スノー・ボール 第21章

リュウです。
今日は第21章。「どちらの側に立つか」です。

タイトルそのものですが、
まさにその内容のとおりです。

この章で、
バフェットは裁定取引を学び、
また、株式は企業の部分所有であるため、企業の所有物は株式の価値ということを学んでいます。

裁定取引については、
私もそこまで実践レベルではないのですが、
簡単に説明すると、

現在、A社が1株1000円、B社が1株2000円として、
3ヵ月後に企業合併が行われるのが確定しているとします。

そうしたら、A社を1株1000円で買い、
B社を1株2000円で空売りします。

すると、3ヶ月合併して、C社となった場合、
A社とB社の株式の価値が等しくなります。
(今回は、株式割り当ての比率などの話は無視します。)

1 C社の株価が800円の場合(下がった場合)



A社(買い)  800-1000=-200

B社(売り) 2000- 800=+1200

合計                +1000



2 C社の株価が1500円の場合(AとBの間の価格)




A社(買い) 1500-1000=+500



B社(売り) 2000-1500=+500



合計                +1000




3 C社の株価が2500円の場合(あがった場合)




A社(買い) 2500-1000=+1500



B社(売り) 2000-2500= -500



合計                +1000

すると、3ヵ月後に1株1000円の儲けが約束されるわけです。
(逆にいうと、1000円以上の利益は出ないため、
どれだけの期間で、この利益が出るかがポイントになります)

この1000円をサヤと言い、
この金額を確定させることが裁定取引といいます。

自分の場合、原理がわかるのですが、
未だに実際にどういうシーンで当てはまるか実感がありません。
まだまだ修行不足ですね。

参考までに、リンクを張っておきます。
http://www.begin-kabu.jp/kabu-d-2.html

今回はプリツカー氏が、グレアム・ニューマン社に
高騰するカカオ豆(36ドル)と、カカオ豆をたくさん所有する株式(ロックウッド社 34ドル)を交換しないか、
と持ちかけてきた件です。

さて、バフェットは考えます。

・裁定取引で2ドルを儲けることができる

・ロックウッドには36ドルで売っても有り余るカカオ豆がある

→ロックウッド社を裁定取引で売るより、
ロックウッド社を買うことで、「カカオ豆をたくさん買ったのと同じ効果」があるんじゃないだろうか。

プリツカー氏の提案に逆行して、
グレアム・ニューマン社では、ロックウッドをたくさん買うことにしました。

いわゆる、「売る側から、買う側」に立ったわけです。

実際にその後、
裁定取引では1株2ドルの利益でしたが、
ロックウッド社の株式で所有した場合は、1株70ドルの利益となったわけです。

これは、裁定取引が効率が悪いというのではなく、
企業の所有している資産や、企業自身の価値を知ることで、
株式によってそれを部分的に所有しているということです。

さて、そんな大活躍をいくつかしたバフェットなのですが、
残念なことが起こります。

グレアム氏が引退することになりました。
彼の元で働くことが楽しみであり、
仕事の生きがいだったバフェットはここで転機を迎えます。

バフェットは、跡継ぎにならないかと誘われましたが、
「ニューヨーク」という町が彼はあまり好きではなかったようです。

こうしてバフェットはオマハに戻ります。
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