【本】龍馬がゆく 4

おはようございます。

リュウです。

ついに、竜馬がゆくも4冊目にさしかかりました。

名シーンはいくつもあるのですが、

「軍艦を手に入れた龍馬」と、

「自害をさせられた武市半平太」辺りが注目するところでしょう。

竜馬がゆく〈4〉 司馬遼太郎

4巻では、

勝海舟に弟子入りし、航海術などを学ぶ竜馬と

土佐勤王党で土佐を盛り上げようとする武市半平太の巻でした。

竜馬は、国から借りた軍艦を手に、

京都、大坂、長崎と国中を走り続けます。

「日本人」としての坂本竜馬が目覚めた時です。

そのころ武市は、土佐の一藩勤王を目指し、

活躍を続けますが、

大名の山内容堂の怒りをかい、投獄されます。

やがて理由も決まらぬまま、

「大名を侮辱した罪」で自害させられます。

脱藩し戦場に赴き、戦死をした吉村寅太郎、

一藩勤王により、国内を盛り上げようとした武市半平太、

このころは、海賊にでもなろうとしてるのか、と揶揄された坂本竜馬。

三者が三様に走り続けた1860年代。

2つの流れは途絶えます。

残る坂本竜馬が、持った決意と心はどこに向かうのか、

話は中盤を迎えます。

土佐勤王党崩壊の時に、

多くの人が自決等をさせられましたが、

それでも、殿様に忠誠を誓う「武士」と言うものを見ることができます。

彼らは徳川政権300年が生んだ、

「最大の文化財」なのです。

次の巻のキーワードは「薩摩と長州」です。

まだまだ竜馬の活躍は続きます。

竜馬がゆく〈4〉 司馬遼太郎

リュウ

追伸:

●身分格差について

土佐勤王党で活躍した平井収二郎は、

土佐勤王党内ではかなり珍しい上士だったそうです。

坂本龍馬を語る上でなくてはならない身分格差。

それが「上士」と「郷士」です。

いわゆる長曾我部家の郷士と

山内家の上士です。

この2つは比べようもない身分格差を持っており、

土着武士の郷士は、

場合によっては切り捨てても良いという厳しい戒律がありました。

大河ドラマでは、

坂本龍馬の初恋の相手とされる平井加尾の兄として、

龍馬にプレッシャーを与えています。

土佐勤王党は、貧しい郷士の身分のものが多く、

藩政に参加できないものがメンバーに入っています。

しかし、2,3人の上士の身分の者が入っていました。

平井収二郎はその一人です。

立場上は、妹の加尾に手を出すよりも前に、

平伏しないと切捨て御免が許される立場のはずなのですが、

それをしないのは演出なのか、上士という設定は「竜馬がゆく」限定なのか、

Wikipedia等で調べてみても、

そのあたりについての考察、解説がされていませんでした。

大変気になるところです。

また、「上士」、「郷士」としても扱われず、

いいように武市半平太らに利用された岡田以蔵は、

「郷士」より、さらに身分の低い「足軽」の出でした。

4巻を読めばわかりますが、彼は非業の死を遂げます。

身分格差のために、能力以上に卑屈にならざるを得ず、

良いように利用されてしまった岡田以蔵。

一番の身分格差の被害者は、

坂本龍馬以上に、彼なのかもしれません。

そんな彼を大事にしていたのは龍馬でした。

彼は、江戸に修行に行くとき、

以蔵にお金を渡すなどのエピソード(フィクション?)が竜馬がゆくで描かれています。

大小こそあれ、いくつかのシチュエーションがあり、

龍馬は以蔵を大事にしているように思えました。

以蔵は、武市半平太の掲げた「尊皇攘夷」のもとで、

京都で人斬りをしていたのにもかかわらず、

その本丸ともいえる勝海舟は、

攘夷理論の立場からすると大敵です。

しかし、龍馬は以蔵に、

「勝を警護してやってくれないか。」

という、むちゃくちゃなお願いを託します。

そして彼はとまどいつつ、警護を続けました。

何かの縁があり、龍馬脱藩と共にし、

「日本人」として土佐を離れていたら、

という「IF」があっても良いと思いました。

「上士」、「郷士」、そして「足軽」。

身分格差がない現代にとって、

その価値を感謝すべきではないかと思うのです。

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【今まで紹介してきた 本のリスト】

(平成22年3月3日現在 196冊)

 あなたの読書の役に立てるとうれしいです。


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