リュウです。
今日は特にすることはなし。
昨日、スーパーに行ったらいろいろなものが売り切れていました。
・マスク
・トイレットペーパー
・ティッシュペーパー
・キッチンペーパー
・殺菌用アルコールペーパー
・手洗い洗剤
・生理用品
・アルコール(無水も)
(なお、オムツは無事でした。)
転売する人が煽っているのでしょうか。
我が家では幸い最低限の在庫がありますが、買い占めて高く売る足元を見た金儲けは好きになれません。
さて、本題。
こちらもコロナウイルス関連。
確定申告期限が延長されたニュース、公式発表前に流れていて友人とその話をしてました。
公式に延長になったので資料のアドレスを貼っておきます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/pdf/0020002-130.pdf
確定申告自身は、ほとんどの方が申告して納付するだけなので影響はわずかです。
しかしながら、その課税データは市町村関連でも住民税をはじめとした支払や給付に使われるため、地域の行政サービスに影響を及ぼすことがあります。
今日は、「確定申告期限の延長で自治体で影響してくる影響について」、考えてみたいと思います。
※2020.6.15追記:
4ヶ月経ち、コロナウイルス感染症関連で、追加的な緩和制度が増えました。
法人税(法人住民税・事業税)関連や所得税(ひいては住民税)の申告期限の延長もされるなど、様々な変更がされましたが、若干の修正で今でも使える情報と判断したので加筆修正のうえ、公開を維持します。
※ちょっとした変更に煽られず、日ごろから準備しておくことが重要です。(神奈川県鎌倉市 2020.2)
目次
確定申告期限延長
リンクのとおり、国税の3税目において確定申告と納期限が延長になりました。
「延長期間は1ヶ月間(消費税は16日間)」、「申告所得税、個人消費税、贈与税」が対象になります。調べてみたものの、12月末、1月末決算等の法人税等の申告期限の延長は無さそうです。
次の項目では、これらによる影響と影響度合い、今後の動きを予想。
影響が出る可能性と影響度の視点で考えて見ましょう。
※2020.6.15追記:
現時点では、新型コロナウイルス感染症関連を理由とすればかなり申告期限、納税猶予で優遇されるようです。
日付が直接影響するもの(国税編)
申告期限と納期限そのもの(可能性:既に確定、影響:B)
① 申告期限と納期限
「申告期限」を延長しているだけで、法定申告期限(法定納期限)は3月16日と解釈すべきか。
法定納期限が延長されるかどうかで、例えば滞納処分やその配当金、課税ならば更正の請求の時効の時期に影響をおよぼします。
※2020.6.15追記
どうやら法定納期限(=法定納期限等)も延長されるようです(国税徴収法基本通達2-14)
② 延滞金
納期限が1ヶ月後ろ倒しになることで、「納期限の翌日」から発生する延滞金も影響が出ます。「延滞金の計算も後ろ倒し」になるため、資金調達をしやすくなります。
(とはいえ、納期限内納付+1ヶ月ないと資金調達できない状況の会社ならば、
納期限よりコロナウィルスによる業績悪化のほうが脅威かもしれません。)
法定納期限等ヘの影響(可能性:既に確定、影響度:C)
所得税は原則的に、「法定申告期限」=「法定納期限等」となります。(なお、住民税も原則所得税と同日。)
上述①の通り「法定申告期限」が変更されれば影響が出るでしょう。
※①追記の通り、法定納期限等も延長されるようです。
「法定申告期限」が変更されるなら、抵当権を設定するタイミング次第で、いわゆる競売・公売のぐるぐる回り(国税徴収法26条)に影響が出る場合もあるわけです。
とはいえ、ぐるぐる回りなんて実際の滞納処分でも条件が厳しすぎる(抵当権設定前に法定納期限等が来ている滞納はまずありません。通常、滞納がある企業にお金を貸してくれないです。)ので、税理士試験国税徴収法受験生以外全く関係ないと思います。
申告書のデータがなくて影響するもの(地方税編)
国税の申告期限が後ろ倒しになるなら、申告書のデータが自治体に届くのも遅れることが予想されます。
正しく申告・納付して完結された場合所得税の影響より、その課税データと(住民税等で)連動している自治体の方が影響があるといえます。
住民税
① 特別徴収関連(可能性:A、影響度:A)
毎年6月~翌年5月までの12回、
給料から住民税を天引きして納付する「特別徴収制度」に影響することが予想されます。
3月15日に申告が終わり、5月20日くらいには我々(の会社)に送付されている特別徴収の通知。
通常の申告期限でも、通知までに約65日。
これが1ヶ月遅れれば35日。
送付遅延や確認不足が起こることも想定されます。
予想としては、5月下旬に発送が間に合わなかったものは、「7月~5月の11回で納付」とする課税方法や、「(確定申告の情報がないため)源泉徴収票(給与支払報告書)による課税」が想定されるのではないかと思われます。
② 普通徴収関連(可能性:B、影響:A)
自営業、退職者、給与以外を特別徴収にしない場合、6月10日頃に我々に届く納付書での住民税の納付。(原則6,8,10,翌1月が納期限。)
これも特別徴収ほどではないですが、所得税の課税データが届く日程からすると厳しい日程(特別徴収+10~20日程度?)。
①ほどではないですが、遅れる可能性が想定されます。
予想としては、通知が間に合わなかったものは、
「8,10,翌1月で納付」とする自治体が増えるのではないかと思われます。
年3回払いは1回辺りが特別徴収の4倍相当(4か月分)。不本意ですが高くなるので好ましくないですね。
③ 証明書の交付(可能性:B、影響:提出する団体による)
課税情報が来なければ、おのずと課税証明書などの証明書も未申告になり、交付できません。通常は6月1週くらいに取得可能になるようですが、その時点で3月17日以降の課税情報が届いているかどうかは難しいところです。
証明書類は、色々な団体に提出します。
高校の学費関連、児童手当の所得上限などの判定でも使うようです。
提出先の団体がいつごろ欲しがっているのかにもよりますが、判定をするのに一定時間を必要とするのでしょうから早めの提出を求めてくる。とはいえ、所得情報がない以上、書面の出しようがないので、常識的に考えれば提出する側はペナルティはかけられず事務手続きの遅延が予想されます。
④ 申告期限(可能性・影響:なし)
なお、住民税は申告納税方式ではなく賦課課税方式(自治体が決める)のため、申告期限は無関係です。(あくまで、所得税の資料は課税資料と考えるようです。)
追記
調べてみたところ、原則3月15日まで(今年は3月16日)の期限が指定されていました。(地方税法317条の2)
ただ、所得税の確定申告を提出することで住民税の提出をしたものとみなされる(地方税法317条の3)ため、所得税の確定申告期限が延びたことで、確定申告以外の申告方法(住民税の申告書の提出)も、期限延長(又は住民税申告の期限後申告のペナルティなし)を暗黙の了解(公式的に出している自治体もあるようです。)のものとして、市町村で個別に決めているように感じました。
どうしても気になる方は、居住地の市区町村にご確認ください。
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(追記ここまで)
なお、年金の特別徴収は10月から(4~8月は前年実績/6で徴収)で、かなり遅いため影響なしと思われます。
国民健康保険料(税)
住民税の課税情報で料額(税額)、負担割合を決める国保関係も影響する可能性があります。
① 保険料関係(可能性:B~C、影響:B)
課税データが間に合わない自治体は、保険料の課税(賦課)に影響を及ぼします。納期限は自治体ごとで条例で決めているため、その影響にばらつきがあります。
例えば、国民健康保険料を自分の住む鎌倉市も、近隣の横浜市も6月から3月の10回で納付します。
保険料の料率計算、保険料軽減判定及びそれによる財源不足、賦課(課税)事務の遅延などが想定され、混乱をきたす可能性があります。
想定される事例として、「6月に月数千円で届いた保険料(所得ゼロ:未申告者)が、7月に税情報が反映されて保険料額の変更された結果月3万円になった」または、「住民税と同じく、遅延して7月から課税」というようなケースが届くことなどが想定されます。
一応、「年度の総額は変わらない」ため、わずらわしいだけで、比較的軽微な影響で済むといえるでしょう。
※2020.6.15追記:
国民健康保険制度では、コロナウイルスで減免になるケースがあるようです。
自治体ごとによるようです。詳しくは各自治体に問い合わせください。
(例:鎌倉市の場合)
② 自己負担割合の影響(可能性:C、影響:A)
こちらは遅れると相応に大変です。
高額療養費の自己負担限度額や、70歳以上の高齢受給者証の区分判定、特定疾病医療証(透析・70歳未満のみ)等に、住民税の所得情報(間接的に所得税の所得情報)が使われます。
データ上とはいえ、未申告だと、「限度額適用認定証の発行、受給者証の区分判定ができず、申告書の写しなどの提出することで判定する」ことが想定されます。
仮に申告書の写しを市町村の窓口に持っていくとなると結構手間がかかり(申告書の控えをもらわなかったり、捨ててしまったりしたら困る)、不便になることが予想されます。
ただ、区分変更が8月1日なので、他の項目に比べて十分時間を取れるので影響は現状は皆無と思われます。
後期高齢者医療保険
基本的には国民健康保険と同じです。
① 保険料関係(可能性:B~C、影響:B)
神奈川、東京は7月からの請求のようなので、上述国保と比べて遅めです。
そこまで大きな影響は無いと思われます。
② 自己負担割合の影響(可能性:C、影響:A)
国保と同じです。8月から負担割合の更新が行われます。
介護保険料
これも基本的には国民健康保険と同じです。
① 保険料関係(可能性:B~C、影響:B)
自治体によりますが、これも横浜市・鎌倉市ともに6月からでした。
② 自己負担割合への影響(可能性:C、影響:A)
計算式は違いますが、税情報を更新するのが国保と同じで8月からのため、大した影響は無いと思われます。
保育料(可能性:C、影響:B)
保育園の保育料は、周辺自治体を調べる限り、「毎年9月から翌年8月の保育料を、今回の確定申告の所得額で計算する」ようです。
他の税目(保険料の科目)より遅いため、現状、影響はほぼ皆無といえるでしょう。
個人事業税(可能性:C、影響:A)
これだけ、「都道府県の税金」です。
所得税の課税データから事業税の金額が決まってくるため、データの遅延は課税額に直接影響を及ぼします。
ただし、影響は大きいものの、個人事業税の納期限は、原則8月と11月(少なくとも神奈川・東京は)で十分期間があります。
これも現状、影響はないと思われます。
その他自治体関連の課税データを使うもの
市営住宅など、市の財産を利用するような場合に住民税(所得税)の課税状況が影響してくるのかもしれません。
自治体により運用が異なる可能性があるため、個別自治体に確認してみるといいかもしれません。
まとめ
現状だと、そこまで影響がありそうなものは少ないようです。
5,6月頃から送付される納付書の納付タイミングや納付方法がわずらわしくなる可能性があることくらいでしょうか。
しかしながら、今回の延長は、状況の悪化で再延長する可能性があります。
再延長になればなるほど、国全体が混乱するため、早く事態が収束することを祈ります。
まとめは3点。
1 所得税等の申告期限の延長が決定された
2 申告期限の延長は、住民税等の遅延を通じて自治体の給付や納付時期・納付額の内訳に影響を及ぼす
3 現時点だと影響は少なめ、万一、更なる延長があるとリスクが高まる
参考になれば幸いです。
※2020.3.5 若干誤字訂正と追記(住民税の証明書の交付)
課税資料の提出期間とみなし申告の解説を追加
※2020.6.15 最新情報に直し、レイアウトを修正
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