おはようございます。
リュウです。
今回は、少々昔の本を読んだため、
色々と改定されている部分があるかもしれない本なので、
最初に注記しておきます。
今回の本は、
99年(00年?)に金融庁により製作された、
「金融検査マニュアル」と言うものを元に、貸し渋りをする銀行の問題点を突いた本です。
「金融検査マニュアル」は、中小企業をいじめるものとして、
また、デフレを引き起こす元凶であるとしています。
概要としては、
金融検査マニュアルが少々現場に即していない内容である。
そのため、債務の処理具合が良好な会社も「要注意会社」としてしまうため、
本来、健全な中小の会社がどんどん破綻してしまい産業が停滞してしまう。
と言うものです。
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金融検査マニュアルの内容により、
完全に良好な条件の債務者以外は「要注意」会社にされる。
「要注意会社」は、銀行やその他の金融機関のイメージが極端に悪くなる。
外部要因により、不況が長引く。
ほとんどの会社が金融検査マニュアルによるところの「要注意会社」になる。
銀行を自分の会社の保身のため、
今まで貸していたお金を無理やり引き上げようとする。
唐突に銀行の融資が打ち切られる。
中小企業は資金繰りに悩む。
中小企業は、他の銀行で融資を求める。
「要注意会社」のため、他の銀行からも見向きもされない。
結果、銀行側は貸し出せる良い融資先があるのに、「借りてくれない」と嘆く。
産業の停滞、デフレ不況の原因となる。
なお、大問題が発生している場合でも、
国民の混乱を呼ぶとされる、大企業は国費により守られる。
バブルで余計な負債を背負った大銀行や、大会社は、税金により補填され守られる構図がある。
この不公平が、なお不況を加速する原因となる。
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と、この本では書いている。
例えば、ある会社の事例として、
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債権者(銀行)が今まで貸し続けてきた(少しずつ額を増やして会社を大きくしてきた)相手に対し、
唐突に融資を打ち切って返済のみを求めてきた。
債務者(中小企業)は、やむなく返済方法に対して契約変更を依頼する。
ところが、唐突に融資打ち切りをした銀行の問題点は表記されず、
変更した行動に対して、いきなり「要注意」の会社にされた。
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というような、ぶっきらぼうな事例が発生してしまうのようです。
小泉純一郎政権下において、
金融緩和政策を行っていたことが、
残念ながら逆効果に動いていたことがよくわかる本です。
今政権の猶予措置法が、
約750年前に制定された悪法「徳政令」に似ているので危険性も高い。
とはいえ、これによる金融検査マニュアルの改訂についても話が出ています。
この本は、政府批判で半分以上埋められており、
また、描かれている図も皮肉ったイラストが多いため、少々鼻につく本です。
しかし、ここに書いてあることが事実ならば、
金融関係の良好化を行うことが、デフレ脱却のひとつの方法といえます。
本の巻末付録に、
金融検査マニュアルの概要(と言っても100ページ以上ある付録)が載っています。
今回の改訂でだいぶ変更がかかりますが、
当時の問題点を知るうえで参考になると思います。
この本で、
「では、そんな金融不況の中、中小企業はどうやって融資を取り付けるか」
まで書いてくれているととても役立つ本になったのが悔やまれる。
ともあれ、
【これからお金を借りる中小企業の方で金融検査マニュアルの概要を知らない人】は、
ある程度知っておいた方がいいと思います。
リュウ
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(11月26日現在 99冊)
あなたの読書の参考になるとうれしいです。
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