おはようございます。
リュウです。
久々に株式投資本を紹介したいと思います。
全体的なイメージでは、
いくつかあるバフェットの投資本を、比較的読みやすくした感じです。
「ルールナンバーワン投資法」
新しい投資法のようですが、
基礎を大切にしたバフェットの投資法(優良株の運用)を紹介しています。
著者も、バフェット氏及び、その投資法をを尊敬しており、
本の中でも、彼の投資方法を別の言葉で表現したり、
アレンジしたものを使っています。
「週15分」というのは、少々正確ではありません。
実際には、色々な銘柄で「買い」の銘柄を探すのに数時間~数日かかるようです。
逆に、これだという銘柄を発見することができれば、
そこに、余裕資金が1万ドル(100万)以下なら全部、
2万ドル以下なら2社に分けるというように、
投資して、週ごとに随時差分情報を得ていけば良いので、「週15分」としたようです。
先日紹介した「麗しのバフェット銘柄」に、
近い雰囲気のある本で、とても参考になります。
具体的な流れを示すと、
「ナンバーワン投資法」の4つのステップは、
1 優良企業を見つける
2 企業価値を算出する
3 半値の時に買う
4 大富豪になるまでそれを繰り返す
ということです。
4つのMについて
優良企業を魅力的な値段で見つける4つの基準があります。
4つの頭文字Mをとっています。
1 この企業は自分の取って意味のある企業か (Meaning)
2 この企業は大きな堀があるか (Moat)
3 この企業は優秀な経営者がいるか (Management)
4 この企業は安全域がたっぷりあるか (Margin of Safety)
1つめの「意味のある企業(Meaning)」とは、
●あなたがその企業を丸々買い取りたいと思う銘柄であるか。
●あなたが自分ひとりでこの企業を経営できるくらい、その企業のことを詳しく知っているか。
ということです。
バフェット氏も、
「その企業の株を1株を買うときと、全ての株を買うときに違いはない。」
といっていました。
同様のことをさすのだと思います、
2つ目の「堀(Moat)」について、
これは、「競合他社が入る余地があるか」どうかを示しています。
「堀」の種類は、会社によります。
それが薬の特許(武田薬品工業など)であり、
電力会社のような巨大施設(東京電力など)であり、
各社のブランド(各コカコーラ社、ディズニー(オリエンタルランド))であったりします。
堀が深く大きいほど、
インフレに左右されず値上げができる。
安定して売ることができる
などのメリットがあります。(このメリットはバフェットの投資法にも書かれています)
「堀」の見つけ方として、5つの指標があります。
1 投下資本利益率(ROIC)が10年で10%以上
2 売上高伸び率が10年で10%以上
3 EPS(1株あたりの収益)が10年で10%以上
4 1株あたりの純資産伸び率が10年で10%以上
5 フリーキャッシュフロー伸び率が10年で10%以上
MSNマネーなどで、これに近い情報を入手することができます。
(海外だとより昔のデータまで入手できるそうですが、日本だとやや足りません。)
3つめのM「優秀な経営者(Management)」について、
著者は2つの特性を持つ人としています。
●オーナー志向
●意欲
「オーナー志向型」の経営者は、
投資家が知りたいと思っている情報を隠さず開示する人です。
この部分に関しては、私的には判別が難しく感じます。
著者は、「ストックオプションの行使をしない人」や、
「株主の手紙」などで、正直かどうかを判断するようです。
しかし、それが正直かどうかを判別するには、
少々慣れが必要なのかもしれません。
おそらく、著者が言いたいことは、
「失敗を素直に認めて情報開示する企業は信頼が置ける」
ということを示しているようです。
「意欲」について、
これは、世界を変えたいという「志の高さ」です。
インタビューなどでの経営者の発言が参考になります。
4つめの、「安全域(Margin of Safety)」とは、
バフェット氏の師匠、グレアム氏が勧めた方法です。
「安全域」とは、
企業価値を数字化しその企業の「定価」を求め、
その「定価」の半分のことです。
「安全域」で購入することで、私たちは安心して投資を行うことができます。
「定価」を求めるには
1 現在のEPS
2 10年後の予想EPS伸び率
3 予想PER
4 ルール・ナンバーワンが求める最低収益率(15%)
が必要です。
著者は、「定価」を以下のように定義しています。
現在のEPS × 10年後の予想EPS伸び率 = 10年後の予想EPS
10年後の予想EPS × 予想PER = 将来の株価
将来の株価 × ルール・ナンバーワンが求める最低収益率(15%) = 定価
現在のEPS(1株収益)は、四季報を見ればわかります。
残りの3つのパラメータは、
この本では抽象的にしか書かれていないので、参考になりませんでした。
他のバフェットの投資本を参考にした方がいいかもしれません。
以下は、
このような優良株の、「売り時」や「買い時」を見つけるために、
移動平均法やMACDなどの数値を利用して、
株を購入する、もしくは株を売る方法が書かれています。
こちらの章のほうが参考になるかも知れません。
全体を通して見て、
安全域についての説明不足でした。
しかし、バフェット流の投資法を読み返す機会としてとてもよい本です。
わかりやすい良書であることは確かです。
リュウ
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(平成22年1月21日現在 156冊)
あなたの読書の役に立てるとうれしいです。
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