スノー・ボール 第51章

リュウです。
今日は第51章、LTCMについてです。

ここを読んでくれている方は知ってるかと思いますが、
LTCMという投資集団があります。

ソロモンのときに出てきた、
凄腕の裁定取引のプロ、メリウェザー氏らが経営した投資ファンドです。

彼らの手法は、その裁定取引を利用した方法でした。

裁定取引は、
2つの価値が違うものが、買収や吸収合併などで、
同じ価値になることが予定されているとき、

その値段の差分を予約しておくことで、
やがて同じ値段になったときに利益を手に入れる手法です。

リスクが少ないですが、お金に対する利益が低い場合が多く、
大規模にお金を動かさないと収益の幅が小さいのです。

そのため、彼らは何千億円(何十億ドル)の資産を使い、
大きなレバレッジをかけて利益を上げていました。

当初は好調で、資産は4年間で4倍になったそうです。

しかし、彼らの予想と反した市場の動きがあり、
値幅が小さくならなかったため、大きな損失を出してしまいます。

そこで助け舟を出そうとしたのがバフェットです。
結果的にはメリウェザー氏らは差し伸べた手を取らず、
別の融資でしのぎ、その後利益を上げ、解散しました。

ソロモンの事件から10年もたってない状況なので、
バフェットも思うところがあったに違いありません。

なお、LTCMのメリウェザー氏はLTCM清算後、
JWMパートナーズという投資団体を作りますが、

またも、サブプライムローン問題のときに大ダメージを受けました。

しかし2010年に、
JMアドバイザーズ・マネジメントというファンドを興しています。

歴史はくりかえすか、
それともメリウェザー氏の成功物語が生まれるのか、
今後の10年、20年後のわたしたちが見ることになるでしょう。

余談:

裁定取引について、未だにうまく使いこなせません。

チャンスは、たまにあるのですが、
空売りで長期間かかるコストが問題で、
それを埋め合わせる利益が出る場合は少なく、

その限られたチャンスは、
みんなが知っていてすでに利用しているため、
席は埋まっている場合が多いイメージです。

(日本はインサイダー大国とも言われているので、
個人投資家レベルが、利益を出せる裁定取引をできるほど、
おいしい案件は稀なのかもしれません。)

投資界隈の情報収集能力は並ではないのでしょう。
—–

コメント

タイトルとURLをコピーしました