リュウです。
3連休も中日です。
今日は家にこもって雑務です。
片付け、1年間の投資の運用成績(9月30日基準、法人ではないですが、始めたころの基準です。)の整理、冬装備カーペットなど、株主優待券の売却、貸会議室の画像を手直しと、サボっていたところを整理する日です。
明日は、娘と横浜のアンパンマンミュージアムに行ってきます!
さて本題。
先日、モロトメジョー税理士と話をしたところですが、同時期にやはり横浜で活躍中のひとり税理士である、戸村涼子税理士と話をしてきました。
戸村さんは、「仮想通貨」について人気の税理士で、ひとり税理士さんのなかでもかなり有名な方のようです。
単独著作の本も出版している方で、中々の手腕を持つ方と言えます。
なお、仮想通貨については、自分は取引環境までは整えましたが、その頃のリップルとイーサリアムが過去3ヶ月に高騰していたので手を出さず止まっていました。
最近、価値がほどほどに落ち着いてきたので、すこし知識を深めること、決済などに利用してみることを目的に購入して見ようと検討中です。
モロトメさんのときと同様、戸村さんの専門である仮想通貨の話について、投資価値、税務上の取扱など、気になって仕方なかったのですが、それは別のセミナーでみんなで受ければ良いとして、今回は「ひとり税理士としての独立」を目的とした軸足で相談をしています。
質問の内容はほぼ同じですが、視点が大分違ったのでこれも整理していきたいと思います。
※跨線橋から列車に手を振る我が子(2018.11)
もくじ
1.独立まで
2.独立後
3.今後の展望
1.独立まで
(1)会計事務所の見つけ方
現状会計事務所は、若干人手不足の模様です。原因としては、事業の性質上従業員(特に有資格者)の平均年齢が上昇しており、所長、従業員ともに人員が不足気味であるため30代後半でもしっかりとした目的があれば十分可能性がありそうです。(10年前なら35歳を超えれば転職は無理なんていう時代もありましたけどいい時代です。)
戸村さんは事業規模により、高年齢の学びに適した税理士事務所を分析してくれました。
①小規模すぎる事務所
従業員が2、3名、それこそ夫婦などでやっていたりする規模の税理士事務所について。
特定の人の権限や発言力が偏っているため、事務所により何も出来ない、又は教えてもらえないリスクがあります。
②大規模すぎる事務所
数十人の従業員が居るような税理士事務所(法人)について。
全体を学べないことがリスク。専門知識が身に付くというメリットもある。
戸村さんは、国際税務を大規模の税理士法人で学んだそうです。
そのためか、今の仮想通貨等の税務処理などに長けていると思われます。
ただ、独立に向けて、ここでの経験が、独立を数年遅らせることを見込むため、新卒だったら最高に良い環境だったんだろうなぁと、個人的には思うところです。
30代後半にはリスクと思えます。
③学びに適す事務所は・・・
したがって、その中間を目指すことになります。
「従業員数規模5〜6名」、「所長ができれば若い人(例えばクラウド税務などの新しいことに取り組みやすい環境)」が良いとのこと。
イメージとしては「町の税理士事務所」というところのようです。
④その他のみつける基準として
イ.客も従業員も長く関われる
それだけ客や従業員に信頼があるため良い事務所である裏づけになると思います。
ロ.面接のときに会社の雰囲気をみること
面接のときに、従業員の様子や相手への態度などを見るだけでも結構情報を得ることが出来ます。(これは就職活動でも共通するところですね)
(2)独立までにしておくと良いこと
戸村さんがサラリーマンとして就業中に勧めるのは、独立後に有利(もしくは早く展開するための)営業活動がメインのようでした。
①ブログが役立つと思う
ひとり税理士の方は、井ノ上さんの影響もあると思いますが、ブログで活動、営業、自分の特性を表現している方が多いです。
なお、戸村さんのブログを「書く」という回答にも同意ですが、個人的にはそういう方のブログを「読む」だけでも勉強になりますね。
あと、自分でも独立できるんじゃないかと思えてくるので良いと思います。
②HPも早めに作るべし
WordPressで作れるようです。
私は、大学院関連の記事を書くために、テスト的にWordpressを試作してきましたが、そろそろブログを見やすいようポータル等で整理し、ホームページとして、プロフィールを載せる場所として、しっかり作り込むときが来たのかもしれませんね。
③元の職場や客を大事にしておくべし
戸村さんも、もともとの働いていた場所、学んでいた場所などからクライアントがつくことがあったようです。(板倉さんもそう仰っていたのを思い出します。)
準備というのもそうですが、仕事に手を抜かない、人間関係も作っておく、税理士として独立と言わないまでも、「税に詳しそうな誠実な人」というイメージを持ってもらうための会社内の営業をしておくといいのかもしれません。
④名刺はすぐ作る
これは独立後(少なくとも資格取得後)でないと無理ですが、税理士と名の入った名刺は税理士になったらすぐ準備しておくべき。
今、作ると税理士法で罰せられます(税理士法53条)
⑤お礼状など
独立の際に「お礼状」などで営業しておくのも効果があるようです。
③と関連しますね。
(3)金銭面について
実績がないと借りづらいのに対し、創業融資は見込みで借りられる可能性があり、余裕を持つために(後述)重要です。
自分は、あまり融資面はまだよくわからなないんですよね。
なお、他の方もそうでしたが、独立に200〜300万円は準備したとのこと。
(4)家族の同意について
生活(レベル)に影響することなので、配偶者が気にするのは、「具体的な見込み(主に収入、他にも子育てのための時間などもあるのだと思う)がどの程度あるか」ということ。
具体的な創業計画を立てプレゼンするつもりでいきましょう。
2.独立後
(1)金銭面は余裕を持つべし
何気なく戸村さんから言われた言葉ですがここが印象的。
「余裕がないと攻めに出ることすら難しくなります。」
ということです。
どの事業でもそうかと思いますが、経営するために、毎年かかる経常経費は少なくあるのに加え、「手元にある程度のお金があるのが望ましい」です。
金銭面にあまりに余裕がなさすぎると、遠くに営業に行くかどうか、イベントに参加するかなども躊躇するようになり、事業に影響を及ぼす可能性があるため、資金ギリギリで始めるのはリスクが高いといえるわけです。
なお、経常経費は少なくて済むようです。
事務所の賃貸コストが負担が大きいため、最初は無理に置く必要はないようです。事務所を置くメリットは都市圏では少ないと思われます。(なお、地方だと看板があることが宣伝になる&コストが安いので戦略は異なる模様)
(2)経費関連
初期経費の概要として、以下のものがあったようです。
・登録費用15万
・クラウド会計月数千円
・PC 10万円程度
・名刺 数千円程度
・ドメイン取得 月数千円
・商工会 年15,000円程度
したがって、初期費用30万円程度で開業可能とのこと。
前回も書きましたが、小売などと比較しても少ない規模からスタートできるのが強みですね。(ホリエモンこと堀江貴文氏も資本は少なく始められるものが良いとどこかで言っていた覚えがあります。)
なお事務所がない場合、クライアントの打ち合わせは法人の事務所や喫茶店、ホテルのラウンジなどでできるのでそこまで心配は要らない模様です。
従業員がいると、自宅兼事務所という方法については、考え方が変わってきそうではあります。
(3)ゼロからのお客さんを見つけ方
・税理士会に協力すべき(特に初期は重要)
租税教室、申告指導など、所属税理士会のイベントをこなすことでクライアントがつく場合があるようです。また、法人、海外税制関連をしていた戸村さんにとっては、所得税法の実務経験が積めたという副次的効果を得られた模様です。
・商工会(同様)
セミナー講師、申告指導など、税理士会と重複するものはありますが、やはり地元支援として活動することにより名を売ることが可能です。下積みはある程度重要なのかもしれません。
(4)やらなくてよかったと思ったこと
やらなくてよかったと思っていることとして、「他の事務所の請負」を挙げていました。
下請けとしての記帳等の単純作業が多く、事務所経営をするための経験が積みにくいところが難点のようです。
(5)売り(長所・特技・違い)を見つけるためにしていたことは・・・
①今までやってきたことを軸に考えると良い
戸村さんは、法人の経理、大規模税理士法人での国際税務などに関わってきたこともあり、その辺りを重点的にやったそうです。
あとは、自分が好きで始めたという「仮想通貨」関連で、爆発的な支持を得ることが出来ました。とのこと。
「自分が好きで始めて、それをブログにしたことで、見に来てくれる人が増えた」と仰っておられました。
自分も好きなことなんだろう、と模索してみようかと思います。
それが相手に必要な知識だとすれば、ビジネスチャンスになるかもしれませんね。
②ITであったり、海外税制であったり、仮想通貨であったりの専門性
はじめてネットからお客さんがついたときにいただいた言葉が「ITが強そうだから」だそうです。
プロフィールにも書いていたようで、「違い」もそうですが、自分が持つ「強み」をアピールする意味はありそうですね。
(6)クライアント数及び報酬について
現在、顧問は10件程度、ひとりで持つには多分15件が限度とのこと。
他の方も仰っていましたが、ひとりでやるには他のこともやらなければいけない関係で、顧問を持つなら20件くらいもつとパンパンのようですね。
スポット(単発という意味でいいのかな)の(例えば確定申告のみなど)のお客さんも同数と若干多めとのこと。ここについては顧問契約が良い、スポットが良いということについての比較はされていませんでした。
3.今後について
(1)AIと税理士
戸村さんにとってAIとは、「してくれる」ツールとのこと。
2045年問題などありますが、当面はコンピュータを活かす時代であると思っているとのこと。
この言葉について、裏を返すと、税理士として経営するためには、「してくれる」ツールを使いこなせることが必須であると感じました。
(2)AIが代わりになりやすいものなりづらいもの
①代わりになりやすいもの
AIの特技として、「限られた条件の中での高速化」は、どんどん進んでいくと思うとのこと。
昔は、専門性があることが「違い」であり「強み」だったのに対し、今後、専門性はコンピュータに取って変わられる時代が来るのでは、と予想しておられまし
私は、今のところ、税務は専門性こそ重要と思っていたので、AIに向けてやることを少し考え直す必要があるのかなと思っています。
②代わりになりづらいものは・・・
クライアントと一緒に考えることを挙げていました。
キーワードとしては「人間力」。
クライアント(社長さんなど)に対し、宿の女将さんのような細やかな配慮等が重要なのではないかと思うと仰っておりました。
これらを加味した上で、税理士業がAIが発達下としても、消える仕事とは思えないとのこと。
ただ、既存のやり方をそのまま続けているから生き残れるかというとそういう時代ではない、ということを暗に仰られているように思えました。
●まとめ
・会計事務所は中規模のものを探す、面接のと金会社の雰囲気をよく見ておくこと
・ブログ・HP作成・今の職場での立ち回りなど、営業的なものは今から始めておくのが吉
・お金には余裕を持ってはじめること、余裕のなさは事業の成功に影響を及ぼす
・小規模で事務所を持つ必要は必ずしもない
・税理士会の応援、商工会の支援などは下積み期にはやる価値は高い
・ただの作業の下請けは極力避ける
・「違い」(強み)は自分の好きなことから見つけることも可能
・AIの時代の税理士は、AIを活用できることは前提。人間力のある税理士を目指す。
相談を平日の朝イチから行っていただき、
無茶な相談をさせてもらって本当に感謝しきりです。
ひとり税理士さんに何人か会ってきましたが、なにがしかの必殺技(「かめはめ波」とか「気円斬」とかみたいなもの)を持っていて、カッコいい税理士の方が多いですね。
私もまずはスタートを切れるように動かないといけません。
営業活動なら今でもできそうなので、プロフィールとホームページの作成から始めてみようかと思います。
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