自分は財務諸表を読むのが性に合う(EPSとPERの話)

リュウです。

今日の午前は渋谷で大学時代の先輩と打ち合わせ。
ある法人の財務諸表等を読んで分析をしにいってきました。

(仕事のように見えて趣味のようなものです。お金は貰っていませんですね。)

最近、試験や大学院、想定外の異動などで、財務諸表をじっくり読んでなかったなぁ、と思ったので、楽しみながら長時間読んでました。雑談をしながら読んだものの、あっという間に1時間半くらい経ってしまいました。

やはり、自分としては財務諸表を読んで、投資に値する事業かどうかを分析する作業が好きなようです。
もう少し時間を作って、ブログの記事で、日本も、ベトナムも、米国株も、その他の国の口座開設などにも触れて行こうと思います。

 

早く、朝夕をひたすらバフェットのように新聞、雑誌、ニュースをひたすら見て、投資向きの事業を見つけ出す仕事と、税理士業とブログの作成に専念できるようになりたいものです。

今日のテーマは、久々に投資関連でも触れて行こうと思います。

財務諸表(今回は損益計算書をメイン)に触れながら、株式投資の判断について考えてみようと思います。

※最近話題の、ある会社の決算短針(財務諸表などがまとめられた企業の報告書の一つ)の表紙。

 今日読んだのはこれではないですが・・・・

 

●もくじ
1.財務諸表って何?
2.良い財務諸表の会社とは
3.毎年たくさん利益を出してくれる会社
4.株式を買うなら安く買うほうが良い

1.財務諸表って何?

税理士試験受験者も、税理士も見ているこのブログで「財務諸表とは何か」を書くのは釈迦に説法状態ですが、ほかの方も見ていただく機会があるかも知れないので。

財務諸表(ざいむしょひょう、financial statements)は、企業が利害関係者に対して一定期間の経営成績や財務状態等を明らかにするために複式簿記に基づき作成される書類である。日常用語としては、決算書(又は決算報告書)と呼ばれている。(※引用:Wikipedia

まぁ、こんな確かにこういった小難しい表現も有りますが、「会社の持ち物の価値と一定期間の成績表」と考えればいいかと思います。

企業の財務状態の良し悪しを投資の判断基準に用いる投資手法として、バリュー投資(だけではないんですけどね。)があります。
要は、資産状況や成績の良い会社の株式が安く売っていれば、買う価値がある、と判断するわけですね。

 

2.良い財務諸表の会社とは

では、良い財務諸表の会社ってどんな会社でしょうか。
これは人により考え方が違うと思います。

「お金(現金預金、ひいては資産)をいっぱい持っている会社」だったり、
「毎年たくさん利益を出してくれる会社」だったり、
「(利益があってもなくても)配当金をいっぱいくれる会社」だったりするわけですね。

これらの情報も、財務諸表の分析である程度つかむことができます。

上記は、それぞれ相応に投資の理由になってきますが、「毎年たくさん利益を出してくれる会社」は、将来を見据えても「お金(資産)をいっぱい持っている会社」になる可能性が高く、「配当金をいっぱいくれる会社」となる資産の余力がある可能性が高く思えます。

「良い財務諸表」という言葉だと主観的で人により考え方が変わりそうですが、「毎年たくさん利益を出してくれる会社」という点については概ね共通事項といえます。

3.毎年たくさん利益を出してくれる会社

「毎年たくさん利益を出してくれる会社」が良い会社ならば、良い会社かどうかをみるのにわかりやすい財務諸表として、「損益計算書」があります。この、「損益計算書」で、財務諸表について考えていきましょう。

(例)
八百屋のA株式会社さんが、11月に1,000個りんごを仕入れて、1個100円で全部売れました。
1,000個まとめて仕入れるので、安くしてもらって単価は60円としましょう。

(税理士試験じゃないので棚卸資産減耗損とか考えなくていいですよ。)

そうすると利益は、

  収益   100,000円(@100円×1,000個)
-)仕入原価  60,000円(@ 60円×1,000個)
利益    40,000円

です(実際はその他の費用も税金も発生しますのでもっと利益は減ります)。

このような計算を、複式簿記で整理し、より詳しくまとめたのが「損益計算書」です。

また、資産状況(貸借対照表)等とセットにして「財務諸表」の形態で税務署に提出します。
(税理士試験の「財務諸表論」だと、もっと細かく収入や支出の計上のタイミングやルールに従って、他の書面と共に作成して行きます。)

今回は11月だけで計算しましたが、1年間(厳密には会計期間なので数ヶ月決算などもあります)の集計を行い、税金を差し引いたものが「利益」なります。

これも、税理士試験の財務諸表論の試験対策として考えるならば、もうちょっと厳密にやる必要があり、

いくつかの調整や注記事項、資産状況を表す「貸借対照表」を考慮しなければならないことから色々面倒ですが、利益がいくらあるかを判断する仕組みはここを着目するとよいでしょう。(恐らく体裁を整えなくて良い分簿記3級より簡単)

 

さて、ここからは投資家視点。

仮に、この八百屋さんがりんごの収穫期の11月にしか期間営業していないものとして、年間の利益と考えます。
 

八百屋のA株式会社さんが事業を興すため、みんなからお金を集めるのに100株発行していた場合、
1株持っている株主ごとに、年間400円の利益(40,000円÷100株=400円)をにあげていることになります。

このような1株あたりの利益のことを投資世界では、EPS(Earning(利益) Per Share(株式数))といい、投資をする際の基準として用いています。

毎年1株あたり400円の利益を出す会社に、あなたは投資を行いますか?
株式を買った人はわかると思いますが、もう一つ情報が足りません。「株式の値段」です。

※四季報にも、EPSがそのまま数値で載っているので計算は不要です、計算の仕組みを把握しておくことに意味が有ります。

 

4.株式を買うなら安いほうが良い

株式で儲けるには、「安く買って高く売る」が原則です。
どんなに高い利益を出す会社でも、高すぎたら買うべきではないでしょう。

※なお、バフェットの本を読んだ人はついつい「永久保有」というキーワードに引き込まれがちですが、

バフェットもそこそこ株式を売ります。

さて、毎年1株400円の利益を出す会社を、いくらの株価なら買うでしょうか。。

まず、1株が800円だったらどうでしょうか。

仮に、その会社の株式のすべて、100株80,000円払って買収すると、

2年間の利益(800円(支払った額)/400円(年間利益)=2年)で投資額が回収され、(今後も同様の収益を得られるとして)3年目以降は4万円ずつ利益を稼ぎ続ける会社を実質タダで保有することができます。

こんな投資は理論上以外ありえませんが、言うまでもなく安いでしょう。

一方で、1株が10万円だったらどうでしょうか。

毎年400円稼いでくれる会社が10万円の利益を出すためには、なんと250年!
感覚的にも高いと感じられると思います(ITバブルの頃など時々これくらいの倍率で売買されている新興産業があったものですが、通常は高すぎです。)

このように、「株価が何年分の利益で回収できるか」が重要となります。

これをあらわす投資指標として、PER(Price(株価) Earnings(利益) Ratio(割合))というものが有ります。

これにも色々な考え方は有りますが、国や景気動向で一定の基準が有りますが、
日本の場合はPER10倍~15倍が普通の価格といわれています。

そのため、利益に対して株価が割安と判断されるのは、PER10倍未満というのが一つの基準になります。

あくまで参考程度ですが、これにしたがって判断すると、

A株式会社が1株3,600円(PER9倍 3,600円/400円)だったら割安と判断できるわけです。

(実際はもっと考えるべきことは有りますが、利益を出せる会社が安いことというのは買う動機となります。)

※こちらの数値も四季報などで確認することができます。
EPSがわかれば、株価で割り返すだけなので自力で簡単に出せます。

このように、利益からアクセスすることで、株式の価値の一つの基準を設けることができ、投資判断に使うことができます。

またこれらを損益計算書から算定することができます。

●まとめ
・株価が高いか低いかの判断基準を財務諸表から見つけ出せる
・投資法の一つに会社の利益から株価が割安か否かを判断する手法がある
・一つの基準は、(1株に対し)たくさんの利益を出す会社
・利益を出す会社が安く売っているなら買う

結局、株式投資の行き着くところは、「良いものを安く買うこと」です。
今日のは、いつもの如く大分端折っていること、実際には今後もその利益率を維持できるかどうかの独占力等の判断など、見なければいけないものはいくつか有ります。

しかし、細かい数字の読み方等はあるものの、「利益を出せる会社であるかどうか」は株式投資の基本(テクニカルなどの手法は除きますが)になってきます。

また、「(投資に向く)良い財務諸表」は、他にもいくつか考え方が有ります。
保有財産に着目したり、毎年の売上の成長ぐらいで投資したりする判断基準も有ります。
しかしながら、これらの手法総じて会社の内容を見ていくので財務諸表が役立つ資料になります。

久々に決算短信のような資料を1時間くらいじっくり読んでみるとやはり楽しいですね。
読むとワクワクさせてくれるような財務諸表を作成してくれる会社(粉飾はダメですよ)を見つけて投資したいものです。

 

日本の上場企業の決算短針(財務諸表等)を読みたい人は、株ドラゴンさんが整理されていて即調達できて便利かと思います。

 

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