リュウです。
今日から第14章、ようやく最終章。
「株式市場の愚かさを利用せよ」についてです。
No.111
株式市場は見逃し三振がない野球の試合に似ている。
すべての球をスイングする必要はない。
狙い球が来るまでいくらでも、
ストライクを見逃すことができるのだ。
しかし、君が資産マネージャーなら話は違ってくる。
観客席のファンから「スイングしろよ、怠け者!」
とひっきりなしにどやされるからだ。
資産マネージャーは短期間で結果を求められます。
しかし、成功するために必要なのは、
良い企業と価格を見つける「目」。
そして、いい価格で手に入れるまでの「忍耐」、
手に入れた後の上昇を待つ「忍耐」。
この2つが必要だということが、
今までの110回の教訓でわかるかと思います。
今回は、2つ目の「忍耐」についてです。
あなたは、良い企業だけど手を出そうか迷ってるうちに、
値上がりした経験はないでしょうか。
わたしは多々あります。
割高かと思っていたらさらに上がっていった。
バブル期などでも良く見受けられます。
バフェットもおそらく、そういうシーンを多々見てきたのではないでしょうか。
しかし、彼は全然気にすることはないでしょう。
投資という環境は多々チャンスがあり、
たとえ見逃しても、また新しいチャンスがあります。
これについて今回の教訓では、
野球の狙い球を待つ心境で表しています。
野球はストライクが3つでアウトです。
しかし、投資では見逃しのストライクは3個取られても大丈夫。
当然10個とられても、100個とられても・・・。
しかし、これが打ってしまうとアウトになる場合があるのです。
だから、バフェットは、ホームランを打てるたまにしか手を出さず、
後はじっくりと見逃すのです。
では、個人投資ではなくファンドマネージャーだとどうなるか。
お金を預けてくれたスポンサーが、「早く打て、打て!」とせっついてくるのです。
そのため、短期的な思考になり、
成功する投資ですら成功できなくなってしまうのです。
バフェットは、ファンドマネージャーになったとき、
時々投資家たちに忠誠心(というと言い方としては不適切かも知れない)を、
確認することがありました。
1970年ごろの上昇景気真っ只中で、買う企業がなくなったときに、
投資団体、バフェットアソシエイツをいったん解散したエピソードは有名です。
その際に、投資家たちには、
バークシャーの株式か現金か選べるような方式をとりました。
これは見ようによっては、バフェットの心遣いもありますが、
彼の自伝、スノー・ボールを読んだ感じだと、
どうも必ずしもそうではないようです。
バフェットとしては自分自身、
自由な形で投資をしたいと思っているようで、
それを信じてついてきてくれるような方をスポンサーにしたいようです。
ですから、バークシャーA株は分割しないし、
(ほかにB株という流動性の高い安く変えるバークシャー株がある)
それについてきてくれる方に対して報いることができるよう長期的な投資を行っています。
わたしが将来ファンドマネージャーになるとしたら、
長期的な投資を許してもらえる環境で行いたいものです。
毎回球を振っていたら、
バフェットですら打率は低いものになっていることでしょう。
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リュウです。
今日は第112回。「歴史から学ぶこと」について。
何度バブルを繰り返しても、
「投資家」ですら冷静にならず、
ファンダメンタルからかけ離れた「相場」に手を出し市場から姿を消すものが居る。
バフェットは、株価が上がりすぎている状態のときは市場に近づかない。
逆に、株価が十分に下がったと判断できたとき、
それまでに調べていた企業に対して投資の検討を始める。
良い企業を安く買うことが最も重要で、
後はじっくりと保持すれば、
おのずとあなたに利益をもたらしてくれる。
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リュウです。
「相場との付き合い方」です。
No.113
株式市場の乱高下は、
敵とみなすのではなく、友人とみなしたほうがいい。
また、愚行は参加するものではなく、利用するものである。
株式市場は獣のようなものであり、
短期的予測のみを根拠に取引を行う。(P200)
市場は理性的ではなく、
実価値から離れた高い(安い)価格がつけられることがある。
長期的価値が高い企業でも、
短期的な経済状況の悪化、
一時的な不況などにおいて格安で取引されることがある。
また、必要以上に高い価値で取引されることもある。
1973年の暴落時に買ったワシントン・ポスト、
1987年の株価暴落時に買ったコカ・コーラ、
1990年の金融危機に買ったウェルズ・ファーゴ。
すべてもとの所有者が不要と手放したときに購入しているものです。
バフェットは、これらの本当の価値に気づいて、
それより安い価格をつけたとき、力強く買い占めています。
暴落は良い買い場の提供、
バブルは、時に売る場所の提供となります。
乱高下は、株式市場の不安要素ではなく、
むしろ友として仲良く付き合っていくべき相手なのです。
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リュウです。
今日は第114回。「価格の歪みを狙う」です。
No.114
優良企業が異常な環境下に置かれ、
株価の鑑定ミスが引き起こされたとき、
すばらしい投資機会が訪れる。
優良企業が、復旧可能な失敗を犯し、
株価が大幅に下がることがある。
株価の鑑定ミスを、みんなで起こすことがあるわけです。
このタイミングでしっかりと優良企業を買うことにより、
企業は、あなたを大金持ちにしてくれます。
バフェットが2回目に保険会社GEICOを買ったとき、
同社は倒産の危機の状態だった。
低コストで高収益を謳ってきたGEICOだったが、
事業規模を拡大する際に、保険加入基準を緩めてしまい、
被保険者の質を下げてしまったためである。
しかし、そこから復活できれば、
更なる飛躍ができると考えたバフェットは、
同社の株を買い占めた。
彼がこのとき使った4500万ドルは、
15年間で23億ドルまで膨らんだのである(P203)
重要なのは、株価が暴落した時点で、
・優良企業であるかどうか
・妥当な株価はいくらか
・復活できそうなビジネスであるか
をしっかりと理解していることです。
企業を買うまではしきりに悩むことです。
良い企業を買うことができたら後は上がるのをじっくりと待つだけなのです。
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リュウです。
今日は第115回。「市場の不確実性を生かす」について。
NO.115
長期的価値を買いたいとき、
不確実性はあなたの真の味方となる
平成23年3月11日、東日本大震災が起こり、
先行き不安な投資家が、売りに売りを呼び、
日経平均株価が15%以上下がる事態が起きました。
今後、日本経済はどうなっていくのでしょうか。
そして、その経済が後退している中、
各企業はどう対応していくのでしょうか。
このような暴落事態で、
短期的な取引を行う思考の人は不安のため、
企業を売りに出してしまいます。
バフェットは、デイ・トレーダー(DayTrader)ではなく、
ディケイド(Decade Trader)であれといっています。
Day(1日)、Decade(10年間)、
10年間保持しても良いと思える企業を持つこと。
これがバフェットの投資の根幹にあります。
長期的経済性を持った企業であるかをあらかじめ知っておく。
そして、長期的価値を購入するのならば、
現時点のような不確実性を持った時期に購入する、
というのもひとつの方法です。
あなたが持っている企業は、
10年先も同じ事業を続け、
拡大し続けることができるでしょうか。
これは余談になるのですが、
わたしは、東日本大震災で売った企業はありません。
(幸か不幸か、売る暇すらなかったのですが、)
元々持っていたポートフィリオでは3%損失を出しています。
しかし、震災時に企業を購入したため、
総合ではプラスマイナス0となっています。
株価が元に戻り、
長期的には配当とEPSの成長分でプラスになっていくことでしょう。
特に売るような価格帯ではないので保持し続ける予定です。
どうしても、大地震によって、
近未来が不安に感じられる昨今ですが、
自信を持って生きることです。
あなたが、バフェット流(それ以外にも長期投資の理論)にしたがい、
長期的経済性をもとに企業を購入しているのならば、
目の前の地震をそこまで心配する必要はないかと思います。
株価の下落は、
良い買い場を与えてくれることを忘れてはいけません。
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