学資保険なんて要らない

リュウです。

若干、投資・FPっぽいテーマというところかな。
我が娘の将来の学資のための貯蓄を検討したことを今回は書いてみたいと思います。

いくつかの候補があったため、整理しました。


※今はなき津軽今別駅(H28.3から新幹線の「奥津軽いまべつ駅」になりました)H27.11

結論から書くと、我が家では、

 ・私と妻で1万円ずつ積み立て
・児童手当は全額積み立て
・ジュニアNISAを使わず有価証券に投資
・配当再投資
・運用リスク以外のリスク回避として用いるのは生命保険

にしています。

結局、銀行の低金利をあてにしたり、学資保険を利用したり、
他人に投資を任せたりはしませんでした。

●目次
1.積立型の預貯金
2.学資保険
3.投資運用(ジュニアNISAを使うか使わないか)

1.積立型の預貯金

銀行に毎月決まった日に固定の金額を積み立てていく仕組みです。
ゆうちょ銀行の積立貯金が有名どころでしょうか。

●メリット
・強制的に貯蓄が可能

●デメリット
・金利がつかない
・一定期間解約不可能
・死亡リスクに対する手段がない

・強制的に貯蓄が可能

どの辺をメリットとしているのかわかりませんが、
金融機関は好んで、「強制的に貯蓄」という言葉を使います。

毎月給与が入ったら、貯蓄分をよけておけばいいだけだと思うのです。
「自己管理ができないあなたたちに代わって、積み立てますね。」と言われているように聞こえて、
釈然としない内容だといつも思います。

・金利がつかない

金利は、つきません。
物価が上がっても、金額はそのままと考えてよいでしょう。

「金利が普通預金の10倍あります。」というような金融機関の宣伝を受けることがあります。

普通預金0.001%/年が、積立定期0.01%/年となってどの程度メリットがあるのでしょうか。

100万円を預けていて、全者なら年間7円(7.9685円)、後者で79円(79.685円)になります。
この利回りを知って、「10倍も金利がつく。やったー!」とは思わないと思います。

・一定期間解約不可能

そして、積立定期は基本的に半年は解除できません。
定期預金ほどではないですが制限が係ることを見越すべきでしょう。

・死亡リスクに対する手段がない
次の学資保険と比較すると、死亡した時の保証がないことは気をつけるべきだといえます。
どうしても定額・定期預貯金を利用するならば、生命保険が妥当なところだと思います。
明らかに元本割れとなりますが、やむをえないでしょう。

2.学資保険

そこで次の案として出てくるのが「学資保険」

学資保険と自分で投資をするのと検討したのでここは細かく書きます。

結論としては、若干ではありますが積立預貯金より有利といえるでしょうか。

学資保険という言葉にうやむやになりますが、
仕組みとしては「積立がある生命保険」と捉えるとよいでしょう。

保険会社によく載っているメリットとデメリットを並べてみました。

●メリット
・強制的に貯蓄が可能
・普通預金よりも金利が良い
・生命保険の代わりになる
・医療保険の代わりになる
・入学祝い金・満期給付金がある
・所得控除を受けられる

●デメリット
・原則的に子が15歳~18歳くらいになるまで解約不可
・中途解約をすると手数料で元本割れ
・医療保険は受取額から控除されている
・入学祝い金・満期給付金

では、それぞれ解説していきましょう。

・強制的に貯蓄が可能
・普通預金よりも金利が良い

「強制的に・・・」は略します。

 

普通貯金より利率が良いことについて、保険業では【予定利率】という、
積み立てた額に対し資産の運用により増えることを見越した基本的な利率を設定しています。

現在の利率は「0.25%」です。普通預金の利息は概ね「0.001%」くらいです。
100万円預けると2,500円です(参考:税率20%なら2,000円)

税引き後で0.2%だから、「普通預金の200倍の金利だ!」と思う人は、あまり居ないと思います。

参考までに18歳まで17年間運用した場合、
1.002^17=1.0345・・・ →1.035、よって3.5%増える程度です。
100万円をずっと預けて17年で35,000円。利回りとしてはゼロに近いものとなります。

・生命保険の代わりになる
死亡したら、それ以上積み立てなくて良いという制度です。
我が家の大黒柱が急に死亡した場合など、学費を払えるために加入すべきだという声もあります。

一見良い制度に見えますが、同等の「生命保険(定期保険又は所得保障保険辺り)」に加入すると月2,000円程度で済みます。
(20代ならば1,000円程度)
終身保険等と比較する必要はありません。子供が成人するまでの18年の保証のための制度なので。

・医療保険の代わりになる
病気になったときにお金が出るように医療保険の特約がつけられる(もしくはついている)場合があります。

これは、単に「学資保険の積立から医療保険を払っているだけ」なので、
別に医療保険に加入しているのとほぼ変わりません。

個人的にはメリットすら含めたくないところです。

・入学祝い金・満期給付金がある
積み立てたお金から、特定の時期にお金が出る制度です。

これも不思議な制度で、自分で積み立てたお金を出しただけなのに、給付といっている制度です。
当たり前ことをありがたがっているように思えます

・所得控除を受けられる
これが唯一のメリットといえるかもしれません。
生命保険良控除のうち、「一般生命保険料控除」に該当します。

法人と違って、制限が低すぎてそれほど価値は見出せませんが、
所得税で4万円、住民税で28,000円の所得控除を得られます。
税金換算で、所得税10%区分で6,800円程度です。

とはいえ、他の生命保険に全く加入していなければ、メリットは僅少のため、

あまり強調していない保険会社も多いでしょう。

●デメリットについて
・原則的に子が15歳~18歳くらいになるまで解約不可
・中途解約をすると手数料で元本割れ

祝い金などを除き、18歳までずっとお金は出ません。
ひたすら積み立てて行くことになります。仮に途中解約をすると「手数料」という費用でお金が減ります。

「手数料」というのは、何の「手数」なのか不明ですが目減りします。
万一お金を出そうとしたら、預けた額ほど返らなくてがっかりすることになると思います。

あとの2つのデメリットは、メリットの部分で説明したとおりです。

3.投資運用(ジュニアNISAを使うか使わないか)

そこで、定額・定期預貯金、学資保険がいまいちパッとしないため、
自分で投資するしかないと思いました。

メリットとデメリットは表裏一体、「損益は自分の運用次第」です。

あとは、配当利回りが前者よりかなり大きいことです。

銘柄を選べば配当は3~4%程度、不動産REITなどは5~6%程度です。

(なんと、「普通預金の3000倍です!」って、しつこいか。)
とはいえ、配当だけでも、学資保険や預貯金と比べるとまともに見えてくる利回りです。

そこで、有価証券での運用を検討します。
娘の口座のため、選べる選択肢は2案あります。

 ①ジュニアNISAの対象にして投資をする
②ジュニアNISAを使わないで投資をする

結論は後者なのですが、一旦理由を整理して行きます。
ジュニアNISAの制度を整理しましょう。

ジュニアNISAとは、
 ・2016年から始まった未成年者(0〜19歳)向けの少額非課税制度
・年間80万円分の非課税投資枠から得られた譲渡益や分配金・配当金に対して税金が非課税

という制度です。名の通り、子ども用に準備されたNISAの制度ですね。

次にメリット・デメリットを整理しましょう。

●メリット
・譲渡益、配当金は非課税となる
・明らかに子の口座となるので、教育資金の贈与の際にわかりやすい

●デメリット
・18歳まで原則出金不可
・損失が生じても、通常の譲渡所得(株式等、配当所得(上場・分離))相殺できない
・損失が生じたまま一般口座に移すと取得価額が下がったままになる
・基礎控除が使えない

NISAの特性と、ジュニアNISAの固有の特性を整理しましょう。

・(メリット)譲渡益、配当金は非課税となる
・(デメリット)損失が生じても、通常の譲渡所得(株式等、配当所得(上場・分離))相殺できない
・(デメリット)損失が生じたまま一般口座に移すと取得価額が下がったままに

NISA口座(少額投資非課税口座)は、通常の株式の口座と異なり課税上(口座的にもかな?)独立しています。
利益が出ても非課税、損失が出ても無かったことにされます。

書籍や証券会社は、「利益が出ても非課税」をこれでもかと宣伝していましたが、
損が出たときのことをあまり説明していない印象を受けます。

損が出ても、課税上のメリットはないのです。
しかも、損が出たまま期間経過をすると、取得価額が下がった状態で計算されるので、

例えば100万円分の株を買い、60万円まで下がってから期間を経過した場合、
NISA口座から戻る時60万円で株式を買ったことになります。
その株式が100万円に戻ると、40万円の利益として所得税法上扱われ、81,260円(20.315%)の税金がかかります。

一応、ロールオーバーという方法で数年間は、NISA口座のまま保持できますが、
非課税と損失相殺不可は表裏一体ということを忘れてはいけません。

・18歳まで原則出金できない
これはジュニアNISA固有の特徴です。

また、学資保険と似たように18歳まで原則出金できないデメリットがあります。
お金が固定されるのは、非常に不便な制度ですね。出金できてもいいと思うんだけど・・・。
なお、「原則」とあるように、国等の制度だけあって災害等の場合は例外的に出金可能です。

・基礎控除が使えない
そして、ジュニアNISAを検討している時にふと気づきました。

「社会人と違って、NISA使わなくても十分非課税じゃん」

所得税では、基礎控除で38万円まで非課税(所得税法86条)
住民税は、所得125万円まで非課税(未成年の人的非課税、地方税法295条1項2号)
(住民税の均等割非課税は、殆どのケースで未成年非課税の方が有利なので略)

と、結構株式配当で控除できる額にしては大きな額を非課税にできるわけです。

38万円分の配当を貰うために、幾らくらいまで積み上げられるかというと、

配当(分配金)が
 年2%なら  1,900万円(380,000/2%)
年3%なら 約1,267万円
年4%なら   950万円
年5%なら   760万円

までは、資産を積み立てても非課税です。
700万円くらいまでは、ジュニアNISAなどを使わずとも、受け取った配当から源泉徴収された税額は確定申告で全額返ってくるわけです。

 

したがって、ジュニアNISAは、

 「子供のためにある程度大きな資産(1000万円程度)をそこそこの利回りで運用したうえで、

  なお非課税枠を使いたい人のみ有効な投資方法」であるといえます。

要は、「基本的には必要なし。」

もっとも、大金持ちなら有効に見えるようで、

一定額でNISA枠をすぐに超過するでしょうから、中々使い道に困る制度ですね。

●まとめ
上述の通り、我が家では毎月の積立と、児童手当を有価証券投資に使います。

ジュニアNISAは使いません。

特定の安定した配当と経営成績の銘柄(配当が大目の大会社系、又はREITあたりですね。)に投資、配当を再投資し、積み上げるスタイルで十分だといえます。

最後に死亡のリスクについては、生命保険のみ加入。10年定期保険(1000万円)です。
10年後に保険額を減らせばいいか(500万円見込)と思っています。
逓減型の生命保険(収入保証保険等)がよりきめ細かいかもしれません。

 

子供の学資に対する貯蓄の方法は、個々人で異なるかと思いますが、
予定利率が低い今の時代、学資保険は若干ボッタクリ感がある制度です。

利回りがそこそこ(予定利率3~4%くらいですかね)で、かつ運用に自信がない人ならば見込みがありますが、
ここ20年で予定利率が3%の時代は想像しがたいところですし、今からやる方は低い予定利率で運用となります。

基本的には18年お金を積み立てるだけの制度になるのでオススメできません。

久々に投資のことに触れた感じです。
もう少し投資関係も書きたいところですね。

参考になれば幸いです。
 

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コメント

  1. […] なお、学資保険はおすすめしません。学資保険については「学資保険なんて要らない」の記事を参考にしてもらえればと思います。 […]

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