タイトルに結論を書いてしまいましたが、今日は小ネタレベルで。
知り合いに、ポイ活(広告をクリックしたりアンケートに答えたりしてポイントを貯める活動のこと。)を勧められました。かくいう私も、10年くらい前にマクロミルというアンケートサイトでポイントを貯めることを2カ月ほどしていたものの、苦痛でやめてしまった思い出があります。
結論から言うと、
「還元率を謳う消費型のお得な制度」
「小金を稼ぐのに大事な時間を割かれるお得な制度」
には手を出さない方が良いということ。
今日のテーマは、「小銭稼ぎに時間をかけてはいけない」です。
クレジットカードのポイントの話
コロナ前の話。
知り合いと焼き肉屋に行ったときのこと。
友「ポイントたまるから、クレジットカードで払わせて」
私「かまわんよ」
お店に出て、コンビニへ。
友「先ほどクレカを使わせてくれたからアイスをおごってあげよう」
私「ありがとう」
友の好意を断る気はなかったのですが、
何となく頭に浮かんだことが、あります。
焼き肉屋では、一人 約3,000円×2人=6,000円
ポイント還元率が約1%なので60円。
アイスは1つ120円だったので×2人=240円
ポイント還元率が約1%なので2.4円
得したのはどちらか。
不幸なことに「アイスをおごってもらった人」です。
こういうミス(若しくは、損得勘定の考え方)をしている人が相当数いるようです。
ポイントカードなども、購入金額の1%くらいポイントが付くものがあり、同様に考えるべきといえるでしょう。
「楽天経済圏」の弱点
次の論点。
「楽天経済圏」という言葉が2020年くらいに少し周辺で語られ、Twitterのプロフなどでも見かけました。最近はあまり聞かず、「改悪」という言葉も聞こえるので、一時期ほど盛り上がってないのかもしれません。
楽天経済圏とは、「日常生活のさまざまなシーンで楽天グループのサービスを活用することです。利用するサービスを楽天に統一することで効率的に楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントを家計の節約にも繋げやすく」なる制度です。
(美人のマネ活 楽天経済圏とは?楽天ポイントを貯めて使ってお得に生活する方法)
上述サイトによると、
・楽天会員:1倍
・楽天カード:+2倍
・楽天市場アプリ:+0.5 倍
・楽天モバイル:+1倍
・楽天銀行+楽天カード:+1倍
・楽天証券:+1倍
(記事の日付から2021.11現在?)
と「加算方式で全体のポイント還元率が上がる」環境になるそうです。
一見トクそうなこのポイント制度、少し考えると疑問を生じる制度です。
●事例検証
楽天以外で買うと1,000円の本があり、楽天経済圏上で買おうか迷っています。
①これを楽天で1,000円の本を買った場合
1,000円×6.5%ポイント=65円(ポイント)
となり、
1,000円を使うことで、
楽天だと 「本1冊と65円」のポイント
楽天以外 「本1冊のみ」 になります。
楽天でポイントを使えるなら楽天のほうがトクと明らかにわかるケースです。
ところが、
②楽天で買うと1,100円だった場合
1,100円×6.5%ポイント=71.5円
となります。
楽天だと 「本1冊と71.5円のポイント」で、
楽天以外 「本1冊と100円の現金」 が残ります。
どちらがお得か。
「売ってる値段が安いサイトのほうが得」となります。
つまり、「楽天で買うかはさほど重要ではなく、楽天でいくらで売っているか」が大切です。
ポイントを目当てで買う人は、思わぬ高値掴み損をしている可能性があります。
事例は本なので、実際は定価があまり変わりづらいものなので、楽天で得することもあるかもしれません。一方、電化製品などは店舗で10%以上高く売られていることも少なくないため、比較的不利になります。
また、ネットショッピングで、無意識に買う予定の無いものを追加で買ってしまったことはないでしょうか。仮に定価が一緒でも、「余計なものを買ってしまうリスク」があります。
先ほどの友人の「トクしたからアイスでも買うか」という論理と同じです。
したがってポイントを使うことで「価格決定力(要は値上げ)」と「独占力(楽天でしか買いにくくなる)」と「ついでに購入(無駄遣い)」仕組みを作っているわけです。
基本的には楽天経済圏はリスクの方が大きい(無駄に消費する)と捉えるべきでしょう。
アンケートサイト、ポイ活
1、2は、消費により発生するポイントでした。
次に、ポイントをアンケートやクリックなどでためるポイ活というものがあります。
これもあまり割が合いません。
冒頭の知り合いは職場の先輩なのですが、このような「少しお得」系が好きな方です。
ポイ活でいくら儲かったか聞いてみると、
「月4,000円くらい」と言っていました。
さて、ポイ活で月額1万円の利益を出せる人がどの程度いるでしょうか。
アンケート1つで3分目安。
数円~数十円のアンケートになります。
月4,000円稼ぐには、数十件~数百件程度回答しなければなりません。
時給に換算すると数十円~数円程度のものになると思われます。
この手のサイトで「スキマ時間に答えて数千円」という口コミはいくつか見かけます。
一方で「スキマ時間を無駄なく使っても月1万円稼ぐのが大変」レベルの副業だとあまりに非効率です。追加のアルバイトが可能なら、アルバイトをした方がよっぽどお金になることでしょう。
副業(又はアルバイト)できない業界の方や未成年の方でもない限り、このようにポイ活系も効率が悪いといえるでしょう。
10年ほど前は、これらのこまごまとしたポイントが、労働できない学生さんなどにとっては、まだ価値があると思っていました。
一方、今では未成年ですら、Youtubeで(親の同伴のもとの制限がありますが)投げ銭を貰うことにスキマ時間のすべてを割いた方が稼げる可能性がある時代になりました。
したがってポイ活で得する人はかなり少ないと言えます。
月数千円稼ぐくらいなら、月数千円の支出を減らす努力をする方がラクです。
つまるところ、ランチのドリンクバーをやめるだけでアンケート10個分答えなくて良いと考えるという考え方の方が健全です。
ポイ活は、少なくとも今の10倍くらいお金をもらえるようにならない限り、お勧めしがたいです。
(10倍になったらおそらく今のビジネスモデルが破綻すると思いますが・・・。)
まとめ
さて、今日の小話の結論。
これらに共通するものは、「小銭を稼ぐ時間は効率が悪い」ということです。
特に1,2のような「消費型」のポイントは「無駄遣いの誘発」や「高値掴み」をして、かえって資産を減らす原因になります。
しっかりアルバイトや副業をするか、資産があるなら良い投資商品に投資する方がまともな成果が得られます。余った時間をさらなる稼ぎのためにサイトや動画を作ったり、知識を積み上げる方が良いといえるでしょう。
重要なポイントは、
「100円手にするためにいくら使ったか」、
「100円を手にするための時給はいくらなのか」
を意識することです。
きっと効率の悪いビジネスから逃れることが出来ると思います。
人生は時間もお金も有限です。
無駄な時間やムダ金を使って僅かなお金をもらっても仕方ないのです。
趣味やボランティア、ライフワークとしてやるなら良いですが、サイドビジネスとしてやるべきではありません。
記事が役立てば幸いです。
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