いつまでも「イナゴ投資家」と言われないために

投資関連(外国株以外)

「イナゴ投資家」・・・時々出るワードですが、良い言葉のイメージはありません。
イナゴ投資家とは、「株価に影響がありそうな情報が出た株(材料株)を対象に、短期間に何度も売買を繰り返す個人投資家集団」のことです。
(引用:三井住友DSアセットマネジメント)

個人的には、イナゴ投資家という動きは成長過程で必要なものと考えます。
投資に限りませんが、最初はできる人の「型」を真似ることが大切。型を覚えたらオリジナルの方法を採り入れればいいのです。

一方で、いつまでもイナゴ投資だけだと、先生の情報が遮断されたとき(先生のSNS引退、非公開)時にジリ貧になります。そこで投資も、常に「勉強」と「試行錯誤」を続ける必要があります。

自分も米国株はまだまだ勉強中の身です。

FOMCの発表をどう解釈するかだけでも、色々な情報を読んで振り回されています。

時に、特定のインフルエンサーさんの勧めた銘柄に迂闊に手を出して失敗したり、分析した銘柄がパッとしないスコアだったりと苦労する瞬間もあります。

とはいえ、いつまでもそうしているわけにはいきません。

米国株の勉強過程から、「学びの視点」「張るべきアンテナ」について整理しました。

心配ご無用。最初は誰でも1歩目を歩みます。

イナゴ投資家から学ぶ投資家へ

20年の夏くらいから米国株投資を本格的に始めました。
(2012年くらいに口座を開いて、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)などは購入していましたがまとまったお金で投資を始めたのは20年です。)

そのため、最初はEDGARやETF.comすら知らない状態でのスタートでした。

今日は損なスタートから約1年、どこから学べばよいか。
学びの視点と学び方(どこにアンテナを張るべきか)について考えてみましょう。

学びの視点

段階に分けていますが、真似して買う「0段階」はともかく、「1~3段階」のどれが上ということはありません。

 個別銘柄分析が好きな人は1段階が強く、
 現況を見極めて売り買いする人は2段階が強く、
 先を見据えてマクロに銘柄を選ぶ(又はETFを選ぶ)人は3段階に強いように思います。

どちらかというと、先生(インフルエンサーさんら)が発している情報が「どの段階の話をしているか」を把握することが大切です。

0段階 おすすめの銘柄そのものを「真似」する

これは投資学習に含めて良いものか迷いますが、投資学習の段階の一つではないかと思います。
1~3段階とは違った手習いの状態。

0段階目が長く続くと「イナゴ投資家」とか「クレクレくん」とか言われますが、個人的には最初はそういう立ち位置でもアリだと思います。

「守破離」という言葉にもあります。
まずは、やり方を「真似る」、「実際にお金を出して」、「損益を体感する」という段階は必要だと思います。

上述のとおり、この時期は人によっては「真似するな」とか、「自分なりのやり方を考えてみなさい」とか言われるので居心地が悪い時期かもしれませんが、早く身に着けるためには「上手な人のやり方を真似るのが最短」です。
また、真似るにしても自己資金を運用する以上、その資金で失ったお金は自己責任なのだからリスクを払っています。

ただ、そんな0段階からでもやるべき勉強法があります。

「トレードノート」をつけること。

重要なのは、「なぜ、その銘柄(セクター)を買った(売った)のか、それは正しかったのか」を、買うとき、売るときに残すことが大切です。
「トレードノート」をつけて「真似る」ていくと、個人差はありますが手本となった先生の考え方を理解することができます。

勿論、教えてくれる人がいなくなった際にジリ貧なので、どこかの段階で次の1~3段階のどれかに強くなるのが良いと思っています。

1段階 おすすめの銘柄を「理解」する

個別銘柄の解釈。
例えば、インフルエンサーさんが「$XXXX が好調。」というようなコメント、記事などを出した時に、その銘柄そのものを分析するケース。

ちなみに、私はバフェット流投資がメインだったので、マクロよりミクロの視点。
この「1段階」を好んでいます。

米国株なら10-Q、10-K、(8-K)などの決算関連、
S-1、424B4などのIPO関連書類の解説記事などを書く方がこれに該当すると思います。

財務諸表を見て、ROE、ROA、EPS、粗利、税引き前純利益、売上高成長率、CFマージン等々、総合的に判断します。
ある程度続けることで、自分なりに「こういう銘柄が勝てる」という型ができると思っています。

個人的には、バフェットの投資を観ながら投資を始めたため、
「EPS・売上高の成長率」と「税引き後の純利益/売上高」の伸び、「CFマージン(営業CF/売上高)」の安定性が好みです。

どの銘柄も詳しくなる必要は必ずしもなく、自分の今の仕事や得意分野から1ジャンルに特化してそのジャンルの優良銘柄を分析するだけでも十分な成果が出ると思います。

インフルエンサーさんの多くは、この「個別銘柄」を発見し記事や解説をしている方後青いです。

いわずもがな、当然この段階以降も「トレードノート」は有効です。

2段階 特定の状況からおすすめの銘柄の「判断基準」を示す

相場には、一定の「セオリー」があります。
「金利が低ければ、配当を生まない金(最近だと暗号資産も)や金鉱株が上がりやすい」
「金利が急上昇するとグロース株が下がりやすい」

といった相場そのものや、

「11月~1月は米国株で有利な時期」
「5月は売り(セル・イン・メイ)」
「3,6,9,12月3週金曜は先物などの決済がある日なので相場が荒れる(トリプルウィッチングデー)」

などの傾向を掴むようなものから、投資判断をするものがあります。
当然、「傾向」なので勝率は高いものの当たったり外れたりすることがあります。

3段階 将来の状況を見据えおすすめの銘柄を「予測」する

2段階と3段階は似ていますが、3段階目の方がより複雑です。

このあたりを使いこなせてないので、具体例を挙げにくいですが例えば、

「FOMCがインフレを取り締まると宣言」
→「市場安堵、期待インフレ率が下がる」
→「グロース株が上がる」

というような、連鎖的に「次に何が起こるか予想する」ような内容です。

相場経験がものをいうような気もします。
そのため、貴重な情報を提供してくれる方からはピンポイントな銘柄(又はセクター)の良し悪しではなく、「こうなると次は○○なので」▲▲を買う。という発想を学んでいくことが大切です。

このあたりの解説をしてくれる方は多くありません。
証券会社勤務だった方や、長期的に株式投資に携わった方が解説してくれるため、貴重なものとなります。

3 学ぶときのアンテナの張り方

このように、インフルエンサーさんの発言や記事は、「個別銘柄」、「判断基準」、「予測」の観点から解説をしてくれています。どのことを話しているか意識して聞いてみましょう。

次に、学ぶときのアンテナの張り方について。

「何となく聞いて、何となく勧められた銘柄を買う。」だけでは成長しづらいと思います。

投資学習をするうえで大事と感じたのは、

 ①「なぜ」その銘柄が良いか(そういう相場と予想するか)という視点
 ②Aという動きにBという反応を掴む「関連性」
 ③そしてこれらの情報から「自分がどう判断」したか

の3点です。

①「なぜ」その銘柄が良いか(そういう相場と予想するか)という視点

「なぜ」という視点が一番大切です。
投資は、ギャンブルのように見えて、しっかりと「勉強している人が勝つ」といえます。
少なくとも「負けにくい戦い方」を取ることができるように思います。

「○○という銘柄が良い」と言われたときは、
「それが、なぜ○○か」、
「なぜ、同セクターの▲▲ではダメか」、
「なぜ、反対の××という銘柄は勝てそうにないのか」
「なぜ、□□だと長期金利が下がったのか。」

というように、理由付けをはっきりさせることで、次に同じシチュエーションの時に判断することができるようになり、次の銘柄購入で負けにくい(勝ちやすい)ものとなります。

②Aという動きにBという反応を掴む「関連性」

「関連性」を強く意識しましょう。

「Aという事象を生じたら、Bとなる。」
「Bの時はXという銘柄が強い」

という前知識があったとして、

「Cという事象を生じても、Bとなる。」
ということがわかったら、関連付けて「Xを買うべきかも」という判断をできるようになります。

インフルエンサーさんが「これはこういう理由だから、こう動くと思う。」という解説はとても大切です。

③そしてこれらの情報から「自分がどう判断」したか

最後に「判断」。
良い情報や知識があっても「判断」を逆にしたら勝てません。

大事なのは、「判断した自分の心情や根拠」を残すこと。
「トレードノート」はこれらの「心の動き」なども残すことができるので、役立つものだと思います。

●まとめ

一応まとめましょう。

大事なのは3点。

 ①最初は「真似」からでよい
 ②先生は「個別銘柄」「判断基準」「予測」のうち何の知識を教えてくれているか意識する
 ③学ぶときは「なぜ」の視点、他の事象との「関連性」の視点、「自分が情報からどう判断したか」の視点でアンテナを張る

投資は、しっかり学んでいる人は負けにくいものだと思っています。

また、最初は真似でも仕方ないと思います。

ただ、真似るにしても漫然とではなく判断基準を理解していくことで成長を加速させることができると思います。

参考になれば幸いです。

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