おはようございます。
リュウです。
「自分に不利なウソをつく・・・」、
あなたは、そんなことをする人がいると思いますか?
「リュウさん。
そんなことあるわけがないじゃないですか。」
と思うかもしれません。
今回おすすめする本は、
そんな無実の人々が、
様々な状況から自分に不利な発言を作り出し、
何十年も不幸な状況に陥っていくドキュメントです。
自白の心理学 (岩波新書)
浜田 寿美男 著
8年くらい前に書かれた本書では、
殆ど心理学の学問的な「○○の法則」というような物はなく、
過去の冤罪事件を実例を挙げ、
彼らが無実を訴えている時から、
徐々に自白調書を捜査官と作成していく時までの様子がわかります。
自白のみによる犯行の立証能力がないことは、
刑事訴訟法で保証されています。
しかし、犯行の物的証拠を使ったと言う情報などを、
与えられながら作成された自白調書により犯行を立証しているわけです。
最後に挙げられた「袴田事件」について、
自白までの現場の様子は本当に過酷でした。
一日12時間以上の尋問、
排泄を取調べ室で行わさせられ、
戻る部屋は隣に狂った人がいる独房。
人としての尊厳を奪われ、
心安らぐ時間がない中、
本来敵であるはずの取調官が味方であって欲しいと思う心理。
そしてその心の安定を求めるために、
事実にウソをついて調書を作成する手伝いを行うわけです。
実はこの事件、43年前に起きたもので、
いまだに有罪なものとして、独房に入れられています。
無実の人が体験する極限状態の心理と「自白」。
刑事訴訟のシステムを見直す必要があるいいきっかけになるかもしれません。
自白の心理学 (岩波新書)
浜田 寿美男 著
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