(391回)再:バフェットの銘柄選択術(その6)

おはようございます。

リュウです。

昨日は、バフェット氏が買うタイミングについて解説してきました。

どんな優良企業も、調子が悪くなるときがありますし、

国内全体が不景気になるときにつられて下がるということがわかったかと思います。

そこを狙い撃ちにすることで、

高利益の企業を、とても安い価格で入手することができるのです。

では、今回は、「収益、収益率等」について解説していきたいと思います。

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 メアリー・バフェット

収益に関して重要な項目は2つあります。


1.利益が安定して成長し続ける会社かどうか(第11章)

2.高ROEの企業であること(第13章)

この2つについて今回は解説していきます。

1.利益が安定して成長し続ける会社かどうか(第11章)

これが最大のポイントでしょう。

収益が成長している会社は、言うまでもなく株価が上昇していきます。

(大きな負債を抱えている場合などの例外はありますが)

バフェット氏は、「過去の1株あたりの利益、EPSに注目しています。

「過去10年間のEPSが、着実に上昇しているか。」

上昇し続けているようならば、

その会社は着々と成長つづけていることが伺えます。

EPSの成長の確認については、

MSNマネー

企業情報 → 財務諸表 → 10年間の総括 の、

「1株益」というところに書かれています。

日本マクドナルド(2702)の場合は以下のアドレスです。

Redirecting to http://jp.moneycentral.msn.com/investor/invsub/results/statemnt.aspx?Symbol=JP%3a2702&lstStatement=10YearSummary&stmtView=Ann

2000年から見ると少々心配ですが、

2005年あたりから経営の改善がなされているのか、少しずつのびてきています。

バフェット氏は、着実に伸びているEPSを評価しているのに加えて、

直近のEPSが大きく下がった株式を狙い目としています。

当然、利益が下がっていることを意味するので、

そこから復活する強さがあるかどうかがカギとなります。

2.高ROEの企業であること(第13章)

バフェットは高ROE企業を好むことは前述のとおりです。

では、なぜ高ROE企業にこだわるのでしょうか。

バフェット氏は、

企業の株主資本利益率(ROE)は、債券の利率に相当し、

1株あたりの収益(EPS)は、債券の利子にあたる。

10ドルの株価に対して、2.5ドルのEPSを生みだす企業を購入する場合、

年間25%の利益を生みだす擬似債券と同じ役割を果たす、としています。(P121)

そして、P125に書かれているように、

33%のROEを持つ会社がそれを再投資して、33%の利益を増やし続けたら、

13年間で約17倍のEPSを成長させることになります。

EPSに反応して企業価値も上がるので、

株価や企業規模も大きくなることでしょう。

これがROE5%だとしたら、

ここまでの成長は望めません。

そのため、バフェットが経営する投資会社バークシャー・ハサウェイでは、

配当は過去に1回しかしていません。

配当には税額がかかることと、

このように再投資をすることが、さらに利益を産む会社を作り出すということが、

彼には昔からわかっていたのでしょう。

バフェットは、アメリカの企業ならば、

「ROE15%以上ある会社に投資するのが望ましい」としています。

なお、日本では収益率が悪く、

継続的にROE15%以上を続けている大規模の会社はごくごくわずかです。

それだけでも、どこに投資すべきカの指標になるといえます。

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配当に関しての余談。

なお、これはバフェット氏が言った話ではありませんが、

「株式投資の未来 ジェレミー・シーゲル」によると、

もし配当が大きい場合、

【配当をさらに同会社に再投資する】ことで、

複利で自分の資産を増やすことができます。

いい例が、マルボロで有名なフィリップモリス社です。

常に訴訟問題などを起こし、

割安ながら高配当を続けてきたため、

1955年から50年間で、投資額に加えて配当を再投資し続けた場合、

なんと、「年間で19%の運用率」をあげることができました。

バフェットの「株ではなく企業を買う」を、

個人レベルで実践する場合、配当再投資は有用な方法です。

ただ、

上記したように、「配当は税金がかかる」ため、

パフォーマンスとしてはやや不利です。

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高ROEを出し続ける会社は、高配当を出すことが可能であり、

会社にいざというときのためにキャッシュを留保でき、

そして、成長のために再投資することが可能であることがわかりました。

利益を生みだす会社が生み出した利益で、

さらに大きな会社に成長する。

これが、バフェット流投資の醍醐味であるのだと思います。

以上6回で、

バフェット流投資の基本を語ってきました。

後半の章では、

具体的な計算式などが書かれています。

当初解説を考えていたのですが、

私自身が説明するより、実際に本を読んで、

計算機やExcelを使ってみた方が理解が早いと思いました。

(私自身がhtmlの加工で表を作ったりするのを、

それほど得意としていないというのもあります。)

総括として、

バフェット流の投資はわかりやすく、

そして大きな利益を上げています。

しかし、わかりやすすぎることと、派手さがないため、

他の小難しい計算式を使った投資法に走りがちです。

(これは、バフェットの師匠ことベンジャミン・グレアムの投資法にも通じる部分です)

長期的に見ると、すばらしい投資法の1つであることは間違いありません。

ぜひ挑戦していただければと思います。

最後に、

彼が言った名言を1つ引用したいと思います。

「ルール1 損をしないこと

 ルール2 ルール1を忘れないこと」

バフェット氏は30年間以上ある運用において、

S&P500インデックスにほとんどの場合勝ち続けましたが、

実は、もっと注目すべきことがあります。

彼は、それに加えて1965年から2007年までで、

「2001年以外、年間計算において純資産を下げたことがないこと。」

(2001年には、残念ながら-6.2%を記録しています)

43年間で、年間で損を出したのが1回だけです。

彼が世界一の投資家であるのは、

その慎重さと、確実に勝てる試合に強く賭けたことだということを裏付けています。

彼の投資法について非常に興味があります。

いずれ、もう少し研究をしたいと思います。

では、参考になったら幸いです。

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 メアリー・バフェット

リュウ

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【今まで紹介してきた本のリスト】

(平成22年9月18日現在 375冊 / 391回

 あなたの読書の役に立てるとうれしいです。

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