年間スケジュールから論文の完成時期を考える

リュウです。

東亜大学大学院にやや特化した話になってしまいますが、
早いうちにスケジュールを整理しておくと便利なので書いてみます。

なお、2016年(平成28年)入学の当時の情報です。
現時点では、学校側でカリキュラムを変更している可能性があります。

一応、各スケジュールの説明をはさみましたが、
入学式に学生便覧の説明をされていると思うので参考程度に。

書きたかったことはその後なので、「●具体的に準備しておくこと」だけ読んでもらってもいいと思います。

年間スケジュール

私が院生だったころのスケジュール概要は以下のとおりです。

2月  入学試験
3月  合格発表
--------1年次--------
4月  入学式
    前期授業開始
5月
6月  合同スクーリング
7月
8月  (税理士試験(1年次))
    研究室選び
9月  研究室確定
10月 後期授業開始
11月 合同スクーリング
12月
1月  論文研究テーマ提出
2月  論文発表公聴会(見学)
3月  研究室ゼミ
--------2年次--------
4月
5月
6月  合同スクーリング
7月
8月  (税理士試験(2年次))
9月  研究室ゼミ
10月
11月 合同スクーリング
    論文仮提出
12月
1月
2月  修士論文公聴会
3月  卒業式

それぞれの内容

前期・後期の講義

細かいことの中、さらに細かいことを書いても仕方ないですが、卒業のためには一定の単位を取得する必要があります。

私の年は、後期の科目の先生だった教授がお亡くなりになり、7科目のうち6科目を通過する必要があり、私のころは教授が1名お亡くなりになったため急遽その科目が亡くなり、6科目全部の単位を必要とすることとなりました。

1科目不合格でも良いと思ってた友人が、前期で落とした結果、2年生の時に単位を取ることとなり苦労してたのを思い出します。

1年でとっておいたほうが当然楽になるので、頑張って終わらせましょう。
税理士試験直後に締め切りの科目があってハードなものもありましたが、レポートを提出して判定されます。
基本的には指摘どおりのものを作成できれば、成績に多少の違いはあれ通過することが出来ます。

通過だけなら簡単ですが、各科目を効果的に生かすために、論文を書くつもりでレポートを作成するよう意識すべきです。
これは、2年次に論文を作成する時に生きて来ます。(例えば40字×30行、ページ番号(ノンブル)を入れるなど)

合同スクーリング(1年次の6月・11月)

1年生は3日間、2年生は2日間、全員(全研究室)が集まって勉強する機会になります。個人的にはかなり重要なイベントに位置しています。

1年生は主に座学(2年生の論文指導を直接見る機会もあります)で、2年生になると、スクーリングは論文の指導の場になります。
2日目には1・2年生と教授陣との懇親会があります。

スクーリングで楽しかったのは、1年生は懇親会を除いても7食、みんなで同じ釜の飯を食べること(食堂ですが)となります。学生で合宿をしているような感じで思い入れが深いです。

それもあって、最重要なスクーリングは、やはり1年生の6月です。
前の記事でも書きましたが、「このスクーリングまでに友人を作っておく」と、
今後の大学院生活が楽になると思います。

また、もうひとつの1年次6月のスクーリングの重要な理由は、「研究室選び前に教授陣に会える最後のタイミング」でもあります。

なかなか、講義の先生以外のイメージがわかないかと思いますが、座学の授業の先生が研究室の先生になることとなりますので、授業と懇親会でどういう人かを知っておくと良いかと思います。

あと、2年生と話せる機会が合同スクーリングしかないので、何人かとやり取りができるようになるといいですね。
(とはいえ、同級生と話している方が多くて中々難しいと思います。)

研究室確定(1年次の9月)

前期のレポートが終わる8月頃に、研究室を選択する必要があります。
希望制で、希望通りに入れるかどうかというと微妙なところです。

ところで、当時の私が心配していたことで、「税法の論文を書くのに、憲法や民法の研究室で国税審議会に出せるのか」、という疑問がありましたので一応書いておきますが、

結論、【みんな租税法の論文を書きます。】 ←重要です。

各分野の法学と租税法を4:6の割合で書くように言われると思います。
まさに妥当な表現で、租税法をメインに、各法律の視野から研究をするイメージです。

そうすると、選んだ法律のゼミと違う法律の研究分野では出来ないか心配な方もいますが、問題ありません。

公法分野で私法関連の研究、私法分野で公法関連の研究をする人は一定数います。
希望通りにならなくても、テーマ決め(後述)をしっかりしていれば研究をさせてもらえます。

当然、ゼミの先生方の研究分野に近ければ、
その分野において細部まで指導をもらえます(裏を返せば厳しい)。

研究テーマの提出(1年次の1月)

そして、後期も終了に近づく1月末頃、研究テーマを提出します。
個人的には第一の試練と言っていいかと思います。

研究テーマ決めは、恐らく修士論文完成までで最も重要な作業となります。

いい加減なものを出すとものすごく苦労するので、ここを一つ目のゴールにするくらいの気持ちで頑張ってください。

蛇足ながら、論文完成までの道のりで重要な作業の割合をいうならば、

 ・テーマ選びで4割
 ・研究室選びで3割
 ・その他の努力で3割

くらいだと思っています。
くどいですが、作りづらいテーマを選ぶと例外なく苦労します。

テーマ選びは、60人の同級生が60通りの考え方を持っていると思うので、個人の見解で最適解が異なりますが、テーマ選びについてはまた後日語れたら語ります。

研究室のゼミ(1年次の3月、2年次の9月頃)

いよいよテーマが決まり、3月から論文製作にかかります。
(上級生の論文作成が終了した3月からようやく1年生の指導が始まります。)

恐らく、他の大学院より遅めだと思っています。
まぁ、他大学と比較をしても仕方ないので、じっくり腰をすえて、限られた時間で全力を尽くすことです。

研究室ごとに3月の中旬頃に論文の進捗報告と指導を受けます。
各人、発表と指導で30分くらいの時間があります。
録音器具を持って行き少しでも情報を収集しましょう。

特に主任教授(偉い先生)の意見をもらえるのは、原則こことスクーリングだけです。(例外はありますが・・・)

2年次合同スクーリング(2年次の6月・11月)

6月は、論文が半分くらい書けている頃です。
早い人は、全文作成(直すので完成とは言い難い)に近い方もいます。

全体の構成の確認がメインといったところでしょうか。
私は構成メインで指導を受けました。

11月は論文の仮提出直前で、9月のゼミを元に直したところを修正してもらいます。

個々人の出来次第ではあるものの、微修正で済む方はわずかなので、ここから仮提出までかなりエネルギーを使う時期になります。

論文仮提出など(2年次の11月~)

こうして、論文を提出することになります。

この後、何回か修正のチャンスはありますが、仮提出で次のラウンドへ勧めるかの審査、次のラウンドで論文発表公聴会に出られるかの審査が行われます。

多少ながら、完成させたつもりで次のラウンドに進むことをNGとされる方も出てきます。留年・退学色々選択してきた方をみましたが、寂しいものです。

公聴会に出られる人は、過去の指導を活かすことが出来たか、引用や誤字はしっかり直っているかなど、論文の体裁をしっかり見られます。

公聴会(2年次の2月)

論文作成の集大成です。2月の中旬の3日間に行われます。
発表がある2日間については1年生も見学をすることが出来ます。

公法分野の研究室と私法分野の研究室と分かれて、論文を発表し、
各教授の口頭試問(要は質問)を乗り越える必要があります。

最終日に通過したかを発表、
これに通過することで、いよいよ卒業をすることが出来ます。

具体的に準備しておくこと

これを書きたかっただけなのに、思ったより長くなってしまいました。
結局何をすべきか、ということになりますね。

特に出された課題を出すだけの1年生と異なり、2年生は1年間かけて、自分で考え、見つけ出し、論文(研究)という課題をクリアして行きます。

スケジュールを参考に何をすべきか。
逆算していくと様子がわかるかと思います。

論文テーマを提出するのは1月末です。
論文を提出するのは11月末です。

そして、先生(特に主査の先生)の指導を確実に受けられるタイミングは、

 ・3月頃のゼミ
 ・6月のスクーリング
 ・9月頃のゼミ
 ・11月のスクーリング


の4回です。

というわけで、それぞれのゼミで何を準備していくかを書いておきます。

3月頃のゼミ

 テーマ決めです。
 メインテーマとサブテーマを提出し、先生方が完成させられるテーマ化判断します。
 当然メインとサブで決まらないこともあり、苦労します。

 また、資料集めが出来ていないと、折角のいいテーマも教授陣を納得させられない可能性があります。 研究用に用いる論文の引用で用いた論文を集めて、その論文の引用で用いた論文を・・・とやっていくことで資料を揃えます。
 遅くてもゴールデンウィークに、租税資料館や国会図書館のコピーサービスで揃えましょう。

6月のスクーリング

 テーマが決まり、書き始めて、進んできた実感がある頃です。
 本当は、全体が書きあがるくらいまで進むとベストですが、中々難しいと思われます。少なくとも全体構成(目次、結論など)をしっかり作り上げておくとベターです。

 苦しい時期ですが、ここで全体構成が出来ていることで、論文内部の指導をもらえると一番論文が進む時期で、夏の時期の論文作成が安定しますので、意地でも乗り切ってください。

9月頃のゼミ

 9月には、精度はともあれ、最終まで原稿を完成させている人が大分いるはずです。
 (できてない人もいますが、そういう人は11月に向けてかなり力を入れて乗り切らないといけません。)

 ここで初めて、教授陣が一通り読んでくれる時期かと思います(研究室によりますが・・・)

 税理士試験に力を入れすぎると、3週間程度しか時間がなく、ここでの先生方の厳しい指摘を乗り切ることが出来ないかもしれません。 

11月のスクーリング

 (仮)提出前の最後の指導です。
 9月の指導で修正した内容の質を上げる時期です。

 こんな時期でも、「てにをは」や、引用の仕方、引用文献で注意を受けることがあります。(仮)提出直前のため、具体的にこういう方向で直してくださいという指導をもらえることも多く、 重要度が高いスクーリングです。

 おおよそ、ここから2~3週間程度で、(仮)提出原稿を完成させます。

11月のスクーリング以降

 ここ以降は、個々人の状況で追加して指導をしてもらったり、
 論文の修正をしていくことになります。

 大きな声では言えませんが年末に苦労する人も一定数おり、公聴会を目指してみんなが、仕事と両立させるのに苦労する時期です。

 総じていえることは、【ゼミとスクーリングを休む(サボる)と留年する可能性が数倍になる】ということ。先生方も言っていましたが、実感はあります。
 これは、東亜大学大学院の論文が特別に大変というわけではありません。「指導を受けられる回数が4回しかない」ことにつきます。

 私の指導をしてくれた先生が言うには、「前半にかなり出来が良かった人も、一回スクーリングを休んだだけで、留年寸前までいって苦労した」とのことです。

また、ゼミやスクーリングの時期で準備するレベルがある程度決まっていること。
(その水準まで行っていないと、やはり留年可能性が高い。)

この2つを理解していれば、研究時期の目安が大分出来るのではないかと思います。
役立てば幸いです。

※2020.5.11 レイアウト等を修正

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