消えた「ムーンライトながら」の代替案を考える

旅行(鉄道)

最近、投資や独立ネタに特化はしているものの、ネタ的にも気持ち的にも別の話をしたいので、息抜きの鉄道の話を。

当方、鉄道の旅が好きなのですが、新型コロナウイルス感染症が流行した昨年2月頃から、旅行をする状況ではなくなったためご無沙汰している状況です。

そんなコロナの状況下から1年、ひっそりと観光シーズンに東西を結ぶ「ムーンライトながら」が運行を終了しました。関東人にとってこの運行終了の影響は大きく、18きっぷの時期の旅人は色々試行錯誤していると思います。

今日は、ムーンライトながらの廃止の影響から代替案を考えてみます。

旅行は計画を立てるときも面白いですね。

ムーンライトながらとは

ムーンライトながらは、「かつて東海道本線東京駅 – 大垣駅間を運行していた夜行快速列車」です。 (Wikipedia ムーンライトながら

臨時になってからは、夏・冬・春と「青春18きっぷ」の時期に運行されていました。

私が子供の頃にもらった時刻表などを見ると、特に「ムーンライトながら」という愛称などはなく、無名の快速列車が夜間に走り、大垣に向かう内容でした。(私もその頃に乗ったことはありません。)

ダイヤ

2021年に廃止になったものの、大分前に新型コロナウイルス感染症の関係で運航を取りやめており、

最後の運行は2020年で、
東京を23:10に発車後、品川・横浜・小田原・沼津・静岡・浜松・名古屋・岐阜と停車し、大垣に5:45に到着します。

https://seisyun.tabiris.com/nagara2020.html (参考サイト)

料金

料金は、通常の運賃に加えて、指定席料金530円のみになります。
快速のため、「青春18きっぷ」での利用が可能なため、夏冬に旅人が良く使っていたものです。

ムーンライトながら廃止のニュース

そんな便利な列車に、2021年1月22日、ムーンライトながらの廃止のニュースが告げられました。

理由として「車両の老朽化」を挙げています。
しかし、実際は「採算が取れないから」「従業員の負担減」が目的なのではないかと思います。
実際には代用できる車両はいくつか候補はあるように思います。

どちらかというと、18きっぷユーザーだと1名(1座席)530円しか追加料金を取れないことと、JR東日本、JR東海をまたがるため、従業員の管理が大変になることの方が妥当な理由といえます。

廃止で致命的に不便になった点

ムーンライトながらのメリットは料金もさることながら、「座って」「夜間に静岡を越えられる」ということがポイントになります。

廃止によって、関東から旅に出る人にとって大きなデメリットになります。

静岡県は、
 ・東西に長い
 ・JR東海の車両が横長のシートがメイン
 ・編成が短くて座れないこともある

これらの点から、不運な場合は、
「立って(又は快適とはいいがたい座席で)」、「2時間以上」移動することを余儀なくされることがありえるためです。(体験したことがありますが、なかなかハードでした。)

以下の時刻表の通り(引用ジョルダン 18きっぷ検索より)始発の場合は、
熱海から浜松が2時間29分、浜松から豊橋が34分合計で3時間以上続く静岡の旅になります。

(ジョルダン18きっぷ検索から引用)

ムーンライトながらを利用した場合は、夜間に静岡県を越えて岐阜の大垣駅に午前6時前(最終ダイヤで5時45分着)に到着。

530円の自由席とは言わないまでも、特殊な料金で2,000円くらい追加しても需要はあったと思います。
(また、価格で需要が調整されて、切符の転売行為も減ると思われます。)

代替案

とはいえ、廃止されてしまった鉄道はそうそう復活することはありません。
代替案を考える必要があります。

ムーンライトながら(大垣以降のダイヤは現在のもの)

東京駅基準で考えてみましょう。
①料金
 東京→小田原 1,518円
 小田原→大垣(以降も同額)2,410円(青春18きっぷ 1日分として1/5の金額)
 指定席 530円
 合計 4,458円

②時刻(西側に行く目安)

名古屋 5:09
 大垣 5:45
 米原 6:27
 京都 7:27
 大阪 8:00
 姫路 9:03
  ・・・

これらの時間を基準にしてみましょう。

新幹線

とても安いとは思えない新幹線案。
最速で追いかけるため、6:00東京発ののぞみ1号は使わず、6:00新横浜発のひかり533号を使います。
①料金(自由席)(新横浜まで18きっぷを利用)
 名古屋 9,900円
 米原  11,550円(参考)
 京都  12,650円
 新大阪 13,540円
 西明石 14,420円
 姫路  15,180円

②時刻(西側に行く目安)
名古屋 7:24
 大垣  ー
 米原  -
 京都 8:00
 大阪 8:12
西明石 8:39
 姫路 8:52
  ・・・

ムーンライトながら経由で18きっぷを使って、西明石に行ったときは8:43に到着する計算で、西明石で追いつくことが可能です。

18きっぷの値段を差し引くと、ムーンライトながらは2,048円に対し、名古屋でも9,900円。
同等の旅程を目指すとして西明石まで乗ると12,000円くらい値上がりします。価格競争としてはかなり厳しい。

遅れる前提で名古屋辺りで降りても良いかもしれません。

なお、7:24名古屋着でも、鹿児島本線なら福岡と熊本の境の大牟田駅、
日豊本線なら大分の柳ヶ浦駅まで行くことができます。

夜行バス

メインの夜行バス案。
①料金
不定期の快速ムーンライトながらの発車する時期を加味すると、「夜行バスもそんなに安くない」時期です。

新型コロナウイルス関連で安くなっているとはいえ、8月1週頃の夜行バスの相場は、
4列で4,500円~6,000円、3列で5,500円~7,500円くらいのようです。

②時刻
これも東京駅から乗るか、横浜駅から乗るかなどで若干変わりますが、
目安として、
東京 22:00
横浜 23:30
 ・・・
京都  6:00
大阪  7:00
くらいになるようです。

ポイントとしては、ムーンライトながらより「早く着く」「疲れやすい」という特徴があると思います。
7時間程度乗るため、比較的ゆったりな3列シートでも肩がこるくらいの疲労感はあると思います。

飛行機

ムーンライトながらが走っていた時期はハイシーズンのため、そこそこ高い価格の飛行機も一応検討。
あらかじめ日程を決めて初日に予約できれば選択肢に上がりますが今回は1カ月前の今くらいに決めたとした場合の料金を考えます。

①料金(スーパーバリュー)
 伊丹  9,950円
 神戸  9,690円
 関空 14,630円

新型コロナウイルス関連のため安めと思われます(神戸空港は比較的取れるようですが。)
18きっぷで西に向かうため、神戸空港が無難といえます。
神戸空港の場合、三ノ宮駅までのバス(ポートライナー)利用で340円かかります。

②時刻
 神戸空港着が7:50
 (1)のルートで三ノ宮駅に到着するのが8:24
 アクセス情報で20分程度なのでギリギリですが、18きっぷにぎりぎり追いつける見込みです。

サンライズ出雲・瀬戸

一応、検討したので載せてみます。
サンライズは、東京駅から出ている日本で唯一の定期夜行列車となりました。綺麗な車両で人気も高いです。
なお、シャワー券(別売)を手に入れれば、車内でシャワーに入ることもでき、普段とは違う旅行を楽しむことができると思います。

①料金
 運賃    10,010円
 特急料金 3,300円
 寝台料金   530円(ノビノビ座席:参考)
 合計   13,840円

新幹線で姫路まで目指すルートより2000円程度安いもののかなり高めです。

②時間
 姫路駅 5:26

3時間半程度早めに着きます。
始発も出る頃なので、18きっぷと併用するうえでは便利そうです。

ただ、値段が1万円程度高くなるため、「ムーンライトながらとは違う手段」と捉えるべきだ思います。
完全に割り切って目的地に着いたら18きっぷを使うとして、サンライズを使うのはアリ。

繁忙期にノビノビ座席を入手するのは困難で、ノビノビ座席以外だと+6000円程度なのでもはや執着まで乗ったほうが良いかもしれない。

まとめ

ムーンライトながらの代替案を一覧で比較。

正直、「夜行バス」以外は「代替案」としては厳しい。
飛行機にせよ、新幹線にせよ「直接目的地に向かう」用途としては有効ですが、のんびり旅行をしようという旅人には優しくない仕様になっています。

唯一、夜行バスのみ検討可能にはなりそうです。

行きだけ贅沢をするならサンライズが次点。

改めて検討してみると、良い列車を失ったことを改めて実感します。
関東人が18きっぷを使って旅路を楽しむには東北方面の方が良いかもしれません。
(北陸は使いにくく、関西方面も朝から乗車すると6時間ほど遅れます。)

旅情のある鉄道の旅は、こうして少しずつ消えていくのかもしれません。

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