おはようございます。
リュウです。
シーゲル氏の株式投資の未来。
読めば読むほど深い本です。
これだけ情報がてに入る時代なのに、
それを全分析をして、実はこうだった。
という結論を持った人があまりに少ない。
経済評論家はこういう視点で、マスコミで語ってほしいと思うのです。
さて、本題。
今日は、アメリカ国内の銘柄を例に挙げ、
どのような銘柄が、長期投資で実績を上げているのかについて、です。
アメリカで1957年から2003年まで、
S&P500に採用され続けた銘柄で、
投資&配当再投資を続けた結果最大のリターンをもたらした銘柄なんでしょうか。
答えは、
「Philip Morris(現:Altria Group)」です。
その年率リターンは19.75%を誇っており、他の銘柄を寄せ付けません。
トップ20は、20位のGeneral Millsですら、
年利13.58%となっています。
これらの銘柄は成長期とはいえ、
バブル崩壊が少なくても、
70年代と80年代で2回(ITバブルも入れると3回)経験しているはずです。
しかし、これだけのスコア残せる理由は何かを考察したのが
この本の第3章に載っています。
●特に強いセクションとは
・世界的な市場を持つ「消費者ブランド」であること
・医薬品会社
この2つのセクションは大きな利益を上げているようです。
(セクション別の解説は第4章にしています)
世界的な消費者ブランド、
すなわち、コカ・コーラ、ペプシコーラ、P&G、ハインツなど、
アメリカだけではなく、日本でも知名度のある会社が揃っています。
これらの生活必需品となった銘柄が、
強いリターンをあげていることがわかります。
医薬品会社もほぼ同様、
独占力を持つ会社として高いリターンを上げてきました。
しかしながら、ジェネリック医薬品制度により、
独占力が弱まった製薬業界は、
今後、タバコ業界とともに長期投資に向くか考察する必要があると思います。
●リターンが大きい企業とは成長が大きい企業に限らない
P46で著者が述べているように、
「投資家が卓越したリターンを手にするのは、
実際の増益率が期待を上回った時だけだ。
増益率そのものが高いか低いかは関係ない。」
この一言に尽きます。
どんなに増益をする会社でも、
高すぎてはリターンを得ることができません。
フィリップ・モリス社が大きな利益を上げてきたのも、
PERが高い増益率の割に評価されなかったことが理由の一つです。
(訴訟問題等で、増益の評価を高く受けなかった)
私の予想レベルでしかないのですが、
バフェットが好まないテック銘柄(インターネット銘柄など)は、
期待でPERが高騰しすぎたため、リターンが低すぎたのが現状なのだと説明できそうです。
●配当による増幅
P48で著者はこうも言っています。
「投資家リターンの基本原則は、
株式が配当を産むとき、効果が増幅する。」
配当を重んじる投資家に、
ピーター・リンチ氏がいます。
彼の投資手法によると、
長期成長率(%)と、配当(%)を加えて、
PERで割り返す。
1を割り込んだら落第
1.5で及第点
2以上で買いの銘柄
としています。
なお、配当に関してもう一人。
バフェット氏は、逆に配当を好まない人で有名です。
バフェット氏の言うことももっともです。
配当を全額再投資するならば。
後半の章で解説していますが、
企業によっては、それをストックオプションや効率の悪い再投資を行ってしまうため、
必ずしも、無配当(低配当)が良い会社の経営方法とは限らないようです。
この書籍には載っていませんが、
バフェット氏は、
「配当に税金がかからなければ配当も良い。」
とも言っています。
個人的な考察を行った際、
奇しくもピーターリンチ氏の公式とほとんど同じものが出ました。
私の場合、ピーターリンチ氏の公式を少し変えて、
長期成長率(%) + 配当(%)×(1-インカムゲイン税)を、
PERで割ればよいと思いました。
PERが固定ならば、
成長率と配当の再投資は同じでした。
日本でしたら、
(長期成長率+配当×0.8)/PER
税金さえかからなければ、バフェットの言うとおり、
配当もまた価値があるものなのでしょう。
今回重要なことは3点
●日常の消耗品、薬品のセクションが利益率が高い
●成長率が高いからというだけでなく、その銘柄が高いか安いかを調べる必要がある
●配当は成長を加速させる
この第3章が、個人的に一番役立つ章だと思いました。
参考になると幸いです。
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