おはようございます。
リュウです。
昨日は第18章の具体的な計算方法、
バフェットの方程式1~4までを解説してきました。
1 利益のトレンド
2 初期投資リターン
3 EPS成長率
4 国債に対する株式の相対価値
今日は残りの5~8を解説して、
この本を終わりにしたいと思います。
5 EPS成長率による予想株価とリターン
6 ROEが高く安定している企業
7 予想複利リターン1(BPSに基づく予想)
8 予想複利リターン2(EPSに基づく予想)
5 EPS成長率による予想株価とリターン
過去10年間のデータ(一部5年間のデータ)を元に、
安定して成長している企業だとわかったとします。
今後も、その成長率が安定したものであると仮定すると、
10年後の企業の規模が予想できます。
P233では、ガネットという会社を例に挙げて、
今後の成長率を予想しています。
計算の順序は、
1 10年間のEPS成長率を計算
2 今後もその成長率で計算した時の10年後のEPSを計算
3 過去10年の平均PERを出して、EPSに掛ける
4 予想株価が導き出せる。
となります。
ガネット社は、1980~1990年の間に、
EPS 0.47ドル→1.18ドルとなりました。
金融電卓はないのですが、
関数電卓である程度までは計算可能です。
このときのEPS成長率を出してみましょう。
1 過去10年間のEPS成長率を計算
1.18 / 0.47 = 2.510・・・ (10年間の成長率)
2.51 「a^b」 0.1 = 1.0964・・・
(0.1乗(つまり1/10乗) → 10乗根で1年あたりの成長率を計算)
以上により、9.6%のEPS成長率が計算できました。
2 過去10年間の成長率から、10年後のEPSを予想
1.18 × 2.51 =2.91
3 過去10年間の平均PERをEPSに掛ける
P234によると、
過去10年間のPERは11.5倍~23倍。
平均値は17.5倍です。【 (11.5 + 23) / 2】
2.91 × 17.5 = 51.62ドル
4 以上により、予想株価が51.62ドルとなる。
これにより10年間この企業を持ち続け、
同様の成長を続ける企業の強さがある場合、
51.62ドル未満の価格で株式を購入できたならば利益が入ることになります。
なお、1990年に14.8ドルでガネット社を入手した場合、
予想リターンは以下のように計算できます。
(52.62 / 14.8) a^b 0.1 = 0.133 (13.3%)
以上により予想リターンは13.3%となります。
6 ROEが高く安定している企業
何度過去の本を解説しているときに書きましたが、
ROEの高さは、永続的な競争力を持つ企業かどうかを判定する上で、
重要なポイントとなってきます。
ROEの高さは、
株主資本をどれだけ効率よく活用でき照るかを示すバロメーターです。
本書では色々と解説が載せてありますが、
ROEが12%を超える企業をバフェット氏は推奨しています。
なお、日本で継続的にROE20%を超え続ける企業は、
四季報の4000社のうち100社いかない程度です。
そのため、一番最初に企業を探す時は、
まずROEである程度数を絞ってから企業分析を行うとよいかと思います。
7 予想複利リターン1(BPSに基づく予想)
方程式5ではEPS(1株あたりの利益)、
EPS成長率による計算をしてきました。
今度は、BPS(1株あたりの株主資本)の成長率から予想を立てて見ます。
やはり1年あたりの成長率を出し、
安定成長を見込んで10年間にBPSがどの規模となるか予想を立て、
BPSにROEを掛けることで、
方程式5と同様EPSを出し、予想株価を見出します。
P248~P250ではバフェット氏が会長を勤める
バークシャー・ハサウェイの株式について、BPSの成長率から妥当株価を割り出しています。
8 予想複利リターン2(EPSに基づく予想)
方程式5で、別の会社の例を計算しています。
18章に書かれた、
バフェットの8つの方程式が成り立つ企業は、
「10年間、同様の物を売り続けている永続的な競争力を持っている企業」
だからこそ計算できます。
不安定な企業をバフェット氏が好まない理由は恐らくここにあるのでしょう。
10年先がある程度予想でき、
そしてそれが成長することがある程度見通しとしてあるからこそ、
バフェット氏は長期投資を行う。
そして、その予想をもとに、
妥当な株価を見出し、その価格より安い値段で手にはいる場合、
1年間のリターンを計算します。
1年間の税引き前成長率リターンを、
国債や、その他金融商品と比較し、
その企業を買うかどうかを判断しているようです。
ここを読んでくださった方も、
日本の企業の中でバフェット銘柄を見出すことはできたでしょうか。
気づいたら、20回にわたって続いていた、
バフェットの銘柄の探し方は以上です。
個人的に思う範囲では、
かなり少ないですが、世界的に競争力があり、
バフェット流投資法に見合った企業と判断できる企業がありました。
バフェット氏は、バークシャーの規模から、
ある程度の財政規模がないと運用益を上げられないため、
仕方なく規模の大きい会社に目を向けています。
しかし、わたしたちのような個人投資家は、
小さい企業からも、バフェット銘柄を探し出すことができます。
四季報やMSNマネーなどを参考にしながら、
バフェット銘柄を見つけ出してもらえればと思います。
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