おはようございます。
リュウです。
今日は、いつもと方向性を変えて、
「本」自身をテーマにしたいと思います。
どうして書店や出版社が減ってしまったのか、
どうして芸能人のベストセラーがたくさんでるようになったのか、
どうしていい本が減ったのか・・・
について語られている本です。
「誰が本を殺すのか」は、上巻と下巻の2さつあります。
上巻では「捜査編」として、
どうして日本の本に関する文化が衰退していってしまっているか、
について書かれています。
出版から始まり、卸し、本屋、読者という道のりをたどりながら、
読者不在の本が作られていくさまが示されています。
現代の書店や出版業者の弱点、
ブックオフやamazonの話、
図書館が本の業界を圧迫しているのかについて、
さまざまな人にインタビューし、
作者の主観や予想も交えながら書かれたルポです。
売ってくれる書店が減る。
今、町の本屋さんがどんどん減ってきています。
万引きの問題であり、「金太郎飴書店(どこを切っても同じ)」というようなお店であり、
さまざまな原因を挙げてます。
また、出版社がどんどんなくなっていく原因の1つとして、
「返本制度」があるようです。
返本制度は、
返本が可能
→書店が一生懸命売らなくてもすむ
→本を売る人の質の低下
また、本を読む人も、
昔みたいに、哲学書というような、
読みたいなと思わない本について見向きもしなくなりました。
逆に、メディアが取り上げた本は、
どんなに面白みがなくても飛びついてしまう国民性も問題点として著者は挙げています。
少々、作者の主観を感じる部分もあるのですが、
(特に、「高学歴」の者だけが出版に関わるのが問題だ。という謂れはさすがに偏っていると思う。)
全体的には、本に関する業界の問題点を客観的に示した良作です。
単行本上巻1冊で500ページを超える本ですが、
結構いいペースで読むことができる本です。
【たくさん本を読み、本来の質の割に売れすぎている本に疑問を抱く人】
は、ぜひ一読してみると良いと思います。
下巻を読み終えたら、また違った視線になるかもしれないので、
そのときはまたここに載せたいと思います。
リュウ
追伸:
下巻の章のタイトルに、
「書評」というキーワードがあったので、
私が本を殺しているのかもしれない・・・。
追伸2:
この本は、本の業界についてですが、
消費者不在のつくりを想像するに、
マスコミも似たような展開になっていくような気がします。
新しいメディアに取って代わられ、
一瞬の読者(視聴率)を求め、
価値の低い(中身の薄い)ものを乱発し、
徐々に読者(視聴者)に見捨てられていく。
日本の書籍・新聞も、テレビも、ラジオも、
大きな転換期を求められている気がしました。
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