バフェットの財務諸表を読む力 3

おはようございます。

リュウです。

今日は、損益計算書で注目すべきところです。

なお、財務諸表は、

msnマネーなどのサイトで「決算短信」という形で入手可能です。

http://money.jp.msn.com/
←株ドラゴン

ここに企業コード(例:マクドナルドならば2702と入力)

左の列に「財務諸表」があると思うので見てください。

さて、財務諸表の見本を入手できたでしょうか。

バフェット氏が注目するのは、まず「損益計算書」です。

損益計算書は、

名のとおり会社の利益・損失があらわされています。

バフェット氏は、利益の金額より、

「どこから利益が出てきているか」に注目しています。

では、まず

・売上高

・売上原価

・粗利益率

について注目します。

●売上高(P45)

売上高は重要だが、

それのみでは会社が良いかどうかを語ることができません。

●売上原価(P47)

売上高のうち、原価がどれくらいかかっているか、

これによりどれだけの利益率が上がっているかがカギとなります。

●粗利益率(P49)

売上高から、それにかかった原価を引くと利益が出てきます。

これを売上総利益(粗利益)といいます。

粗利益率は、

売上高に対して、粗利益が何%あがっているかについて考えます。

つまり、原価が安ければ安いほど、利益が高いわけです。

バフェットは粗利益率がコンスタントにかつ高い企業を勧めています。

マクドナルド(2702)の場合、

粗利益率が2005年から2009年にかけて11%台から、

18%台まであがっています。

非採算店舗の閉店などを行い、

経営の改善が少しずつ実ってきたといえます。

昔、ダイエーが華やかだった頃、

ものすごい売上高を挙げていましたが、原価や販売管理費が高く、

実質で上げている利益は売上高に対してごくわずかでした。

 

そして、現在のダイエーを見れば、

その行動が投資家にとって良いか悪いかはわかるかと思います。

次に注目するのが、営業経費です。

ここから、さらに人件費などの営業経費(P54)を引くことで、

利益がどの程度からわかってきます。

注目すべきは3つです

・販売及び一般管理費

・売上総利益(粗利益)と研究開発費の割合

・減価償却費


●販売及び一般管理費

この販売管理費を粗利益から引くと、

おおよその利益がなくなってしまう会社が多いようです。

販売管理費が低いと、営業利益が高くなります。

しかし、販売管理費が高い・低いも重要ですが、

「安定しているか」が重要になります。

ある程度一貫して販売管理費が低いほうが望ましく、

かつ毎年同じ程度であるべきです。

マクドナルドの場合、2005年はあまり芳しくなく、

86%台だった販売管理費が、

徐々に改善され、現在は粗利益の68%で安定しています。

計算式は、


 販売費及び一般管理費 (合計)/売上総利益


です。

●研究開発費(P60)

フィリップ・フィッシャーは、

ある程度、利益を研究開発費に割くことを望んでいますが、

バフェットは研究開発費にあまりに利益を注ぎ込むと、

利益を失ってしまうと危惧しているようです。

その比率を著す計算式は

 研究開発費/売上総利益


です。

マクドナルドの場合、小売業なので研究開発費はほぼ0です。

薬品業や自動車関連などが高くなりがちなので気をつけないといけません。

●減価償却費(P63)


減価償却費は、目に見えない費用なので、

気にしない人も多いかもしれません。

しかしバフェット氏は「きわめて現実的なコスト」として注目しています。

機械や建物は長期間に分けて損耗していく。

永続的な競争力を持つ企業は、

粗利益に対して、減価償却費の割合が低めになる傾向があるようです。

これは、

「粗利益を上げるために、新しい固定資産や土地を購入する必要が少ないため」

です。

計算式は、

固定資産償却費/売上総利益

です。

固定資産はあまり多くなくても利益を上がる会社が、

優秀な企業だということなのです。

少々長くなったので、

次回は損益計算書の続きを書きたいと思います。

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