FIREするために必要な資金

外国株(ベトナム株・米国株)

最近、Twitterなどで見る「FIRE」というキーワード。

意味としては「Financial Independence and Retire Early」
「経済的に独立して早期リタイアすること」です。

2年ほど前に、「老後の生活費について」検討した記事を書きました。

計算した当時からそこまで大きなインフレを生じていないので、現在も通じる金額としてFIREに必要なお金はいくらくらいかかるかを考えてみましょう。

FIREに必要な生活費の目安

さっそく上記記事で書いた「老後のゆとりある生活のために必要な費用」から生活費を考えてみましょう。

 ●生活費(目安)
 家賃   70,000円
 (個人的に借家を選択。持ち家の場合はその維持費を考慮すること)
 光熱水費 14,000円
 (電気7,000円に変更。自宅滞在時間増のため)
 食費   30,000円(家で作るから安くなる。)
 子育て関連   0円
 保険料     0円
 (老後は貯蓄と公的年金と公的健康保険で対応可能※)
 通信費  10,000円(ここはもう少し減らせるかも)
 医療費  58,000円(使わない月は、口座を分けて貯蓄。)
 その他  40,000円(仕事でかかる費用は減る、趣味費は別建て)
 ★趣味等 60,000円(ゆとりある老後生活費のため。)
合 計  282,000円 

無理せず生活にある程度問題ない、かつ少し遊ぶくらいの余裕がある生活はできると思います。
メリハリをつけて生活すれば優雅に暮らせるレベルとして提示しました。

なお、この額は「老後の生活費」として算出しています。

通常、3~40代の医療費に58,000円(57,600円の高額療養費を考慮。)もかかることはないと思います。そこで医療費の積み立てを32,000円ほど削り、「月25万円」を目安にしました。
(※趣味費も2人で月6万円は多いと言えば多いですが、FIREしたら時間が余る(=趣味への支出も増える)ため、敢えて残します。)

では、次に手取り月25万円を目指すために必要な資産額を計算しましょう。

月25万円を得るために必要な資産

前提

配当金や投信の分配金の税金は、最適に申告することで最大で20%(20.315%)の税金がかかる仕組みになっています(※)。そのため、配当金額等に80%を乗じれば自分の手元に残る収入を簡単に計算することができます。
(1-20%=80%)

(※所得税で外国税額控除の限度額超過をした場合、20%を若干超えることがあります。
  その他、厳密には国民健康保険、国民年金などの支出を考慮する必要があります。)

月25万円を得るために必要な資産を計算してきましょう。

① 年間で必要な収入
25万円 × 12月 = 300万円

② 必要資産
300万円 ÷ (【利回り】 × 80% ) = 必要資産

となります。

次に実際に計算。
FIREには、どれくらい資産が必要になるでしょうか。

利回りに応じた資産

配当等の利回りだけで生活(元本を取り崩さない)するために必要な資産は以下の通り。
元本取り崩しで計算すると、現在の年齢から余命を計算することになるので今回は割愛します。

①年3%の場合
 300万円 ÷ (3% × 80% ) = 12,500万円(1.25億円)

②年4%の場合
 300万円 ÷ (4% × 80% ) = 9,375万円

③年5%の場合
 300万円 ÷ (5% × 80% ) = 7,500万円

④年6%の場合
 300万円 ÷ (6% × 80% ) = 6,250万円

⑤年7%の場合
 300万円 ÷ (7% × 80% ) = 5,358万円

したがって、あくまで参考ですが「年7%の運用で5,400万円あれば、資産を取り崩さずFIREできる」といえます。

5,000万円超という結果になってしまいましたが、純資産を5,000万円以上持っている世帯は、一般に準富裕層と呼ばれている人たちなので、納得の結果ともいえます。

なお、生活費を節制すれば年300万円も必要なく、また利回りを上げれば、当然もっと少ない資産でFIREを達成することができるのを留意しておく必要があります。

現在の配当利回り

最後に、配当7%は現実的な運用か。

誰でも達成できるよう、国内株で配当利回り7%は現実的な数値かを考えてみましょう。

少し前の記事ですが、以下のようなものがあります。
配当利回りランキング」高配当ベスト50銘柄を公開! (ZAi)

 年7%の利回りが3銘柄
 年6%の利回りが15銘柄
 年5%以上の銘柄は50銘柄以上
あります。(2021.1.4現在)

7%強の3銘柄のうち、JT(2914)という手堅い銘柄もあるので、現時点で5,000万円あればJTに投資をすることで、十分FIRE可能なわけです。

まとめ

久々に運用利回りの記事を書きました。
最近配当目当ての投資法をしていなかったため、こういう視点で書くのは久々ですね。

FIREを目指すならば生活費を運用利回りで賄うことも想定されるため、配当利回りというのは重要です。

結論は4つ。

 ① 配当には最大20%(20.315%)の税金がかかる
 ② FIREに必要な資産額は、生活費を削るか、運用利回りを良くして減らせる
 ③ 月25万円の生活費に必要な資産は、年利7%で約5,400万円必要
 ④ 年7%の銘柄は国内でもいくつかある

2020年は大きく資産を増やした人もいるので、実質FIREになった人もいると思います。
彼らは稼げたからこそ、FIREの基準をもう少し高めにしているかもしれませんが、FIREの大体の目安、投資目標になるのに役立てば幸いです。

なお、国外でも年7%強の配当を出す銘柄はいくつかあります。
例えば、同じくタバコ関係で有名なアルトリア(MO)などは、

 年間配当3.40USD(過去4回の合計)
 株価41.83USD(2021.1.22現在)
 配当利回り 3.40 ÷ 41.83 = 8.1%

など、年7%強の配当を出しています。
一旦不景気になったものの、昔から減配せず信用を勝ち取った銘柄なので、こういうときにも安定感をアピールしているのを感じますね。

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