回転月数(ヶ月) = 受取手形及び売掛金などの合計 / 売上高合計 ×12
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