おはようございます。
リュウです。
今日は、昨日に引き続き、
バリュー投資について、財務諸表の見方を書きたいと思います。
バリュー投資の強化書~良いビジネスを安く買い、高く売るための分析手法~ 角山智
昨日は、価値のある会社を安く手に入れて長期投資を行うために、
価値のある会社の探し方についてわかりやすく書いた本を紹介した。
主に、有価証券報告書を見て、
主に、営業のキャッシュフローに着目した会社分析を行ってきました。
有価証券報告書は、以下のHPで公開されていますので、
そちらで、長く付き合いたい会社の銘柄の分析をして見る価値があると思います。
今回も、その本の続きで、
財務諸表の見方について書きたいと思います。
●ステップ2 貸借対照表の時系列分析
ポイントは5つあります。(P64)
1 利益では出ているか
2 儲かっているか
3 製品は売れているか
4 設備投資はできているか
5 借入金は減っているか
(+αで総資産の伸び)
今回はMSNマネーというHPで、
時系列の財務諸表がまとまっているので、
そちらを観たいと思います。
http://money.jp.msn.com/
← ここの銘柄コードか銘柄名を入れて検索 → 「財務諸表」をクリック
今回は、日本マクドナルド(2702)を見たいと思います。
1 利益では出ているか
利益が出ると、「利益剰余金」が積み立てられます。
損益計算書で見る利益部分ですが、「貸借対照表」の「利益剰余金」を見ればOKです。
MSNマネーだと「当期未処分利益」として計上されます。
当期未処分利益は、徐々に増加し4年前に比べ27%増加してます
87,749/68,832≒1.27
2 儲かっているか
会社が儲かっているかの基準、
それは、通帳の預金残高を見ればわかるかと思います。
貸借対照表で預金残高にあたるものは何か。
「現金及び預金」部分がそれにあたります。
MSNマネーでは、「現金及び短期投資」がそれにあたります。
マクドナルドは、数年間停滞していましたが、
2009年度に大きく伸ばしています。
正直なところ、一定のペースで伸びていって欲しいところですが、
やや不安定な時期があったようですね。
3 製品は売れているか
商品が売れているのは、会社が健全な証拠です。
(当然投売りとかは論外ですが)
商品が売れてるのを何で確認すべきか。
それは、「棚卸資産」の推移と「総資産」の推移です。
会社規模が大きくなれば棚卸資産も増えるため、
両方を見るようです。
MSNマネーだと「たな卸資産合計」で計算できます。
たな卸資産合計 2,233/2,878≒0.78
総資産 200,793/190,363≒1.054
総資産が5%の増加に対して、
たな卸し資産は22%減っています。
他の年でも、2,000~2,800あたりをうろうろしており、
少ない在庫で安定しています。
物がよく売れて、
在庫を抱えない仕事内容だということが良くわかります。
※他の会社だと、在庫が資産の増加に対して、
それよりやや少なめで在庫(たな卸資産合計)が増えます。
4 設備投資はできているか
設備投資は、商品を生みだす源泉となります。
設備投資の増加率に注目しましょう。
設備投資は「有形固定資産」の増加を確認します。
MSNマネーでは、
貸借対照表の「有形固定資産合計」です。
マクドナルドは、実はこれがやや不安定です。
2005~2009年の推移は、
69,009 → 76,450 → 81,615 → 81,332 → 73,228
となります。
この頃、非採算店舗の調整(閉店)を行ったため、
有形固定資産が減っています。
ただこれは、採算店舗を残し、
利益率を上げるための方法として行われていると思われます。
有形固定資産が増加したり減ったりするのはあまりいい傾向ではないのですが、
店舗を圧縮し経費節減を目指した結果だと思います。
※良い財務諸表としては、
有形固定資産が一定のペースで増えていきます。
5 借入金は減っているか
借入金が減っているということは、
それだけ会社が行える裁量が大きくなることです。
貸借対照表の、「有利子負債」に注目をします。
「短期借入金」と「長期借入金」の2つで有利子負債は形成されます。
MSNマネーでは、
「短期借入金」に、「支払手形及び買掛金」+「1年以内返済予定の長期借入金及びキャピタルリース」を、
「長期借入金」に、「長期借入金合計」がそれにあたります。
たし合わせてみると
2005~2009年は
支払手形及び買掛金 3,500 3,000 5,000 4,500 0
1年以内返済予定の
長期借入金及びキャピタルリース 0 0 0 0 161
長期借入金合計 500 500 500 500 1260
合計 4,000 3,500 5,500 5,000 1,421
これの示すべきところは、
総資産に対して2~3%の少ない水準の借入金で推移しています。
借入金に関しては、
ほぼ無借金経営をしているといってもいいでしょう。
※借入金が大きい場合は、徐々に減っているのが良い傾向です。
やや不安定な時期はあったようですが、
会社の整理を行い、徐々に利益率を上げている会社に思えます。
もう少し様子を見て、健全な雰囲気に見られたら、
マクドナルドの投資も価値があるかと思います。
最後の確認で、
貸借対照表注目する点は、
1 利益は出ているか → 利益剰余金の推移
2 儲かっているか → 現金(現金同等物)の推移
3 製品は売れているか → たな卸し資産の推移
4 設備投資はできているか → 有形固定資産の推移
5 借入金は減っているか → 有利子負債の推移
を見ることでわかります。
大分長くなったので、
また明日続きを書きます。
バリュー投資の強化書~良いビジネスを安く買い、高く売るための分析手法~ 角山智
リュウ
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(平成22年9月3日現在 374冊 / 377回)
あなたの読書の役に立てるとうれしいです。
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