【本】ファンドマネージャーの株式運用戦略

今日読んだ本は、
先日読んだ、「1000億を動かす! ファンドマネージャー塾」より役立つ本です。

●ファンドマネージャーの株式運用戦略 渡邉幹夫 著●

この本は、投資家(ファンドマネージャー)が実際に投資を行っていく際、
戦略として使われる、いくつものの指標や条件選択の中で、
有効性を検討した本です。

外国だと、ジェレミー・シーゲル博士の「株式投資の未来」という本に近いです。

統計数が15年分くらいなので、
シーゲル博士の100年分と比べるとやや分量は少なめですが、
それでもかなり戦略が練られています。

大きく分けて4つの戦略について考察されています。

・テクニカル分析

・アービトラージ(裁定取引)

・ファンダメンタル分析

・投資家心理

どれも有効性についてよく考察されていて、
かつ、どの分析でも、「この戦略は使えない」とするのではなく、
「どういう条件で有効か」まで考えられています。

個人的には、バフェットを追っているため、
ファンダメンタル分析が好みなので、そちらを詳しく読みました。

この本の役立つところをピックアップします。

・低PBRがバリュー株、高PBRがグロース株である

・PER・ROEをもとに投資をすると効率が悪い

・低PBR(特に一時的に下落して低PBRとなったもの)の株式に投資すると勝率が高い
・高PBRは、株価の大幅な下落をしやすく、急激な上昇をしづらい
・資産には裁定が働く

高PBRについては、
すでにグロース株としての評価が織り込まれているため、
売買による利益を得づらいとのことです。

かつてのバフェットは、
「ものすごく安い、並みの企業を買う」戦略でした。

最近は、「並みの値段の、ものすごく優良な企業を買う」戦略にシフトしているので、
どちらかというとグレアム先生や初期のバフェットの戦略が近いのかもしれません。

ただ、この本だと配当金には触れていないため、
高ROEで割と多く見られる高配当については考察されていません。

この作者さんは、ものすごくよく研究されているため、
もっと深い本を読みたいものです。

研究期間の統計を30年分、
配当戦略も意見としてあげて欲しい、
新刊が出た時点ですぐ買うようにしようと思っています。

ものすごく良い本です。

この本の中で自分の有効な戦略を探し、
そのルールに逆らわず投資をはじめる価値のがある本です。

オススメします。

なお、競争力が強く、高ROE、低PER、低PBRという条件が並存しないわけではありません。

全て両立する企業も稀にありえるため、
その企業に投資をすれば、ROEやPERも十分有効性の高い指標になるかと思います。

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