税理士試験と大学院の両立について

リュウです。

大学院の攻略法と言いながら、少し脱線します。
まぁ、税理士試験がテーマではあるのですが・・・。

今回のテーマは、「税理士試験と大学院の両立は可能か」について。

結論からいうと、
「可能ですが、それなりのリスクを伴う」ことになります。

東亜大学大学院に通う人の多くの方の最終目的は、
「税理士試験の科目を免除してもらうために、国税審議会を通る論文を作成すること」かと思います。

ここを見ている人なら釈迦に説法と思われますが、税理士試験の通過のために最低3科目を必要とします。
(会計2科目、税法1科目、会計も免除すれば、
 会計科目・税法科目1科目ずつで合計2科目)

そのため、私の大学院でも3科目まで(3科目以上)取得の上で受験している人と、
まだ3科目に至らず受験中の方との差が、論文作成に大きな影響を及ぼします。

3科目持っている方は論文に集中し、安定して研究に専念できます。
うらやましい限りです。

しかしながら、現実はなかなかそうもいかず、3科目に満たないまま大学院に入学する方も多いようです。(私も2年我慢したうえで、在学中に狙う方法を選び大学院を受験しました。)

この項では、大学院に通いながら受験を受ける展開になる人、また、受験せざるを得ない人は、どのように攻略すべきかを書きました。

科目合格者の割合

少人数ですが、自分と周りの合格状況を聞いてみたところ、
0、1、2、3科目合格者の比率は(1:3:8:8)でした。
(※2020.5追記:後輩や同級生に4科目合格者がわずかにいました。)

聞いていった過程で、0科目の人も。
若干1科目で受ける人が少ないものの、2科目くらい合格すると目指す人が多いようです。

中には、税法1科目のみ持っている特殊な方もいました。
(会計は卒業後受けるとのこと。)

在学中に受験するかについて意見が分かれますが、概ね受験しているようです。(自分もそうでした。)
意外なことかもしれませんが、合格率は一般的な税理士試験の合格率より高めでした。

時間がない厳しい状況で覚悟を決めて受験しているからだと思います。

合格割合は以下のとおりです。(合格者/受験者)

 1年時 4/8 財表持ち→簿記論合格、簿財もち→消費税法合格、
         簿財もち→国税徴収法合格、科目なし→国税徴収法合格
 2年時 2/5 簿財もち→国税徴収法合格×2名

在学中に受験は可能か

まず、試験について、大学院の2年間の間の科目合格は、相応に厳しいものとなっています。できる限り、単位取得がメインの1年生で取ると卒業しやすくなります。

1年で不合格の人は2年にも受験していましたが、合格は難しいと言えます。

次に大学院について、
通常、大学院のカリキュラムのみだと、仕事と生活以外をそれに集中することで、手を抜かない限り、院試を通過できる能力があれば概ねクリアできると思います。

3年合格をするなど計画的に留年をする人は仕方ないとして、留年する人(ひいては退学する人)は、概ね大学院のカリキュラムを甘く見て状況に陥っているように思います。(中には研究室の教授にどうしても認めてもらえず苦労した人もいますが。)

そのため、大学院を軽んじて税理士試験と両方を受けると、共倒れになるリスクがあります。

私の年は、ある科目のレポートの締切が税理士試験から一週間弱だったので、かなり苦労してレポートを作成しました。
お盆で開いている図書館を駆け回った思い出があります。

2年時は論文作成中でゼミは9月のため、一見、「試験を終わって、8月から論文を頑張ろう」が通じるように見えて、相当挽回しないと間に合わない仕様になっています。
9月のスクーリングで未完成な状態(多少荒削りなのは仕方ないとして)は若干遅れ気味。完成に近づいている段階である必要がある時期だからです。

一般的に税理士試験の直前期である5月~8月上旬に、最重要カリキュラムの一つである2年生6月のスクーリングと、試験直後に9月頃のゼミの準備を短期間進めていかなければなりません。

また、個人差はあるものの、8月末(9月のゼミ)までに、論文の本文を完成させて、教授の添削を受ける段階まで終わらせていないと、留年が見えてくるリスクがあります。

自分も受験した立場なので、運よく科目取得をしたとはいえ中々の苦行でした。

税理士試験そのものが難関なのにもかかわらず、大学院の片手間で受けるというのはやはり厳しい。

とにかく、大学院というルートを通った以上、両立させるか、大学院のカリキュラムのみをクリアするのに専念して、試験との共倒れだけは、意地でも防ぐべきです。

そのため、いつもの如く戦略的ではないですが、もし税理士試験は【可能な限り1年生の時に撃破すること】です。
2年になると、時間を論文にほとんどとられると言ってもいいでしょう。

1年生ならば、カリキュラムが、大変なりにまだ時間を取れますので、試験のみを受けてる人と互角に戦いやすい時期です。
(学科レポートに時間を割かねばならないものの、十分挽回可能です)

もし受けるならば・・・

それでも受けなければならない状況の人は多くいると思います。
私もそうでした。

大学院で学びながら税理士試験を受けるならば、両立するために、他を捨てる必要があります。日常生活の余暇をすべて研究と試験に向ける覚悟を決めてください。

では、2年生になっても科目が残ったならばどうするかというと、少ない時間で、高いパフォーマンスを出すしかありません。

また、新しい科目を2年生になった年度で受けるのは勧めません。
理由は言わずもがな、そんなことしている時間はありません。
恐らく留年することになります。

攻略といっても簡単なことです。
やることは一つ、「試験勉強に取る事が出来る時間を計算し、その時間に勉強すること」です。

とにかく使える時間がどれくらいあるか計画をしっかり立てて、いわゆる「すきま時間」を暗記に費やすことが重要です。(もはやタイムマネジメントの話ですね。)

例えば、朝の60分、通勤の60分、夜の120分など、自分の生活リズムで「勉強できる時間帯をあらかじめ知っておくこと」が、
重要になります。

会計、税法問わず計算がある科目ならば、大問1つに60~80分程度要ることがほとんどです。

したがって、まとまった時間が取れる週末(休日)に進めることとなります。
(後述しますが、そのために理論のみの「国税徴収法」が狙いやすい。)

しかし、試験だけやっているわけにはいきません。
2年生で論文を放置すると、かなり不利な状況になります。
よくて留年、教授陣の指摘に耐えられず、退学した友人もいます。

生徒の自主性に任せ、比較的放任主義の研究室だと、税理士試験の直前気の3か月間、
資料探しも、論文も、全く手を付けていない状況となると、
先生の心象もわるく、留年・退学するリスクが大幅に増します。

これらを加味して戦略を立てました。

私の場合は、週3日(火~木)に論文を書き
週末4日間(金~月)を理論暗記メインで勉強していました。
7月に入ったら論文2日、試験勉強5日くらいになっていたかと思います。

この3:4(2:5)の比率が良いかは不明ですが、
ある程度覚悟を決めて、「論文をやる時間」「税理士試験の勉強をする時間」のメリハリをつけて、それぞれの時間に、もう一つの作業をやらずに集中したことで合格できたと思っています。

それにしても、今、思い出しても本当にシビアな頃でした。
2回はやりたくないですね。

最後に重要なので、もう一度くりかえします。

もし税理士試験を受けるならば【可能な限り1年生の時に撃破すること】です。

無事に2年で終わった今だからこそいえますが、私も研究漬けで出来る環境がある2年生時代を過ごしたかったものです。

目的こそ税理士試験の通過ですが、やはりより良い物を作りたかった。
時間をフルに使えば、より良い論文が書けたんだろうなと思っています。

大学院生の論文は才能以上に限られた時間で、どれだけベストを尽くせたかも質に影響を及ぼす重要な要素です。時間が取れなかったのは言い訳にしかなりません。

ともあれ、大学院在籍中に税理士試験を受けて共倒れにならないよう、計画的に作っていきましょう。

※2020.5.11 レイアウト等を修正

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