SNSである方がおすすめしていた、ディスカバリーチャンネルのドキュメンタリー番組が面白いです。
今日は、自分の起業家精神を燃え上がらせるためにも番組と役立ちそうなことを紹介。
ネタバレにするにはもったいないので、観たい人はリンクを1に張り、2以降にネタバレを掲載。
目次
- 1 90日でミリオネアになるのは簡単?
- 2 学べること(ネタバレあり)
- 2.1 (1)〇日の時点でいくら要るかを整理
- 2.2 (2)ゴミでもお金になるものがある
- 2.3 (3)自分の特技を整理する
- 2.4 (4)仲間を見つける
- 2.5 (5)地元に詳しい人を味方につける
- 2.6 (6)公的起業支援制度を活用する
- 2.7 (7)仲間とともに並行して事業を進める
- 2.8 (8)余裕のないところを見せない
- 2.9 (9)勝負どころを整理する
- 2.10 (10)アクシデントはつきもの、同対応するかが大切
- 2.11 (11)仲間がうまく動かないときに背中を押す
- 2.12 (12)仲間を任命した責任を負う
- 2.13 (13)独自性を大事にした
- 2.14 (14)努力と結果を混同しない
- 2.15 (15)痛みに耐えぬく
- 3 90日、いや90週間でも目指してみたい
- 4 まとめ
90日でミリオネアになるのは簡単?
(1)概要
2作目以降もあるようですが、今回は好評を博したのと、直近で最終回まで公開されていた1作目について書きます。
覆面ビリオネア(Undercover Billionaire)は、
ディスカバリーチャンネルで放送されているアメリカのリアリティテレビシリーズです。ショーは2019年8月6日に初演され、最初のシーズンの最後のエピソードは2019年9月24日に放映されました。ショーはStearnsLendingの創設者である億万長者のGlennStearnsが、ペンシルベニア州エリーでたった100ドル、車とガスのタンクから始まる90日間のコース。
このシリーズは、スターンズがターゲットビジネスを特定し、クルーを集めて支援し、スタートアップ企業に資金を提供するのに十分な最初の100ドルの株式を構築し、 UnderdogBBQという名前のバーベキューレストランを開くときに続きます。
ディスカバリーチャンネルのフィルムクルーの存在は、彼らが中小企業をゼロから構築することについてのドキュメンタリーのために彼を追いかけていると言って説明されました。
(Wikipedia Undercover Billionaireを和訳。)
もう少し簡単に条件を整理すると、
貸金業で財を成したグレン・スターンズ氏が、縁もゆかりもないペンシルベニア州のエリー市に降り立ちます。
手元には100ドルと携帯電話と古いピックアップトラックのみ(あとカメラクルーがいます)で90日間で100万ドルを稼ぎ出すチャレンジです。
アメリカンドリームなんて既に存在せず、金持ちが金儲けをするもんだという常識を打ち破っています。
道のりはとても「かんたん」と言えるものではなかったですが、最高の物語がありました。
(2)作品の良いところ
ビリオネアが名前とコネを使ってミリオネア事業を立ち上げるのは、そこまで難しくないように思います。
一方で、覆面ビリオネア(Undercover Billionaire)では、主人公のグレンがそんな名声や手元資金もなく、自分に縁もゆかりもない土地で(しかも55歳から)始めていくストーリーに感動と学びがあると思います。
学べること(ネタバレあり)
ある意味、一度ミリオネアというゴールを達成したからめどを建てられるのかと思いますが、学ぶという点ではこの番組を見るだけでも十分でしょう。
正直私が挙げた15個の学びすら不足するくらいこの全8回の5時間のストーリーに得るものがあります。
(1)〇日の時点でいくら要るかを整理
グレンは、90日で達成するゴールについて、しっかりと目標を立てています。
①90日暮らすための生活費 3,300ドル(トラックで寝ていてはアイデアも出ない)
→ タイヤの売却で確保
②事業用資金を集めるため、家の転売に必要な1万ドル
→ 車の転売で確保
③事業用資金40,000ドルを集めるため家の転売
→ 若干苦戦したが家の売却
④BBQフェスティバルで25,000ドルの利益を出し、開業資金にする。
⑤あとはひたすら目標ごとに事業へ没頭し、ゴールを目指す
転売用資産が多ければ不動産業でミリオネアを目指しても良かったような気がします。
おそらく、「短期」で、「エリー市のみ」で不動産売買で財を成すのが難しいことと、
「地元密着の事業でミリオネアを目指したかった」という2点でBBQにしたのだと思います。
(2)ゴミでもお金になるものがある
グレンが転売したタイヤなどは、廃工場で捨てられたものです。
みんなが要らないものに意外な価値があることは認識すべきです。
日本の現行法でできるか不明ですが、日本ならせどり(書籍や電化製品など)をするのかもしれません。
いくらでも応用は利きます。
(3)自分の特技を整理する
自分の得意分野を理解していること。
グレン自身は、事業主としての管理能力と営業が得意でした。
自分自身の得意能力を知っておくことが大切です。
そして、次の「仲間を見つける」ために、何を他者に任せるかの人選に繋がります。
(4)仲間を見つける
全てにおいて自分が専門家である必要はないです。
一人で事業をする場合においても、税理士さんなら、社労士、司法書士、弁護士、不動産屋、保険屋など、自分の周辺に専門スキルを持つ人を置くことが必要です。
また、これらの専門家に色々な相談をすることができます。
グレン自身は、リーダーシップ以外にも営業と金策をメインに動いていましたが、
自分でこなせないことは、仲間の労務出資と専門家への有料相談を使っていました。
作品内では、
BBQ:RJ
ビール(のちに全体の管理):マット
広報:クリス・ノリス
板金加工:クリス・トロット
リフォーム:ドーン
というようなメンバーを置き、専門性を持たない部分を補っていました。
(5)地元に詳しい人を味方につける
地元に根付いた事業として、地元に詳しい人を多数味方につけていました。
特に、グレンが円のなかったエリーという都市において、最初にアルバイトをしたRJなどが地元に詳しい方だったと言えます。
地元の支持を得れば活動しやすくなり、地元の名産品として外に売り出すことができるので、拠点の地域に詳しい人が必要そうです。
インターネットの普及により、全国展開がしやすい時代になりましたが、むしろ、そんな時代だからこそアイデンティティとなる拠点となる地元密着が必要なのかと思います。
(6)公的起業支援制度を活用する
自治体、国の起業支援制度を活用することが大切です。
金銭面の支援、事務所の提供、業界分析など色々な支援をしてくれることがわかります。
我が国でも、このような支援制度があるので探してみると良さそうです。
グレンが使った支援団体は業界分析などもしてくれていました。
日本だと金銭面の利息の充当などの支援を行っているところがありそうです。
もっと国策で積極的に支援制度をつくっても良いのではと思います。
(7)仲間とともに並行して事業を進める
90日という期間制限もありましたが、グレンは事業と同時に金銭面の工面をするような感じで効率よく事業を進めていきました。
タスクを管理して、空いた時間をうまく活用して加速していきます。
仲間と効率良く動くことも大切で、一人で90日間でミリオネアに張るのは不可能だったと言えます。
(8)余裕のないところを見せない
グレンは様々な交渉をしていました。
このあたりが社長の腕の見せ所なのかもしれません。
タイヤの販売、車の売買、不動産の売買、店舗賃貸など、様々な交渉のシーンがありました。
「ここで売れなければ間に合わないのです」と回想するシーンでも、現場ではクールに振る舞ってタフな交渉をしています。
また、グレンが過去に怒りで交渉をふいにした挙句、50%増しで契約せざるを得なかったエピソードを出し、怒ることの無意味さをRJに伝えているシーンもありました。
これも身に着けたいスキルです。
(9)勝負どころを整理する
・聖パトリックス・デイで緑のものを売る
・車両や家を購入、○○ドルで売れる。
・BBQフェスティバルで優勝し、ブランド価値と開業資金を稼ぐ。
全て元手ギリギリですが、いくつかの勝負どころを乗り切っています。
社運を賭けるという言葉がありますが、資産のほとんどをかけて勝負に出るシーンがいくつかあります。
勝算あっての勝負どころを見極め、そこにフルベットする覚悟が事業主には大切なのかもしれません。
元々90日で成功するにはスピード感が大事なので、勝負どころが多めではありますが、成功するには同じくらいの回数の覚悟と決断が必要になるのでしょう。
(10)アクシデントはつきもの、同対応するかが大切
起業に限りませんが、アクシデントはつきものです。
事業に限らずサラリーマンでも、対処能力を高めるチャンスと言えます。
グレンも、
・良いタイヤが出てこない
・車両の中古を売ってくれない
・目標資金にたびたび達しない
・ビールの免許が100日以上かかる
・仲間の仕事のテンポが悪い
・契約がリセット
・家にカビが生えていて時間とコストを生じた
・売れるのに肉の在庫がない
他にも多々アクシデントに囲まれつつ、どうにか乗り切っています。
(11)仲間がうまく動かないときに背中を押す
これもリーダーの業務かもしれません。
動きが遅い人、肉の解凍の量の見積もりが甘い、手一杯で限界のリフォームなども仲間(専門家)に任せています。本来なら自分で動ければいいですが、仲間に頼らなければならない瞬間があります。
このときに、がんばって動いてもらう(もちろん今回のチャレンジに限らなければ、苦労に見合う報酬を出すことも)ための努力をリーダーはする必要があるようです。ときに、仲間から批判を受けながらも耐え忍ばなければなりません。
一方で、仲間を使い潰すようなことをグレンはしませんでした。(とはいえ、リフォームに限っては、ドーンが限界を超えて仕事をしていたようで、グレンが心を痛めていたシーンがあります。)
(12)仲間を任命した責任を負う
リーダーは、自分が出来ないことを依頼する仲間を選ぶ眼力と選んだ責任を負います。
BBQのRJや広報のクリス・ノリスの動きが鈍かった時も、ピットマスターのクリスティンが在庫管理がうまく行かないことについても仲間の所為にはせず自分の責任だと思っているシーンがいくつもあります。(一方で、しっかり進捗管理や背中を押すことはしていた。)
我が国に限らないのでしょうが、「部下が動かないのは部下の所為」とするのは良くない。
仕事を任せたのだから、任命した人が責任を持つことが大切。
(13)独自性を大事にした
インパクトのある肉焼機や、フェスタでの優勝など、会社のブランドづくりをうまくやっていた印象があります。
良いものでも見てもらえなければ売れない、価値は評価されない。
このあたりは、覆面ビリオネアというよりは経営学の部類に入るので、ここで細かくは割愛。
(14)努力と結果を混同しない
これは耳が痛い言葉です。
何事においても、
「こんなに努力しているのに、なぜ成功できないんだ。」
と、起業、ビジネス、資格試験などでもこのような嘆きが聞かれます。
努力する人は努力しています。
一方、成果を出すための道筋を間違えていたり、努力の方法を間違えていたりすることがあり、ただ努力するだけではなく成果を出さなければならないのです。
(15)痛みに耐えぬく
過去の成功からミリオネアの道筋を知っていたグレンですら、挫けそうなタイミングがあったようです。
そんな中でも彼は耐え、行動を続け、諦めなかった。
仲間も、色々な試練を言い訳せず成果を出していました。
これが成功の秘訣と言えるようです。
90日、いや90週間でも目指してみたい
最後に感想になりますが、
「とにかく面白かった」
ビリオネアまでの経験があってこその90日プランでしたが、7倍の90週間だとしてもやってみたい、という強い憧れを持つことができました。
グレンは100ドルと車しか持っていませんでした。
自分は、
100ドル以上持っていますし、
起業の場所も選べますし、
90日で時間切れになることもありません。
ここまで有利な条件がそろっているのだから、グレンができたことをやれるのではないか。
そんな勇気を与えてくれる番組です。
約6時間の番組でしたが、気づくと日付が変わるくらい夢中になりました。
また、こういう起業家と一緒にミリオネアを目指せる税理士になれたらどれだけ楽しいでしょうか。(自分でもやってみたいと思いますが。)
現在のサラリーマンとは違った素晴らしい世界が待っているような気がします。
何人か目標とする税理士さんや他の起業家の方がいますが、彼らもこのような体験をしてきたのでしょう。
ワクワクする仕事に携わりたいものです。
まとめ
アメリカンドリームは存在する。
Web3.0なんて呼ばれる世界でも、地元発のビジネスで90日でビリオネアになる手段はいくらでもあり、決断力、行動力、素晴らしい仲間とチームを組むことで達成できるものなのでしょう。
他にも学びはありましたが、大切なことを15点。
(1)〇日の時点でいくら要るかを整理
(2)ゴミでもお金になるものがある
(3)自分の特技を整理する
(4)仲間を見つける
(5)地元に詳しい人と付き合う
(6)公的起業支援制度を活用する
(7)並行して進められるものは勧める
(8)余裕のないところを見せない
(9)勝負どころを整理する
(10)アクシデントはつきもの、同対応するかが大切
(11)仲間がうまく動かないときに背中を押す
(12)仲間を任命した責任を負う
(13)独自性を大事にした
(14)努力と結果を混同しない
(15)痛みに耐えぬく
起業は面白いです。
前回の記事のぬるま湯も良いものなのかもしれませんが、ワクワクさせてくれる起業が日本でもっと多く広がってほしいものです。
このドラマを観るにあたり、起業ではないですがボランティアとしてコミックマーケットのスタッフとして運営に関わったときの高揚感を思い出しました。
10年ほど前の話、かつて150人のメンバーの副リーダーをしました。
リーダーの友と、
・優秀な仲間を責任者に選び
・イベントに向けた多数の事前準備を仲間と行い
・当日の4日間(3+事前1日)、現場支援と様々なアクシデントと戦い
・色々な発見があったり、自信を失ったり、感動したり
最後にクリアしたときの達成感を思い出します。
6回やったあとにリーダーを引き継ぎ、隠居しましたが、人生で唯一胴上げをされる側となった思い出です。
税理士試験の受験を期に引退しましたが、今思うと起業家の高揚感はあの頃を思い出します。
今回で100回目、また現地を見にいきたいものです。
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