おはようございます。
リュウです。
今日紹介する本(漫画)は、
あるオタクの部活に起こった悲劇と崩壊の物語です。
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●ストーリー
まじめに活動しない高校漫研に所属する井之上広海はある日、
いつも保健室に通いつめている青木杏という女子生徒にそのことを相談すると、
本格的な部誌を作ることを提案される。
広海と部員は早速部誌作りにいそしむが、
杏は裏で漫研のように口先ばかりで何もしないように見える者たちに対する、
「夢つぶし」を行っていた。
部誌作りはうまくいかず、
更に杏の暗躍により漫研部員達の心の闇が浮き彫りになっていく。
Wikipediaより
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半年ほど前に、「げんしけん」という、
大学のオタクサークルを舞台にした物語を紹介しました。
「げんしけん」をオタク社会のユートピアとするならば、
ディストピアといえる作品はこちらになります。
この作品は、かなり心をえぐられる作品になります。
青木杏という女性が、
女を武器に、相手の弱みを武器に、
ある高校の漫画研究会をかき回します。
サークルクラッシャーと言う単語を思い出した作品です。
あまり成熟していない、
男女比が極端なサークルに、女性が入ることによって、
その女性をめぐってサークルが崩壊してしまう現象のことだそうです。
(男女比で女性が多い場合は男性が入っても同じことになりえる)
この漫画のテーマをあげるとすると、
「心の弱さ」です。
・オタクというコンプレックス
・デブであるというコンプレックス
・認められたいというコンプレックス
・他人に依存しているというコンプレックス
などなど・・・、
人間は色々な弱点を抱えながらそれでも生きています。
そんな心の弱さを漫画で全力で表現し、叩き潰す、
というような作品となっています。
上記内容だけだと、
陰険で救われない内容で終わってしまっている作品なのですが、
かき回していた当人、青木杏も、
「実はかき回されているのではないか」と思わされるところに人間味を感じました。
途中で出版社が倒産した関係で、
最終巻は大幅加筆のうえで、別の出版社で出され完結している作品です。
もう少し長い作品だったら、
みんな救われなかったのかもしれません。
この著者の作品(きづきあきら&サトウナンキ)は、
一部を除いて、人間の心について描かれた作品を描きます。
【オタクサークルを過ごしたことがある方、人間の心の弱さを知りたい方】は、
オススメの漫画です。
ただ、読み終えたあと、
少々心が疲れるかもしれません。
名作ですが、好き嫌いが分かれる作品といえるでしょう。
個人的には、
「げんしけん」同様、
オタクを描いた漫画の2大巨頭と言える作品だと思います。
リュウ
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(平成22年5月26日現在 278冊)
あなたの読書の役に立てるとうれしいです。
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