「FIRE」に考える資産運用の中間ゴール地点

ファイナンシャル・プランニング

今日は娘と実家にいます。朝からプールをやりたいとねだってきて絶好調です。
好きなことに全力を尽くせるのは素敵な生き方だと思います。

さて、本題。

Twitterの個人投資家界隈でFIREという言葉があります。
早期退職と経済的独立を示す言葉ですが、具体的なイメージがわかない方も多いと思います。

今回はそんな「FIRE」について少し考えてみました。
どこまで行けば、サラリーマンから脱することができるか、その後の人生の中間ゴールを定義してみましょう。

直接は関係ないですが、老後資産について考えた記事を過去にも書きましたので参考にしてもらえると嬉しいです。

1 FIREとは

Wikipediaの「FIRE ムーブメント」が参考になると思います。

FIRE ( Financial Independence, Retire Early ) ムーブメントは、 経済的独立と早期退職を目標とするライフスタイルを啓蒙するムーブメントである。 このモデルは、ブログ、ポッドキャスト、およびオンラインフォーラムで共有されている情報を通じて2010年代より大きな注目を集め、特にミレニアル世代に人気が高まった。

つまり、経済的独立を達成し、早期退職(リタイア)を目指すスタイルを指します。

FIRE ムーブメント - Wikipedia

資産の取り崩しと対応して運用益を年4%と定義しているようです。
Wikipedia上では、「税引き前」か「税引き後」かは述べられていません。

税引き前なら年5%(×0.8=手残り4%)
税引き前なら年4%(×0.8=手残り3.2%)となります。

みんながFIREと考える金額

先月、小規模ながら調査してみました。
協力してもらった方は28名。

FIREで目指す配当等年間収入はどれくらいと捉えているか。

一応消えた時のために、結果をテキストで書くと、FIREできたと思える配当所得等の年収は、

 ~300万円 28.6%
 ~400万円 17.9%
 ~500万円 25.0%
 500万円~ 28.6%

でした。

配当収入だけで、私の現時点での給与収入より多い方も多いです。

大きめに見込んでいる人が多いようです。
これは、早期リタイアというリスクに対し、安定を得るために高めに見積もったことが要因だと思っています。

FIREにたどり着くために

必要資産と、必要資産を得るための運用成績と積立額はどの程度か考えてみましょう。

必要資産

FIREにたどり着くための資産はどの程度必要か。

計算式は簡単です。
配当利回りのみで年間収入を得ることが出来た場合、

   必要な年間収入 = 必要資産 × 配当利回り

 → 必要資産 = 必要な年間収入 ÷ 配当利回り 

となります。

したがって、例えば、

年間400万円配当収入を年4%の利回りで得るためには、

 400万円 ÷ 4% = 10,000万円(=1億円)

となるわけです。

年間500万円超を仮に600万円と置き換えると、

 600万円 ÷ 4% = 15,000万円(=1.5億円)

となります。

積立額と運用成績

Excelでも作成は難しくないですが、わかりづらい方のためにシミュレーションページを掲載。なお、配当などの場合は20%程度の税金が生じるので、表面の運用成績は5%です。

楽天証券「積立かんたんシミュレーション」を利用しました。

①30歳から30年かけて年4%で積み立てると、
 月額14.5万円です。

②65歳定年として35年と考えるなら、
 月額11.0万円です。

③リスクをとって、税引き6%の利回りを続けられたとして
 月額7.1万円必要です。

早期引退しないで積み立てても、中々の積立額と運用成績が必要とされることがわかります。

不可能とは言いませんが、45歳でFIREを目指すには非凡な成績が必要です。
その成績を上げられれば、FIREで用いる運用成績の「4%」はもっと高めで済むため、資産額はもっと少なくても達成できると思われます。

また、子に資産を残さず使い切る戦略ならば、資産を少なく済ませることが可能なので、現実的なところだと30年(95歳)で積立を使い切る計算をするのが妥当なところだと思います。
シミュレーションは、結構複雑になるので今回は割愛します。
(年金支給額と死亡年齢を考慮しなければならないので折を見て計算してみます。)

まとめ

大事なのは3点。

・FIREに必要な収入は、年400万円として1億円の資産を必要とする
・1億円を積み立てるために、35年積み立てて年4%(税引き後)で運用する場合、
 毎月11万円(賞与考慮せず)の積み立てが必要なので早期でFIREを目指すのは中々大変
・現実なところで、資産を取り崩しながらFIREを計算するべき

FIREを達成できる運用成績の人は資産が少ない段階から十分FIRE可能という考え方になります。
投資リテラシーを成長させながら資産を積み上げていくことが大切です。

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