(390回)再:バフェットの銘柄選択術(その5)

おはようございます。

リュウです。

今日は、バフェットの企業を買うタイミングについて、読み解いていきます。

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 メアリー・バフェット

バフェットは、独占力と、成長力が良い企業に投資しているかと思いますが、

それだけではやや説明が足りません。

彼は、その2つに加えて、

そういった企業を「安く手に入れる」ことを重要視しています。

例えば、

年間200円の利益を上げ、

うち50円の配当をする会社があります。

この会社についた株価が500円ならば、

あなたは、この会社の株式を1株入手することで、

毎年200円の利益を生みだす会社を持つこととなります。

200 / 500 = 0.40

50 / 500 = 0.10

40%の収益率で、10%の配当を出す会社です。

ものすごく収益率の高い会社で、

利益で2年半、配当で10年で、元を取ってしまいます。

(年間40%の収益率を出す会社はそうそうありませんし、

長期でその率を継続するのは難しいですが・・・)

しかし、

これが株価が1000円だとしたら、

200 / 1000 = 0.20

50 / 1000 = 0.05

20%の収益率で、5%の配当を出す会社になってしまいます。

(十分優良な会社ではあります。)

このように、「良い会社をどれだけ安く買えるか」が、

重要なポイントとなってきます。

彼は、絶好の買いのタイミングを4つの条件で説明しています。

1 相場全体の調整や暴落

2 全般的な景気後退

3 個別企業の特殊要因

4 企業の構造変化

以下、詳しく説明していきます。

1 相場全体の調整や暴落

これは非常にわかりやすい。

株式市場全体が下がってきているので、優良な株式もつられて下がる。

絶好の買いのタイミングといえます。

この時点までに調査を繰り返し、

本当に価値のある企業を入手するチャンスといえます。

バフェットは、1973~74年の暴落時にワシントン・ポストを

1987年のブラックマンデーの時にコカ・コーラを買い始めました。


2 全般的な景気後退

全般的な景気後退の場面も買い時です。

ただ、企業によっては倒産の危機が訪れます。

普段から保守的な財務政策をとり、

不況に入る前に非常に業績の良かった企業を選ぶ必要があります。

全般的な景気後退の元では、どの企業も業績悪化に見舞われるのですが、

力強い企業は、立ち直りが早く弱い企業を淘汰してしまうのです。

1990年、銀行業界の不況のタイミングを見計らって、

バフェットは、ウェルズ・ファーゴ社に投資し成功をしました。


3 個別企業の特殊要因


優良な企業も、「常に成功をしているわけではない」ことを忘れてはいけません。

時に、愚かな行動に走り、損失を出すことがあります。

そのタイミングで、一般的な投資家は株式を売りに出します。

重要なのは、彼らが手放す時、

「この企業の失敗は一時的なものなのか、命取りになるものなのか」

を判断する必要があります。

本書で挙げている例として、以下のようなものがある。

——————-

あなたが何かの理由でコカ・コーラを訴えたとします。

そして、あなたは2001年に約30億ドルの支払いを勝ち得たとします。

これは、コカ・コーラ社が上げる1年間の税引き利益に相当する金額です。

このニュースが伝わると、コカ・コーラの株式は暴落することでしょう。

しかし、この損失は2002年以降の利益には何の影響も与えません。

2002年以降、同社は30億ドル、あるいはそれ以上の利益を上げ、

2005年にもなれば、2001年の敗訴のことなどみんな覚えていないことでしょう。

株価もその頃には回復しています。(P89)

——————-

4 企業の構造変化


企業が大きな変化を起こすときは、

しばし、一時的な特別損失が発生する。

合併やリストラ、組織再編で損失を計上することになる。

企業にとって大切な再編の作業で出た損失を見て、

投資家はその企業を安く売りに出すこととなる。

時にそれが最高の会のタイミングとなるでしょう。

以上の4つのタイミングがとても買いに向いている瞬間となります。

優良な会社を見つけてもすぐに手を出す必要はありません。

バフェット氏も、コカ・コーラ社の良さに気づいて約50年待ちました。

半世紀も待てる彼の辛抱強さには脱帽します。

安くいい会社(株式)を購入できなければ、

どんなに優良でも良いリターンを得ることはできません。

バフェットは、優良でも人気が沸騰している銘柄にはほとんど手を出しません。

華やかでみんなが知っているハイテク銘柄に手を出さない理由は、

こういった面でも見られます。

次回は「収益、収益率について」、を書きたいと思います。


億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 メアリー・バフェット

リュウ

———————————————

【今まで紹介してきた本のリスト】

(平成22年9月17日現在 375冊 / 390回

 あなたの読書の役に立てるとうれしいです。

———————————————

—–

コメント

タイトルとURLをコピーしました