バフェットの財務諸表を読む力 9

おはようございます。
リュウです。

今日は、貸借対照表の純資産(旧:資本)の部です。

純資産の部で特に重要なものは、
1株あたりの利益(EPS)を1株あたりの株主資本で割ることで得られる株主資本利益率(ROE)です。

今回の重要なポイントは5つです

・優先株

・内部留保

・自己株

・株主資本利益率

・負債をレバレッジにする企業

●優先株について

バフェット氏が優良企業を見つけ出す基準として、
優先株を発行していない企業に注目している。

優先株とは、普通株と違って次のような特徴がある。

・議決権がない
・普通株の配当より先に、固定配当もしくは変動配当を受け取る権利を持つ
・破産時に優先的に債権を回収できる
(・普通株より多くの配当をもらうことができる)
・税引き前利益から優先株の配当を控除できない

優先株は、バブル期に資金調達の手段で、
積極的に使われた時代があるようです。

一番下の税制的優遇を受けられないことから、
優良企業は自社の優れた収益力があるため、利用することはないようです。

なお、マクドナルドは優先株を発行していません。

●内部留保について

内部留保とは、
配当と税金を支払った後に残ったお金の積み重ねです。

もっと簡単に説明すると、
収益を分配や税金で引いた後に「企業に残るお金」のことです。

バークシャー・ハサウェイ社は、
バフェット氏が経営をするようになってからというもの、
配当を支払っていません。

彼が、自分の会社の配当金を再投資して、
企業を大きくすることで株主に配当以上のものを与えているからです。

ただ、優れた収益力を持つ会社で、
内部留保をほぼ持たない会社もあります。

マイクロソフトは内部留保がマイナスです。
これは、社内にお金を残さずとも収益をあげられる結果、
その高い収益力をもとにして自社株買いと配当を行ったためです。

マクドナルドHD(2702)は、
過去5年の推移を見たところ、2006年に内部留保を減らしたのを最後に、
徐々に成長を続けているようです。

●自己株について

自己株は2つの使い方があります。

・償却して失効させる
・将来の再発行(増資)のために保有する

自社株買いを行うことで、
1株あたりの収益(EPS)や、株主資本利益率(ROE)が上昇する。

バフェット氏が購入した企業だと、
バドワイザーなどが大きな自社株買いを行ったため、
ROEが50%を越えた時があるようです。

自社株式は、議決権も配当もなく、
貸借対照表ではマイナス計算で評価されます。

しかし実際は、その自己株式は企業に存在しているため、
企業の資本に当たるという考え方もできます。

この本によると、自己株をマイナス計算ではなく、
プラス計算で算定することで、真のROEを計算できるのではないかとしています。



●株主資本利益率(ROE)について

純利益/純資産=株主資本利益率

永続的な競争力を持つ企業は、
株主資本利益率が、つねに高い数字を維持されています。

MSNマネーでは税引き前利益から資本合計を割ったものが計算されます。

ROEの高さは、
それが、来年企業が積み上げる純資産に影響を及ぼし、
その純資産が、さらに翌年の企業が積み上げる純資産を増やします。

そのため、ROEが高い企業は、
それだけ成長の加速度が高いことを示します。

バフェットが持つ企業はROEが20~30%という企業が多く、
バフェット氏自身が「ROE15%以上欲しいところ」と言っています。



●負債をレバレッジにする企業について

バフェット氏は、無借金企業を好みます。

借金をレバレッジにして利益を上げる企業は、
風向きが変わった瞬間に化けの皮がはがれてしまいます。

そのため、仮に高いROEを持っている企業でも、
総資産のうち、負債の額が大きい企業には、
限りなく注意をするべきです。

以上で貸借対照表については終わりです。

次は、実際にお金の動きについてわかる、
「キャッシュフロー計算書」について考えてみたいと思います。
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