【本】ソロスは警告する

おはようございます。

リュウです。

あなたはジョージ・ソロスという方をご存知でしょうか。

ソロス氏は、1兆円以上の資産を持つ投資家であり、

イギリス通貨ポンドを用いて、

イングランド銀行を破綻させたと言う伝説を持つ投機家です。

今回は、サブプライムローン崩壊を予期し、

それについて語った本です。

ソロスは警告する ジョージ・ソロス

この本の内容は大きく3つ。

・彼が提唱する「再帰性の理論」

・サブプライム崩壊の原理

・2008年以降はどうなっていくのかについて

ソロス氏が提唱する再帰性の理論とは、

「市場は常に間違っている」と言うのを原点においている。

1.金融市場では、常に何らかのバイアス(偏り)が存在する。

  通常であれば、ある程度自己修復できるものなのだが、

  時に、支配的なバイアスがファンダメンタル定まる市場価格を超え、

  バイアスに合わせて価格が決まってしまうこと。

2.再帰性の名のとおり、

  市場参加者はこのバイアスのかかった相場に追随して、

  バイアスをさらに強化してしまう。

この2つの理論を合わせる。

これはサブプライムに限ったことではなく、

その他バブルについても影響を及ぼしている要素であり、

経済学のような理想の動きから外れてしまうことがあることを示している。

必要以上に株価が高いと、

もっと上がるだろうと推察してさらに買いが入り、

さらに株価が高騰するようになるわけです。

こうしてバブル景気が形成されていきます。

バフェットが時々用いる、

「ミスターマーケット」は、このバイアスのことなのでしょう。

時々狂気に満ちた値段を提唱するが、

次の日はけろっと忘れて別の値段を出す。

逆に言うと、このバイアスを気にせず、

安いときにしっかり買い、

高くなったときにしっかりと売るのがバフェット氏の手法なのだと思いました。

本の後半では、2008年の予想が書かれています。

大方の予想は当っており、

しいていえば、ギリシャの崩壊を予想できなかったのか、

ユーロが弱いくらいです。

ちなみに、彼はこの本を書いた直後、

大幅な「売り」の取引を行いました。

そして、日本語版の2,3ヵ月後、

サブプライムローン問題の価格崩壊で大きく稼ぎました。

彼自身が、「再帰性」の理論のバイアスを起こしている張本人であり、

もしかすると、

彼もその影響力を自負しているのではないかと思いました。

彼はすごい人物であると同時に、

恐ろしい人物なのかもしれません。

この本が売り出された直後に、

株式の売りを行っているだけで、

大きく稼ぐことができていたのかもしれません。

そういった意味で、【当時読んでおきたかった】本です。

今見ると、過ぎ去った過去の現象に対して、

似たような解説を行う経済学者はいっぱいいるのですが、

当時読んでみたかった。

オススメします。

ソロスは警告する ジョージ・ソロス

リュウ

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【今まで紹介してきた本のリスト】

(平成22年7月29日現在 342冊

 あなたの読書の役に立てるとうれしいです。

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