今日は、久々にStock Trader’s Almanac2021から。
過去の傾向を基に投資時期を研究する「Stock Trader’s Almanac」という書籍。
年の初めに概ね全部読み、あとは時々目次を見直したり、各月の始まりに月の部分だけ見直しています。
個人的には最初、「ジンクス」くらいに思っていましたが、このような法則にしたがう投資法を「アノマリー投資」というのだそうです。
今回の本書の解説は、「各四半期の1か月目はブル相場」についてです。
統計数値を見る限り、アノマリー投資の中でも信憑性は高いと思われます。
7月も同様「各四半期1か月目」にあたるため、元気の良い相場を期待することができると思います。
各4四半期の1カ月目は強い法則
さて、本題。
Stock Trader’s Almanac2021のP66によると、「各四半期の1カ月目は強い」法則を示しています。
P66には、1950~2020年(1950~1990(NASDAQは1971~)年と1991~2020年に分けた表もあります)における、ダウ・ジョーンズ、S&P500、NASDAQの各月の指数の動きを四半期別に比較した表があります。
当該表によると、各四半期の1か月目、すなわち1,4,7月の4カ月の指数の上昇が他の2カ月より高めになる法則があることがわかります。(10月は後述。)
例外が2件あり、
NASDAQの1971~1990年の7月(▲0.5%<8月 +0.1%)
ダウの1991~2020年の1月(+0.3%<3月 +0.6%)
のみで、あとは1,4,7月の相場が強いようです。
過去に紹介した「セル・イン・メイ」ほど明暗が分かれるものではありませんが、「四半期の最初の月は強い」法則も高い信頼性があると言えます。
原因は、一体どのようなものか。
書籍でも細かな原因の分析をしていませんが、例えばトリプルウィッチングデー(3,6,9,12月3週金曜日)で「決済直後の月であるため、先が見通しやすい時期」だからなのかもしれません。
例外
そんな、四半期1カ月目の法則にも若干の例外があります。
「第4四半期だけは、その法則と外れる動き」をすることが多いです。
言い換えると、10月<(11月、12月)のような指数の伸びです。
とは言っても、1991年~2020年のデータを見る限り、概ね「年末(11月~1月)の相場は強い」ことがわかっています。
Stock Trader’s Almanac P66を引用すると、
市場(10月、11月、12月)法則適用
ダウ(+1.6% +1.9% +1.3%)×
S&P500(+1.5% +1.5% +1.3%)△
NASDAQ(+2.1% +1.7% +1.7%)○
です。
ただ、注目してもらうとわかる通り、「10月が弱いというより、11月、12月相場がより強いから法則に当てはまらない」というだけのように思われます。
ただ、10月については気を付けておく必要があります。
じっちゃまこと広瀬隆雄氏がいうには、
「9月のレイバーデー後から10月末までは、相場が荒れやすい」
という時期とのことです。
実際に、昨年2020年も10月は最終週まで荒れました。
そして11月に大きく伸び、10月は投資家の判断を悩ました月であるといえます。
このように、「9月までの下げ相場を引きずる可能性」もある時期であり、慎重に入る必要があります。
7月はチャンスの月
7月は一時的に有利な月といえます。
セル・イン・メイ(5月の売り)以後、奮わなかった人も、7月が統計的に強い月であるためチャンスが眠っている可能性があります。
6月にもFOMCの発言後の若干の下げでキャッシュを増やしていた方が、6月の相場で下げた優良銘柄を再度保有するのにいい時期かもしれません。
とはいえ、過信は禁物。
同書によると、前後の6月、8月、9月がかなり弱い月(P50など)であり、注意をしながら相場を張る必要があります。比較的楽観視される年末(11~1月)ほどは安心できないものの十分利益を出せる可能性がある月といえます。
日本でいえば、「梅雨の合間のカラッとした晴れ間に洗濯を干す」イメージかもしれません。
当然、自分もチャレンジしてみたいと思います。
まとめ
今日は四半期1カ月目の強い相場と7月を中心に考えてみました。
大事なことは3点。
・各四半期の1か月目(1,4,7,10月)は比較的強い
・7月は強いが、弱気な6,8,9月に挟まれているので慎重に戦う必要がある
・例外は10月だが年末がより強いことに起因する。一方で9月の影響から荒れやすいこともあるので慎重に。
個人的には、季節と時流を外さず相場を張ることだけでも、十分にリスクを減らすことができると思うのです。
皆さんの投資の成功を祈っています。
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