プレミアム商品券を入手(制度も考察)

おはようございます、リュウです。
 

上陸はまだまだ先ですが、神奈川県では台風の影響が緩やかに出てきています。
 

ピーク時の大雨の時にはどれくらいになるんでしょうかね。
台風直撃なので明日の朝までは家でじっとします。

台風で何かはなしを・・・と思ったのですが、台風が過ぎ去った後の方が、今より書けることが多いと思うので落ち着いた頃に書いてみましょう。

と、いうわけでタイトルの通り10月はじめに購入した「プレミアム商品券」についてでも。
鎌倉市の場合は10月1日から鎌倉市役所で交換できます。

平日休めた日に行こうと思っていましたが、たまたま休みを取っていた妻がさっさと取ってきてしまいました。
で交換したときの様子をブログネタには出来なったのが残念(笑)


※鎌倉市のプレミアム商品券(2019.10)

 4セットしかないのは妻が買い物で持っていているためです。

 趣旨は伝わるけど、効率の悪い運用でが足かせになっているイメージです。

 

●もくじ
1 プレミアム商品券の仕様
2 5,000円のプレミアムとはどの程度か
3 目に見えない裏のコスト
4 個人的な提案

1 プレミアム商品券の仕様
(1)概要
プレミアム付商品券とは、公式(https://www.02premium.go.jp/)によると、

・「消費税率の10%への引上げに伴い、家計の負担緩和や地域の消費下支えのため、25%もお得に買い物ができる商品券」のことです。

個人的には「25%」という書き方が鼻につくのですが後述。

(2)対象者
プレミアム商品券は、全員がもらえるわけではありません。
ここも批判が集まる理由だと思っています。

対象者の範囲も公式ページを見てみましょう。

①住民税非課税者②子育て世帯のいずれかを満たす方が対象です。

なお、両方満たす方は、2セット買うことが出来ます。

 

①住民税非課税者分について

2019年度の住民税(均等割)が課税されていない方が対象ですが、次に該当する方は除きます。

 イ 住民税が課税されている方に扶養されている方(生計を一にする配偶者、扶養親族等)
ロ 生活保護の受給者等

除外対象者として、

ロの方は、「他にメリットを享受しているので、ここでは我慢してください」という趣旨なのでしょう。

次にイの条件。概ね非課税世帯とほぼ同義です。
いわずもがなですが、課税世帯で収入の少ない方は、「控除対象被扶養者」として所得控除を受けているからです。

一応、「敢えて「扶養者に取らないでプレミアム商品券を得る」という選択肢もありますが、所得控除(所得税法38万円等、住民税33万円等)のほうが、所得控除の税額軽減のメリットの方が大きいため選ぶ必要はありません。

ただ、自治体には確認してませんが、「確定申告で敢えて通常取る年少被扶養者を敢えて被扶養者にしなければ、子どもの分のプレミアム商品券をもらえる」裏技が成立するように思われます。

年少被扶養者は所得控除を取れない(税のメリットは住民税の人的非課税(35万+21万×(扶養+1)に一定割合を乗じる)くらい?)ので、デメリットも少ないと思います。
 

②子育て世帯分
もう一つの条件は、「2016年4月2日から2019年9月30日までに生まれた子がいる世帯の世帯主」です。

我が家はこちらで該当します。
娘が2017年生まれなので、共働きながら偶然にも該当しました。

こちらは条件がシンプルで裏技は無いでしょうね。
 

3歳児はなぜもらえないの?という問題が、批判の集まる理由の一つだと思います。

(3)購入条件
鎌倉市では、4,000円を払うと5,000円分のプレミアム商品券が手に入ります。
 

5セットで代金は2万円。
5セットで25,000円分の商品券を手に入れることが出来ます。

近くのスーパーでも使うことが出来るので、使いどころはあります。

「2万円も払えない」という批判をどこかで見ましたが、

そこまで急迫した人にこそ生活保護受給等のセーフティネットがあると思うので、ここでは考察しません。

2 プレミアムについて考える
次にプレミアムについて。

(1)25%還元と捉えるか、20%軽減と捉えるか

1.でも書きましたが、この手のポイント系で、色々な会社がなぜ「還元」という言葉を使うか。
それは、「25%トクと書くのが厳密には危うい表現だから」です。

 「でも、20,000円で25,000円使えるのだから5,000円÷20,000円で25%でしょ?」

と考える方もいるかもしれません。

しかしながら実際は、
「25,000円使わないと5,000円トクにならない」ので、
「実際は20%(5,000円÷25,000円=20%)」なのです。

当然、使い切らないと20%トクにならないので、「最大で20%トク」する商品券というのが正しい表現です。

(2)消費税8%にするために使うならば
「プレミアム」を、別の視点でもう少し考えて見ましょう。

仮に5,000円分トクしたとして、いくら分の消費税を浮かせることが出来たか。
つまりは、極端な話、プレミアム商品券で上がった消費税の差額を支払ったらいくらまで使えるか。

これは、以下の算式で計算可能です。

 10%-8%=2%
5,000円÷2%=250,000円

又は、
 250,000円×8%=20,000円  ①
250,000円×10%=25,000円  ②
② - ① = 5,000円

プレミアム商品券で、消費税分だけ払う器用な人は普通は居ないと思いますが、25万円分の消費負担減です。
(国からすると、25万円分消費を増やさないと回収できない税額(厳密には国税分は約8割)なので、大きい負担をしています)

消費税増税による消費減を補うという視点では(実感は少ないけれども)大盤振る舞いをしているようです。

3 目に見えない裏のコスト
プレミアム商品券のデメリットも考えて見ましょう。

(1)実は行政コストの無駄が多い
プレミアム商品券は、自治体内でしか使えません(後述②のデメリット)。

管理も市区町村で行っているようです。(他の自治体で買えませんしね)
国で発行する紙幣や貨幣と違って、個別で作成するコストを国が補助している仕組みです。

また、上述1のとおり、みんなに配るわけではないので、対象者の抽出や郵送処理、告知など、人件費を中心とした多額の経費が発生してきます。
こういうのを税金の無駄と思うんですよね。5,000円のプレミアムを提供するために1,000円~2,000円くらい追加コストがかかっているような気がします。(だったら対象者に6,000円~7,000円の商品券を力技で送ったほうが有意義でしょ?)

(2)使いどころが難しい
(1)でも説明したとおり、プレミアム商品券は市区町村で管理します。
全国を調べたわけではありませんが、少なくとも鎌倉市は市内の登録したお店でしか使えません。

そうすると、「物価の高い自治体のプレミアムが削られてしまう弱点」があります。
また、隣の市(我が家なら横浜市)で買い物をしているような方は、使いづらいんです。

そのため、居住地ではない(例えば物価の安い)隣の市区町村では使えないという弱点があります。
意外と使いどころが難しいものとなります。

4 個人的な提案
3までで出た使用と問題点に基づいて提案してみましょう。

今更改善案を出しても仕方ないですが、今後のプレミアム商品券を作るならば、国に工夫して欲しいことをまとめました。

(1)全国的に使えるようにすべき
消費させることを目的とするなら、全国的に使えるとメリットが増します。

物価の安い地域だと5,000円がプレミアムの高いもので、物価の高い地域だというほどの価値がないというのは不公平ですね。
隣の自治体だと300円のものが、自分の自治体で買うと400円だとするならば、プレミアム商品券を使ったほうが損するわけです。(ここ重要!)

よく言う1票(1円)の格差みたいなものです(笑)

全国で使えれば、この問題は解決します。
せめて市町村ではなく県単位でやればよかったのではないだろうか
と思います。

(2)敢えて転売可能にする
消費させることを目的とするなら敢えて「転売可能」にしたら良いと思います。

期限付きの商品券なので、基本的には現金と違い、腐らせず消費することにはなると思います。

転売すれば適度な市場価格で流通することになると思います。
 

流通すれば、工夫して使う人も出てきますし、使いやすい地区の商品券に買い換える人もいるでしょう。
上述、目的の消費増税に対する消費を刺激する政策というならば、経済を回す上で金券ショップの力を借りても良かったのではないかと思います。

とはいえ、きっとこういうのを官公庁は好まないとは思います。

(3)チャージできる
消費増税に併せて、キャッシュレスによる割引が行われています。
したがって、プレミアム所品券はキャッシュレスに逆行しているんですよね。

プレミアム商品券でチャージ可能にすれば(二重取りではありますが)、キャッシュレスも進みます。

今回の消費税アップで地域振興的な政策のプレミアム商品券と、キャッシュレス政策の二つを同時に進めようとした結果、ちぐはぐになってしまったのでしょうね。

(4)つまるところ現金でよかったのでは
極論、こんな政策を組むんだったら、「素直にお金をばら撒けばいいんじゃん?」と思ってしまうんですよね。

必要な時に、全国で使えて、換金せずとも汎用性が高い。キャッシュレス用の媒体ににチャージも可能。

(消費しないで溜め込むことは想定されますが、日用品でプレミアム商品券を使うなら新たな消費になってないので同じことです。)

地域振興と、消費増税対策と、キャッシュレス政策の思惑が交錯した結果、使用しづらいものが出来てしまいました。

現金バラ撒き、いいじゃないですか。
金は天下の回り物、使ってこそ経済は動きます。(もらえない人は怒ると思いますが)

●まとめ
今日は、プレミアム商品券について考えてみました。

個人的には、プレミアム商品券自体は完全に批判をするまでは至らないですが、中途半端なイメージがぬぐえません。
(私は該当者だからというのもありますが。)

あわてて制度を整備した所為もあるのか、使い勝手が悪く、支出する税金に対するプレミアムが低いものが出来上がってしまったと思います。もっと規格を統一して(せめて県単位)、事務コストを下げ、使える場所を広くして、可能なら全員(生活保護以外)に配り、キャッシュレス政策と方向性を合わせる。

そうすることで消費を刺激するいい政策になったのではないか、と思う次第です。
(どう転がっても、与党批判をする野党(やってもやらなくても文句つけてきそう)はいますが、もう少し使い勝手の良いものになったのではないかなと思います)

なお、我が家では5,000円分のプレミアム、紙おむつ代に消えると思います。

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