1月相場が年間成績に与える影響

外国株(ベトナム株・米国株)

今日は、あるセミナーに参加していた関係ですでに夕方のため、
のんびり「Stock Trader’s Almanac 2021」から。

1月の章には、1月の動きでから相場を予想する記事が多く掲載されています。
結論としては、今年が例外の年になるのではないかという懸念もあるため、参考程度にとどめてもらうと良いと思います。

1月の相場と年間との関連性

・1月の最初の5日間の動きから年間のリスクを予想(P14)
・1月の成績が1年間の方向性を占う(P16,18)

最初の動きと年間の動きは影響する傾向があるということです。

1月の最初の5日間と年間成績

1月の最初の5日間から、年間の相場を予想できるか。
過去70年間の成績から、1月の最初の5日間(今年は1月4日~8日)と年間のS&P500のスコアを比較した結果が「Stock Trader’s Almanac 2021」に掲載されています。

本書によると、S&P500指数の1950年から2019年までの過去70回のうち48回(約69%)が、「最初の5日間の上げ下げと連動している」ことがわかっています。

最初の5日間にあがれば、年間のS&P500も上昇傾向
最初の5日間にさがれば、年間のS&P500も下降傾向にあるようです。

なお、最初の5日間より年間成績が良くなった回数(最初の5日間<年間成績)、つまり最初の上げ下げの方向性を強まるったも70回のうち48回(約69%)です。

1月の1か月間と年間成績

1月の成績と年間成績も比較的連動しているようです。
「1月の月間成績が悪いと、年間成績はそれに引っ張られてより悪くなる」傾向があります。

S&P500指数の、1950年から2019年までの過去70回のうち48回(約69%)が、
1月のスコアと同じ方向に年間成績も悪くなっていくようです。(偶然にもこれも69%)

例外が22回(約31%)で、
そのうちプラスマイナスが反転した回数(1月がマイナスで年間がプラス又は1月がプラスで年間がマイナス)が10回(約15%)です。

今年の状況

1月末日のデータは出そろっていないので、最初の5日間のみ。

S&P500
 12月31日終値 3756.07
 1月4日初値 3764.61
 1月8日終値 3824.68

最初の5日間は、堅調に推移。
民主党が上院を制しブルーウェイブが確定したのが1月5日、これにより一部のクリーンエネルギー銘柄を中心に上げ相場だったというのもあると思います。

2021年1月22日現在、のところS&P500が3800台を推移しているため、1月の経過も過去の法則で行くならば良好な相場になりそうに見えます。

例外の場合の方が重要

2において「今年は堅調に推移するかも。」と書いたものの、不安要素もあります。
1月の「法則に沿わなかった年」が重要です。

最初の5日間、1月の1か月間ともに70年のうち22回。

そのうち、特に2000年、2001年。
2000年11月頃にドットコムバブルが崩壊した年です。 

実際に、

2000年(法則通り)
 1月の5日間のスコアが▲1.9%
 1月のスコアが▲5.1%
 年間成績が▲10.1%

2001年(月間のスコアは法則に沿わず)
 1月の5日間のスコアが▲1.8%
 1月のスコアが+3.5%
 年間成績が▲13.0%

したがって、ドットコムバブルの崩壊という特殊な条件下において、法則から外れた時は極端な下げ相場となったことから、「極端な相場が生じる状況だと信用しづらい指標」といえます。

今年は、昨年からのバブル感がぬぐえず、一瞬で方向性が変わる可能性があります。
1月の成績が良く楽観視しがちな傾向はありますが、慎重な運用が必要な年と思います。

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