おはようございます。
リュウです。
お堅い本ばかりオススメするのもなんなので、
今回は趣向を変えたいと思います。
今日オススメする本は、
「ラブホテル」の研究をした本です。
ホテルについての書籍はいくつもでていますが、
ラブホテルにその内容を特化して出す本は極めて稀です。
本の内容としては、
ラブホテルの歴史、ホテルの名前の由来、戦後からのホテル経営、
警察とラブホテルの関係、シティホテルとの違い、
様々なベッドや道具(ラブグッズ?)の数々。
風俗とラブホテル、それとその歴史などなど・・・。
語るテーマは尽きません。
個人的に、一番面白かったものが
「オリエントエクスプレスベッド(!!)」
本当にこんなのがあるんでしょうか。
これを調べた作家が論文を作った当時はなんと女子大生。
ゼミの中でビリを争っていた彼女が、
逆に色んな人から論文を見せてほしいと言われるような論文を作りあげ、
それを基に、この本を完成させました。
彼女が研究するようになったきっかけは温泉マーク。
戦後直後、
温泉マークは、ラブホテルのマークだったそうです。
今でこそ純粋に温泉を名乗ってますが、
当時は「さかさくらげ」と呼ばれる連れ込み宿を示すものだったそうです。
「赤線」という単語があるころの時代背景を感じますね。
実はこれを読んで知ったんですが、
ラブホテルは日本独自のもののようです。
せいぜい4~5000円程度で休め、1万円程度で泊まれる。
ホテル経営以上に色々設備が整っているし、流行に敏感に作られています。
風俗的なイメージが強いラブホテルですが、
「夢を与える」と言うような言葉が結構出てきます。
確かに、覗けるお風呂、個室にカラオケ、廻ったり線路を走ったりするベッド・・・、
現実の中にある非現実を見事に表現しているのかもしれません。
・・・多少行き過ぎ感のあるものもありますが(笑)
彼女は、様々な文献(週刊誌とかの引用が多かった)、
経営者や雑誌記者などへのインタビュー、現地調査(?)などを行っていたようです。
ラブホテル経営者や現場をたくさんインタビューするため、
おじさんに経験豊富と間違われて、
セクハラ発言を連発されたりしたそうです。
そんな経緯を通ってきた調査書です。
地道な現地調査を基に、この本(論文)が作られてきました。
タイトルを見ると一見不純な内容に見えるこの本。
実は結構まじめで、そしてある意味でライトに笑える本。
そして日本の風俗の歴史を読みやすい語り口で理解できるいい本です。
オススメです。
作家さんと一度お話してみたいところです。
ラブホテルに限らず、他のホテルへの考え方、
現地調査の苦労やコツについて聞いてみたい方です。
リュウ
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