今日は「曜日」の研究。
Stock Trader’s Almanacの7月記事から。
我々は、毎週月曜日から金曜日に株価を観ます。
「何曜日に買い」、「何曜日に売る」とリスクが少ないか。疑問に思った方もいるかもしれません。
短期投資もそうですが、長期投資においても騰がりやすい日にわざわざ株式を購入する必要は無いと思います。
今回の記事は、Stock Trader’s Almanacの「株価の上昇しやすい日、下落しやすい日」を研究した記事から。
結論から言うと、
ダウは、最近は「火曜日」の上げが強く、「月曜日」が弱い。
S&P500、ナスダックは総合では「金曜日」、弱気の年は「水曜日」が強く、「月曜日」が弱いようです。
これらの法則を単体で活用するには、短期のスイングトレードなどに限られるかもしれません。
全体的な年間の予定(前の記事の7月は強い相場、セル・イン・メイなど)と併せて、株式を購入・売却する日を考えるのに役立てると良いと思います。
株は「何曜日」に売るべきか
株式を買う、売るのに最適な「曜日」があるのか。
Stock Trader’s Almanac2021 P70に、タイトル「DON’T SELL STOCKS ON MONDAY OR FRIDAY(金曜・月曜には株を売らないでね。)」という記事があります。
この記事には、1953年から2020年7月2日までの期間における、曜日ごとの前日比のダウの強さについて研究しています。
統計からみた「曜日」ごとのダウの強さ比較
この統計の面白いところは、1953年~1989年、1990年~2000年、2001年~2020年(7月2日)で数値を分けているところです。この3期間を比較すると、はっきりした違いで「強い曜日」が変わってきています。
資料から、
89年までは水曜日、2000年までは月曜日、現在は「火曜日」が強く、
89年までは月曜日、2000年までは木曜日、現在は「月曜日」が弱い。
トータルでは、
1 火曜日(+13167.88)
2 水曜日(+6305.96)
3 金曜日(+3489.68)
4 月曜日(+2234.87)
5 木曜日(+346.04)
となり、火曜日が有利です。
ただ、「ポイントの上昇」を比較したため、ダウが「100の時の10の上昇」と「30,000の時の3,000の上昇」はそれぞれ+10%ですが後者の方が騰落しやすいため、2000年以降の火曜日が多く上昇して見えるのは特別なことではないかと思います。
また、「最適な曜日がスライドしている」という考え方が出来なくもありませんが、原因は不明です。
もう一つ、「平均値を取れば、火曜日と金曜日は前日比が3区間すべてプラスになる」こと。この法則で考えると「月曜・木曜の終値で購入すると翌日の終値は上がりやすい」こと(比較的安全であること)を頭に入れておくと良いかと思います。
時間で比較
P140の資料では、これに追加してどの曜日の「どの時間」が伸びているかを研究しています。
ここでも、割とパターン化された動きをしているように見えます。
1987年~2020年6月5日までのスコアからの統計で、特徴としては、
・開始直後(日本時間でいえば23時30分(サマータイムでは22時30分))に大きく下がり、
・13時30分~15時までが弱く(日本時間3時30分~5時(サマータイムでは2時30分~4時))、クローズまで伸びる
・他は金曜日を除き堅調な時間帯となります。(金曜日だけ不安定)
とのこと。
短期トレードをする方は、月曜日開始直後か、金曜日の米国時間の午後2時~3時くらい狙って購入。
火曜日の午前中(開始直後を除く)くらいに売ることで利益を上げやすいということになります。
他の指標では
P141~144には、S&P500やナスダックの曜日ごとのスコアも研究されています。
ナスダックは1971年~、S&P500は1952年からの資料で、前日比プラスの日の割合が掲載されています。
なお、こちらは時間帯による研究はされていません。
傾向としては、
・水~金が強い(特に水曜日と金曜日)
の一語に尽きます。
これらに基づく戦略を立てるならば、
「火曜の弱い時(判断がつかなければ終了直前)に買い、金曜日に売る」という方法が一つと言えそうです。
●まとめ
法則性が弱めで、シンプルにまとめづらい結果とはいいがたかったですが、全体の傾向として
・2000年以降のダウは火曜日が強い(※昔は別の曜日だった)
・ナスダック・S&P500は似た傾向があり、昔から水曜日から金曜日が強い
・時間帯ごとの推移では月~木曜日の開始直後と午後1時半から午後3時が弱め
午後3時以降クローズまでは比較的強い
ようです。
購入戦略としては、
・ダウ銘柄は月曜午後の3時までに仕込み、火曜日に売る
・ナスダック・S&P500は、月曜終わり頃か火曜日に仕込み、金曜日に売る
というものが有効になる可能性があります。
条件を満たしてない曜日・時間帯で売買しなければならない瞬間はいくらでもありますが、「狙えたら有利な日に売買したほうが望ましい」という傾向は掴めると思います。
ダウの時間帯ごとの統計を見ていると、
「確かに(週明けの)朝は不安定な動きをしている」とか、
「クローズ前は上がることが多い」とか、気づきはあると思います。
負けにくい曜日・時間帯を選んでトレード出来たら有利になるかもしれません。
参考になれば幸いです。
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