配当と成長を考え直す

●配当金 目に見えるもの
●成長 目に見ないもの

企業からもらえる配当金も、企業自身の成長も、
どちらも投資家にとっては目指すべきとこですが、
実際、配当金と成長、どちらがよりやくだつものなのかを考えたい。

結論から言うと、
「配当金は、税額が0ならば投資家にとっては効果は同じ。」ということです。

まず、配当金の特徴は、
・間違いなく利益として手に入ること

・再投資をすることで株式数が増えるということ

・税金がかかること(日本だと20%、現在は特例で10%)

すなわち、税引き後の80%のお金を、
企業の再投資に回すことができるわけです。

それに対して、企業の成長は単純で企業が成長するため、

1株あたりの利益が上がり、
一般的に企業の株価が上がる(もしくは株式が割安になる)ため、
株主にとっておいしいのです。

では、企業の成長は何によって産まれるか。

会社の利益は、税引き後、配当金と内部留保に分かれます。
内部留保は企業に残った利益となります。

これらの内部留保額をどう使うかによってくるわけです。

・設備拡充や改装、研究、生産力向上を行う

・自社株買いなどにより1株あたりの価値を上げる

などが考えられます。

しかし、内部留保も100%うまく使いこなせるとは限りません。
それが20%分の損になってしまったら配当金と同等ですし、
無駄なCMを流して利益向上につなげなかったらそれこそ配当金再投資の方が得です。

そこで実際に比較をしてみたところ、

成長率0%、配当利回り10%の場合、

成長率5%、配当利回り5%の場合、

成長率10%、配当利回り0%の場合、

(※モデルケースなので配当金に税がかからない場合とします)

PERが一定の場合、あなたの資産は同等に成長していきます。
そのため、20%の税引き後の配当利回りと成長率は同じ複利の効果があるのです。

長期投資を行う人たちは、
ついつい会社の資産を切り売りする配当金より、企業の成長率に目がいきがちですが、
同等の効果があり、あなたを豊かにしてくれる点では同等なのです。

バフェットが会長を務めるバークシャー・ハサウェイでは、配当金はありません。

これは、ある意味では、
バフェットが確実な投資をするという信頼と、彼自身の自負があります。

なお、バフェットが配当金を嫌う理由は以下の3つだとおもわれます。

・過去に投資した企業(クリーブランズ紡績など)が、

 配当金を出せるのに出さず自分達の懐(役員給与で)に収めたこと

・配当金には税金(20%程度)がかかること

・自分が効率のよい投資をすることで株主に還元できる自信があること

これらの点でバフェットは配当を過去に1回(しかもトイレに行ってる間に議決されてしまったとのこと)しか、
配当を行っていません。

会社が完全に株主向きで、かつ余剰資産を100%活かせる環境と、
これからの成長幅を持っている事業を行っているのなら、
配当金は不要なのかもしれません。

しかし、大抵の企業はそこまでの力がありません。
そのため、配当金もある一定の価値を持つようです。

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