あの有名国はOECDの学力ランキングでランク外という事実

リュウです。

 

今日は、やむを得ずセミナーを2箇所。

どちらも日程調整が利かないのですが、どちらもこのタイミングを外せないので全力を尽くしてきます。

 

さて、本題。

時々新聞やニュースでOECDのPISAの話が出てきます。

大抵、日本のランキングが昔より下がったと話題になります。

 

しかしながら、昔から、あのランキングは価値があるのかについて疑問を持っていました。

ほぼ常に日本より下にいるある有名国があります。

 

しかし、その国はいわずものがなの強国です。

 

PISAのランキングが下がってきたといわれる今、

日本国として、どの方向に将来の教育に舵を切るかを考えるいい機会だと思い、記事にしました。

 

※平均的学力に意味があるのだろうか・・・

 

●もくじ

1 OECDランキングとは

2 どういうランキングかをもう一度考える

3 あの国が日本より遥かに下という事実とランキングの意味

 

1 OECDランキングとは

OECDの学力ランキングとは、経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)の行う、学習到達度調査(Programme for International Student Assessment)のことです。

 

読解力、数学力、科学的リテラシーの3分野で調査を行います。

国際的に学力を比較することが出来る統計としては貴重なもののようです。

 

日本人の若者はSNSなどの短文を読んでいるから読解力が下がったなどというのは的外れだと思いますが、相対的な平均学力(あくまで同世代比較であって、年上と比較している統計ではない)が下がっているのは確かなのかもしれません。

 

しかしながら、このランキングについてどの程度重要視すべきかを考えてみましょう。

 

 

2 どういうランキングかをもう一度考える

このランキングは、各国の学生の「平均的学力」ランキングであることに留意。

したがって、上位ランクは平均的な学力が高い国(中国などは一定地域)ということです。

 

ポイントとしては、すべてのランキング1位の中国(北京・上海・江蘇・広東)

基礎学力(読解力などを含め)が非常に高い国であること。

(若干地域を偏らせているので、統計情報としては有利に出てしまうことを考慮しても突出)

 

国もマスメディアも、ここのランキングが高いことそのものがプラス評価である、ということに反論は少ないと思います。

それ自体を否定するものではありませんが、このランキングに出ていないある有名国があるのです。

 

 

3 あの国が日本より遥かに下という事実とランキングの意味

10年以上前からニュースや新聞記事でこれが公開されるたびに見ていたのですが、上位ランクにあの国が出ていません。

 

見ればわかるとおり、「アメリカ合衆国」です。英国なども若干上位ですが同様。

なぜアメリカのランキングを報道しないか不明ですが、アメリカは上位ランク外なのです。

 

参考になるページがあったのでリンクを貼ります【図録▽学力の国際比較:https://honkawa2.sakura.ne.jp/3940.html

昔からアメリカがランキングが上位に居ないですが、参加を放棄していたわけではなく、ずっと参加していたようです。

 

恐らく、全米での評価だと思うので(中国のように行政区を区切った調査とは違い)、若干不利に出るとは思いますが、それにしてもランクが低い。

 

よく、日本で理系が減ったなどといわれた科学的リテラシー分野は、上記ページによると、

日本は、2-2-6-5-4-2-5位

米国は、14-22-29-23-28-25-18位

 

となる。

省略しますが数学的リテラシーだとなお低いです。

 

そうすると、いくつかの疑問が湧いてくるわけです。

 

・世界一の経済大国のランクが低いのはなぜか

・OECDのランキングって国力と関連しているのか

・ランキングが低くても米国で(例として)ノーベル賞受賞者が出る

・OECDのランキングを上げる必要があるのか

 

等々。

 

おそらく、ランキングが高いに越したことはありませんが、国力と国民全体の平均的学力は絶対的な関係ではないのでしょう。

 

個人的な仮説として、

・みんなが勉強を出来る必要が無いと考えている

・米国はスペシャリスト教育で、デキるやつはデキるから平均値に興味なし

・又はできないやつ、頑張らないやつは見捨てられる

 

というお国柄なのだと予想しています。

読解力・数学・科学的(13-37-18位)であるアメリカ合衆国。

 

世界長者番付2019の上位30人のうち17人がアメリカ合衆国出身(引用:https://yorozu-do.com/sekaichoujabandzuke/#201930であるということに矛盾を生じます(世代の違いはありますが)

ノーベル賞も合衆国民が多数受賞しています。

 

OECDのランキングがその国の豊かさや国力を示すといえるものなのでしょうか。

個人的にOECDなんて平均的な学力の基準の一つに過ぎないと思っています。

 

 

4 では、どうしようか

そこでどうするかを考えてみましょう。

 

想像してみてください。

 

あなたが仮に文部科学大臣だとします。

あなたが決めた方針が、30年先の国の教育を左右する決断を求められているとします。

 

日本は今のランキングにいる状態で2つの選択肢があり、

 

・スペシャリストを育てる米国方式(PISAのランキングは副次的なもの)

・みんなでレベルを上げていくよう勧める旧来の日本方式(PISAのランキングを上げることを強化)

 

あなたは、文部科学大臣としてどちらを方向性を選択したいですか?

どちらが将来の国のためになるでしょうか。

 

一度考えてみると、全員の平均的学力を上げる教育方針は見直す時期ではないか、と思えてくるのです。

 

 

●まとめ

・OECDのランキングは、みんなの「平均的学力」である

・平均的学力は、日本より米国のほうが低い

・でも、日本のほうが米国にノーベル賞・世界的長者番付に載るひとは少ない

・OECDランキングを上げるための教育方針で良いかを見直す時期に来ている

 

これに尽きます。

 

方向性を誤ると数十年後の日本の国力をさらに衰退させる結果になります。

今、われわれがPISAのランキングで「今の若者の学力は(相対的に)下がった」と悲観している場合ではないのです。

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