長期投資の本に書いてあることをまとめてみた

色々な投資本、ファンドマネージャーの本を読んだのですが、
長期投資に関する本について書いてあることが、
だんだんと似通ってきたのでまとめてみます。

大きく言いたいことは2つ。

1 良い企業を買う

2 安く買う

まぁ、投資として当たり前のことなんですけどね。

より詳しく書いてみると、

1 良い企業とは

 ①資産をたくさん持っている企業

 ②利益を多く出す企業

 ③お金がかからない企業

 ④成長し続ける企業

 ⑤その他

 ①資産をたくさん持っている企業とは

企業の(清算)価値に注目した手法。
バフェットの師匠グレアム先生が祖とされる。

特に重要なのは流動資産が大きいこと。
一番分かりやすいのは現金や投資用有価証券
売掛金は次点、棚卸資産は実価値からかけ離れていることがあり美味しくない

固定資産は、時価を判断する必要がある。
バフェットは、バークシャー・ハサウェイの繊維業を廃業する時に、
繊維業で稼いできてくれた資産を二束三文で買い叩かれていた苦い思い出を持っている。

のれんの価値も考慮する(ただしのれんについては②の要素もあわせ持つ)
企業を買収するのにかかるかかるコストが資産以上にかかるならば、
見えざる資産価値(のれん)があるということです。

 ②利益を多く出す企業とは

利益を出す企業は、当然ながら株価でも評価される。
これは、EPS(1株あたりの利益)に対して株価が織り込まれる傾向があるから。

ただ、人気だけで高値がつく企業があることはいうまでもない。
利益が上がっていないのに高値がついている企業は手を出すべきではない。

利益の大きさをあらわすのによく使われる指標として、
ROEなどを使うことが多い。
(ただ先日書いたが、ROEは資産が多い企業だと低く出るため、
指標として役立たない場合もある)

他の指標として、売上高利益率が高い、
経常的なコストが少ない(③のお金がかからない企業ということにも直結する)
といったことにも注目するとよい

 ③お金のかからない企業とは

お金のかからない企業は、利益を大きく上げやすい。

経常的なコスト(原料費、販売管理費)が少ない、
企業拡大に際し、固定資産を増やす必要がほとんどない。
研究費がかからない。

などに注目すると良い。

特に固定資産が増え続ける企業は、(電力、自動車など)
収益とともに費用が増加して、最終的に株主に廻ってくるお金がわずかになる。

 ④成長し続ける企業とは

成長余地(市場規模)があるかどうかはやや賛否が分かれるが、
企業規模が小さい時に購入して、企業規模と利益の大きさが増えるならば十分な価値がある。

ただし、バフェットが購入したシーズキャンディを見てもらっても分かるように、
低成長でも大きな利益を上げてくれる企業があるようである。

ただ、成長すればいいわけではなく、利益をちゃんと上げられているか、
独占力(価格の決定権)があるかなどに注目して、
今後もその地位を維持できるかも重要なポイントとなる。

 ⑤その他

・配当について
良し悪しはあるが、配当に税金がかからない以外は良好だと思われる。

成長より劣るという考え方もあるが、
(税額を無視して)配当金を再投資するならば、同等の投資効果があると思われる。

また、配当金(及びその再投資)は、株価の低下を支え、
株価上昇時の利益の加速(保有数が増加しているため)に役立つ。

2 安く買う

重要なのは、良い企業を少しでも安く買うことである。
良い企業でも、高すぎたら意味はない。

ただ、良い企業を普通の値段で買うほうが、
普通の企業を安い値段で買うより効率が良いようである。

単にPERに注目するのではなく、
10年後のPER(もしくはEPS)に注目して、
それに対して株価がどのようにつくかを予想すると良い。

EPSの成長については、店舗数増加や独占力の維持、原材料や生産コスト、
そして最重要なのは、「その産業が10年後に勝ちある産業かどうか」ということ。

10年前と今のIT企業を考えてみれば分かりやすいと思われる。
すっかり安売り・投売りされる産業となり、利益率が大幅に落ちたことが分かる。

また、安さの指標として、債権・社債の金利と比較してみるとよい。
金利が高い時は、債権や社債の方が効率が高い時がある(今の日本はどう見ても得ではないが)

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こう考えてみると、当たり前のことの羅列になってしまいました。
読んでいただいた方もそう思ったのではないでしょうか。

当たり前のことなのに、(長期)投資について成功者と失敗者が出るのはなぜか。

企業の資産価値や成長の見立て方が違うのかもしれません、
良い企業だとしても、結局手を出さなかったのかもしれません。

今後考えていくべき課題です。
 

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