お盆は雨の日が続き、出かけにくいですね。
娘が外で遊びたい(自転車の練習をしたい)らしく、ストレスをためているようです。
さて、本題。
昨年、比較的高配当なベトナム株から撤退したこと、米国株はキャピタルゲイン狙いなことから、今まで増加し続けた配当所得が2021年は減少に転じる予定。
配当金の増加は、資産の増加とセットであるため基本的には良い印象に思われるのですが、配当金で受けるメリットとデメリットがあります。
今日は、「配当と自社株買い」について考えてみようかと思います。
目次
配当金はあると嬉しいが・・・
家賃、配当、貸付金の利息・・・。
インカムゲインの増加、これは自己の資産の増加を実感できる瞬間です。
一方、配当金にはデメリットの部分も少なからずあります。
例えば、税金、企業側としての事業資金等々。
今日は、配当と自社株買いを比較して、配当のデメリット面も考えてみたいと思います。
配当金のメリットデメリット
配当金のメリット、デメリットを考えてみます。
メリット
①手元にお金が入る
株式投資における配当とは、「企業が株主に利益を分配すること」です。
(配当 初めてでもわかりやすい用語集 SMBC日興証券)
配当金を「利益の分配」と捉えるならば、(四半期・半期)決算ごとに利益の一部を貰うことは投資家として当然の権利です。
結局のところ、手元の資産が増えることは、配当の一番のメリットといえます。
②再投資により株式数を増やせる
配当されたお金を、配当の基となった銘柄に再投資。
配当金をもらった投資家が全員再投資するわけではないので、再投資することで自分の保有割合を増やせます。
また、購入時期を分散して投資するため、ドルコスト平均法に近い効果を得ることもできます。
(参考:ドルコスト平均法とは アクサ生命)
デメリット
①税金
これが、一番目立つデメリットです。
日本では、適正な税務申告をした場合、最大で20%の税金を取られます。
(不利な申告又は非上場株式の配当の場合は、もう少し高い税率になることがあります。)
100円の配当を貰っても、20円(今は20.315円)分を国税と地方税として天引きされます。
手元には「配当金のうち80%のお金」しか残りません。
なお、外国の証券会社を使っていても、現地の所得税等の源泉税で手取りが減ることが多いため、配当金額の100%が手元に入るわけではありません。
(翌年の確定申告で精算。)
②企業が利益を事業拡大に活かせない
バフェット氏の投資法などを読み解いていくと、配当するより「企業にお金を残し、企業の拡大に使う」ことを勧めています。
投資家にとっては配当は権利である一方、企業にとっては配当は企業の体力を減らすことに繋がります。
企業の資金に余力があるならば、生産・販路拡大のための資金、研究開発などに使うことができたものを配当により失うことが想定されます。(換言すれば、資金をかけても成長への効果が薄くなった熟成した企業の場合は、配当の方が効率が良い事もある。)
③自社株買いという選択肢
配当ではなく、「自社株買い」という選択肢もあります。
必要なくなった資金を会社が買い取り、株式数の減少から1株当たりの利益を上げることで株主に還元する方法もあります。
この場合は、配当課税されないため効率よく企業価値を上げることができます。
3では、配当金を再投資したケースと自社株買いを比較してみたいと思います。
配当金再投資と自社株買い
最初は無配で企業が内部留保を企業拡大に使ったケースでやりたかったのですが、
良いモデルケースが思いつかなかったので、自社株買いで比較しました。
●モデルケース
配当前株価 100円、発行株式数 100万株(→ 時価総額1億円)
EPS 10円(PER10倍)、配当 5円
税率 20%(復興税は無視)
1000株保有(資産価値100,000円)、PERを10倍に固定。
①配当再投資
・配当金
配当金 5円 × 1,000株 = 5,000円
税金 5,000円 × 20% = 1,000円
税引き後 4,000円
・再投資
4,000円 ÷ 100円 = 40株
1,000株 + 40株 = 1,040株
・購入後の資産価値
100円 × 1040株 = 104,000円
②自社株買い
・総配当金額
配当金 5円 × 100万株 = 5,000,000円
・自社株買い
購入株式数 5,000,000円 ÷ 100円 = 50,000株
発行株式数 1,000,000株 - 50,000株 = 950,000株
EPS 10円 × (1,000,000株 ÷ 950,000株) ≒ 10.53円
・自社株買い後の資産価値
PER固定の場合の株価
10.53円(EPS) × 10倍(PER) = 100.53円
100.53円 × 1,000株 = 105,300円
①<②なので「自社株買いの方が有利」になります。
なお、税率がゼロのケース(資産価値105,000円)で、自社株買いの方が有利ですね。
実際には、配当金が確定すると株価が若干下がるので購入株式数が増える可能性があること、投資家にとって自社株買いは好印象なので、PER(≒株価)で反映されやすい面を考慮していないので実際にはもう少し効果は異なるかもしれません。
とはいえ、配当金は目の前の資金が増える一方、効率面では美味しいとは言えません。
税金がかからない配当再投資
では、税金がかからない配当なら良いか。
一部例外的に、配当金に税金の影響を受けないものがあります。
①iDeCo
②NISA系
などがあります。
①iDeCo
iDeCoは「運用益が非課税」で、そのまま再投資されます。
一方で、現行だと60歳まで引き出せません。
配当として手元に残るわけではありませんが、再投資をする予定のものと捉えれば「税引きされない配当再投資」と考えて差し支えないでしょう。
②NISA系
いくつかあるNISA系も、配当金は非課税です。
(※一方で、特定口座のように他の口座の損失と相殺できない)
こちらは手元に残るため、使い勝手がいいと思います。
(※ジュニアNISAは制限されますが、制度終了のため今後一部制限解除されます。)
まとめ
結論として、配当金より自社株買いの方が良い。と言えそうです。
ただ、企業が自社株買いを積極的に行うかというとそうでもありません。
オールドエコノミーに多い高配当銘柄も税金面を中心とした良し悪しあります。
せめて税率がゼロならばと思いますが・・・。
無配当の銘柄にも相応のメリットが、高配当には高配当なりのデメリットがあることに気を配って投資していくと良いと思います。
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