教授陣との付き合い方

リュウです。

今回のテーマは、「教授陣との付き合い方」です。

研究室、ゼミにもよりますが、
教授とのやり取りに苦労される方もいるかと思います。

教授陣との(相互連絡を含めた)コミュニケーションがうまくいかず、
留年をした友人も見てきました。

「研究は自分の力で進めていくもの」という建前はありますが、
教授の指摘や、たった1つの指導による助けを戴き、
それをきっかけとして輝きのある論文が完成することも事実だと思っています。

今回は、研究をしていく上で教授陣を頼るために必要なことを中心に、
考えて行こうと思います。


目次
 1 東亜大学大学院の方式
 2 大学院の研究指導の苦労するところ
 3 具体的な対策

1 東亜大学大学院の指導教授の配置
 
 東亜大学大学院(法学専攻)の教授の配置は恐らく特殊だと思います。

 他の大学院だと、○○研究室に○○教授がいるので、
その教授の指導を仰ぐこととなるかともいます。

 東亜大学大学院では、通信制大学という不利な特性をなくすため(と説明会では言ってました)、
(少なくとも)4人の先生が一人の生徒を指導する方針を取ります。

 4人の先生として、研究室にも寄りますが、
・各ゼミの科目の専門教授
・租税法の教授
・指導教授(副査) 2名(教授では無い場合がある)

という組み合わせになります(5名の時は、主に法学の専門教授がいる)

基本的には副査の先生のうち1名に担当してもらい、指導を受けることになります。
(敢えて上2名を「大先生」と呼ぶこととします。)
「大先生」の指導は、原則ゼミ・スクーリングや直前期に限られます。

従って、4名いるのですが、基本的には副査の先生1名にお世話になります。

副査の先生が必要に応じ、論文指導を行い、
ゼミ・スクーリング以外のタイミングで「大先生」方にアクセスを取ることとなります。

2 大学院の研究指導を受けるために苦労するところ

研究室により、指導方針が大分異なりますが、
副査の先生の指導が足りないことについて、苦労している友人がいました。
(私のところは比較的手厚く見てもらった印象があります。)

友人から聞いた苦労したこととして、

 ・(最初から)連絡をもらえない
 ・ゼミとスクーリングの間に論文の方向性を聞きたく、
  メールで質問をしたが、応答がない
 ・具体的なダメ出しではなく、全否定して作り直し

正直、一番の問題は連絡を取れない(もらえない)ということのようです。

「具体的ではないダメ出し」については、賛否あると思います。
結局、修士論文は「自分の研究」であるため、
「自分で書かなければ指導も受けることはできない」ことに留意する必要があります。

精神的にダメージはあるかと思いますが、
先生方が「更に研鑽せよ!」と叱咤していると好意的に捉えるべきともいえます。

なお、他には、
「他の研究室なら通ったかも知れませんが、
 『大先生』がNGを出したので、がんばってもらうしかない」という、
つらいコメントを貰った方もいたようです。

そういった意味で、教授陣との距離や感覚が近いものである必要はあると思います。

厳しい研究室とそうで無い研究室の差であることは否定できず、
突き詰めると研究室選びに尽きてしまうところではあります。

3 具体的な対策

では、実際にどうして行けばいいか。

またも、当たり前のことを述べることになりますが、
「論文に積極的に取り組む」こと、
「教授陣も人間である」ことをしっかり把握した上で行動すべきです。

(1)論文に積極的に取り組むこと

「年間スケジュールから論文の完成時期を考える」で説明したとおり、
東亜大学大学院の人は、1年生3月~2年生11月までに、
4回のゼミとスクーリングがあります。

それぞれの「大先生」に会える機会までに、
「どこまで完成させていればいいか」をしっかりと把握し、
論文を書かされていると受動的にならず、積極的に準備をしておくことが必要です。

完成度が低いと、教授(特に「大先生」)の指導に影響を及ぼします。

私が、ゼミを受けた印象では、
3月のゼミでは、「テーマ」を重点的にみる、
6月のゼミでは、「章立て」を重点的にみるというように、
ある程度の完成度に応じた指導をしている傾向があります。

したがって、その完成度が遅れていると、
指導すべきところが書けていない(出来が悪い)ので、
適正な指導を受けることができないことになります。

ひいては、留年の危機を引き起こします。
(冗談ではなく、東亜だと4回のゼミ・スクーリングは非常に重要な立ち位置にあります。
 一回休む・サボると留年・退学率が跳ね上がるのは前にも説明したとおりです。)

そこで、ゼミにより多少方針は違うと思いますが、
副査の先生に、前の回のゼミ(又は、連絡がつくならメールなどで)、
「6月(9月、11月)のゼミではどの部分を重点的に指導が行われるか(どこまでかけているべきか)」を、
あらかじめ聞いておくべきといえます。

また、それぞれのゼミの指導のための論文提出は、
6月なら5月3週、11月なら10月4週くらいが目処になります。
(9月ゼミは日程が研修室により違うので、目安3週間前くらいです。)

したがって、ギリギリまで作ることができない。
(論文執筆は可能ですが、大先生に読んでもらった上の指導はもらえません。)

(2)教授陣も人間であること

教授陣も人間であることを理解すること、
ここを意外に甘く見ている人が多く、かつものすごく重要なところです。

例えば、
・指定した期日までに論文を提出しない
・前回直すよう指導したところが直っていない
・進んでいない(指導すべき場所が無い、参考文献を探して読み進める時期を除く。)

というようなことがあれば、
逆に自分が同じことをやられた場合をイメージすればわかると思いますが、
「こいつは論文を完成させる気があるのか?」と思うわけです。

それが何回か続くと、この生徒にコストを割くくらいなら、
他の生徒に割くべき、と思うことになるでしょう。

そこで、以下の点に気をつけて、教授陣にアクセスをすべきです。

①論文を書き進めること

書かれていない論文は、そもそも指導することができません。

私の指導をしてくださった副査の先生に、
以下の言葉をもらったことがあります。

「結局、論文を書くのはあなた自身です。
 私は、指導をすることはできますが、
 私が論文を書いてあげることはできません。」

テンポよく書き進める、
指導するところがしっかりある状態にすべきです。

当然、「税理士試験の時期だから進まない」というのは言い訳にはなりません。
留年するなら仕方ないとして、仕事も言い訳にはなりません。

②連絡をマメに(しぶとく)すること

東亜の場合、教授陣は他校で教授をされている方、
実務家の場合は、仕事も並行して行っています。

したがって、教授陣に一回相談のメールを送っても応答が無い場合があるようです。
(私が指導を受けた教授は、ほぼ1日以内に応答をくれたのですごくありがたかったですが。)

その場合は、催促のメールをするなど、とにかくアクションを取り続けることです。
1回応答が無い場合でも、3回も4回も連絡を取って、
後回しにし続けることは、人として抵抗があるので、連絡をくださるはずです。

「しぶとく」と書いたのは、
本当に応答をくれない人は、多少催告したところで連絡をくれないようなので、
しつこいと思われるくらい何度もやることが肝要です。

(それで嫌われるなら、指導をする気が無いわけなので頼っても仕方ありません。
 別の先生に頼るべきといえます。
 東亜では、応答が少ない先生がいても、真面目にやる生徒をいじめる先生は居ないかと思います)

私の研究室の別の副査の先生についた人は、
夏休み(8月)にその人が教員をしている大学まで行き、
その先生に相談をした人もいます。

③担当副査の先生以外にもアクセスを取ってみる

東亜ならば、先生の連絡メールアドレスを入学式に貰っているはずです。
さすがに、他の研究室の先生(特に「大先生」)にメールをいきなり送るのは失礼かとおもいますが、
スクーリングで話せていれば、セカンドオピニオンの視点で意見がもらえる可能性があります。
(私はやらなかったですが別研究室の人が聞いていました。)

自分の研究室の先生方なら、もう少し依頼しやすいはずです。
「ここがどうしても気になったので、ご教授いただきたいのです」というメールが失礼とは思えません。

(勿論、先生のご負担になると思いますので、担当副査の先生以外の人と違って、
 高頻度でメールを送るのは若干ご迷惑かもしれません。とはいえ、
 ある程度執筆して書くべきことを出し尽くした上でここぞという時に相談するのはアリだと思います。)

仮に4人の先生がいるとして、
それぞれが1ヶ月(4週間)に一度連絡をくれるだけで、
毎週指導を受けることができると考えることもできます。

④指導を受けたら感謝の言葉を忘れずに

論文は結局自分で書くものであります。
自己の研究、他校の講義をしながら我々の指導をして頂けることは、
貴重な機会であるので、指導を頂いたらお礼のメールをすべきです。

社会人として、当たり前のことばかり書いてますが、
先生も人間です。礼を尽くして接することにマイナスはありません。

こういのって仕事だと当たり前にすることなのに、
意外と研究畑では、それをする人が少ないように思いました。

⑤先生方に気に入られる

若干、誤解を生む表現に思いますが、
教授陣が人間であることをよく理解することです。

完成論文の内容も重要ですが、
出来が悪くても「なんとか完成させてあげたい」と思われることは重要です。

うまく表現できませんが、
「正直あいつは、しつこくてウザいくらいだが、まじめなヤツだ。」
という印象を与えることが指導を受ける上でプラスに働きます。

だからこそ①~④をしっかりやっていくことですね。

別の研究室の友人らは、
スクーリングやゼミで、指導のあとに個別で3人+教授(税法の大先生)と飲み会をしていたようです。

友人が、「俺は論文の出来はそこまで良くなかったけど、
通してくれたのは飲みニケーションによるものだな。」

と、謙遜していっていました。

どこまで本当かわかりませんが、
教授と弟子である生徒が、必ずしも無機質な付き合いをする必要はありません。

以上で、「教授陣との付き合い方」を説明してきました。

当たり前のことしかしていませんが、
ついつい、論文作成(と税理士試験の科目合格)にばかり目が行ってて、
指導をしてもらうために、教授陣との距離感を忘れている方が多い印象があります。

教授の指導が一つあるだけで、
研究の方向を正しい角度に直してもらうことができるものと思っています。

先生に応答をしてもらうために一工夫をすることで、
効率よく研究を進めることができると思います。

大学院、試験を問わず、
目指した人みんなが税理士になれることを祈っております。

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