(397回)再:フィッシャーの「超」成長株投資(その5)

おはようございます。

リュウです。

今日も、フィッシャーの成長株投資法の続きを考察していきます。

フィッシャーの「超」成長株投資 フィリップ・フィッシャー

前回は第3章の7~9までを解説してきました。

7 良好な労使関係をい築いているか

8 管理職の能力を引き出すような環境をつくっているか

9 管理職レベルの優秀な人材が豊富にいるだろうか


良い労使関係を傷いる会社は、

転職率の低下から、社員の訓練をする必要が少なくなり、

効率の良い生産を行うことができます。

労使関係を確認するには、社内(労働組合)の人と話すこと、給与体系、転職率に注目します。

また、労働者だけではなく、管理職と経営者との関係も重要です。

ワンマン経営の社長ではなく、

後続の管理職が経営者に育っていける環境が成長する会社には必要です。


管理職や労働者の意見を採用できる環境、

(本当に質が低い場合を除き)外部からの登用のみならず、

社員を経営幹部へ採用する。

といったことを行っているかどうかを見てみると、

管理職と経営者のとの関係がわかるかと思います。


10 しっかりとしたコスト分析と財務管理を行っているだろうか


成長する企業はコスト管理をしっかりと行っている。

生産にかかるコストがしっかりと最低限で納められており、

高い利益率を上げることができる会社。

高成長を維持するために大切なことです。

ただ、気をつけなければいけないことは、

過去の日記にも書いたように、


「利益は、ある程度水増しや少なく計上できる」


ことです。

フィッシャーは、このことを危惧しているためか、

「しっかりとした経理がいる会社」程度に理解しておけばよい。(P102) としています。


もっとも、保守的な財務諸表を堅持している会社は投資価値が高い。

ということは間違いありません。

11 他社との競争を勝ち抜くために、企業運営の面で必要な業界特有のスキルを十分に備えているか。


競争力がある何かを持つ。

競合他社と比べて大きなアドバンテージを持つことが業界で優位に立つことができます。

優位に立つ特徴としては以下のようなものがあります。

・製造技術

・販売網とサービス組織

・得意客

・消費者に関する知識

というようなものが、特許より大きな力になるとしています。

ほかに、

「のれん(ブランド力)」、「コスト管理」などが当てはまると予想します。

競争力についても、「聞き込み」が大きな力を発揮します。


「競合する他社と、御社との違いは何か。」

というのは、直接聞き込みをした方が詳しい情報を聞くことができるでしょう。

さて、「特許」についてなのですが、

フィッシャーは余り快く思っていないようです。

特許に頼らずとも、「常に他社より進んだ技術力」を持っていることで、

より強い競争力を持つことができる。

そのため、特許のみに頼ってしまう会社は競争力が弱いと判断しているようです。

※わたくしが個人的に考えると、「特許」は知的財産権の時代になるにつれ、

コピーがされやすく、似た新製品が生まれやすくなってきたため、

期間が長く、独占力の高い産業に関しては「特許の価値」はあると思います。

ただ、特許は期間があるので、優れた開発力や営業力が必要なのは言うまでもありません。


12 収益に対して長期的な展望を有しているか



フィッシャーは、

短期的に爆発的な成長力を持つ会社ではなく、

長期的な成長株を求めています。

では、目先の利益ではなく、長期的な視野を持つ会社を判別する方法は何か。

本書では、「顧客と仕入先との対応」に注目しています。

短期的な視野の会社の場合、取引先との厳しい価格交渉を行います。

しかし、長期的な視野の会社は、

例えば顧客への輸送コストなどが大きくかかってしまった場合に、

予定より多く払うなどしています。

短期的にはやや利益が減ってしまいますが、

長期的に見るとこれらが顧客の維持や、品質の確保に役立つのです。

※フィッシャーは触れていませんでしたが、

財務諸表を観る方法などもあるかと思います。

5年、10年と成長の過程を見ていけば、

その会社が保守的に地道に成長をしている会社か、

急速に借金を重ねて拡大した会社かわかるかと思います。


次回は、15のポイントの最終回、

13~15の部分について考察していきます。


フィッシャーの「超」成長株投資 フィリップ・フィッシャー

リュウ

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【今まで紹介してきた本のリスト】

(平成22年9月24日現在 375冊 / 397回

 あなたの読書の役に立てるとうれしいです。

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