18きっぷの特例で新幹線に乗って青函トンネルを越えて思ったこと

リュウです

 

10月19日、20日と、

札幌のひとり税理士の板倉さんに相談をしてきたあとの旅路。

 

札幌から東室蘭を抜け、伊達紋別で宿を取りました。

翌日は函館へ。函館で東亜の友人のFさんに会ったあと、道南いさりび鉄道で木古内。青函トンネルを抜け青森、青森からは新幹線で帰りました。

 

今回の鉄道旅行でやりたかったこと

・室蘭本線を制覇

・小幌駅に停車(夜に通過したことしか無い)

・快速アイリスの末裔(820D)に乗る(+大沼公園経由で函館本線制覇)

・18きっぷ(秋の乗り放題パス)オプション券で青函トンネルを渡る

・株主優待券で新幹線チケットを買ってみる

 

今回は、18きっぷの亜種かつマイナーな、「秋の乗り放題パス」と「(18きっぷ)オプション券」の話をします。

 

※木古内駅 いさりび鉄道の隣2つの線路の間に、

  H28.3までJR北海道の特急停車駅が有りました(H30.10)

 

もくじ

 1.秋の乗り放題パスって何?

 2.オプション券とは

 3.乗り継ぎ時間

 4.結局、利便性は?

 5.特例区間の感想や気づき

 

1.秋の乗り放題パスって何?

 

 

 

「秋の乗り放題パス」とは何か。

青春18きっぷは春、夏、冬にありますが、秋にも近い効果のあるきっぷがあるのです。

 

最初に18きっぷの亜種と書きましたが、平たくいうと「使いづらく若干高い18きっぷ」といったところです。

 

もともと、10月に発売されていた鉄道の日記念パスというものがあり、それを少し安くして18きっぷに近づけた内容いえるものです。現在は3日間で7710円、子供は半額の3850円です。

 

範囲は青春18きっぷと同等ですが、制限があります。

 

基本的には18きっぷより不便です。

 

  ・連続する3日間で使わなければならない(デメリット)

  ・同一人物しか使えない(デメリット)

  ・実は大人は18きっぷより1日あたりの金額が高い(デメリット)

  (18きっぷ:11850円÷5=2370円/日

   秋の乗り放題パス:7710円÷3=2570円/円)

  ・子供料金がある(メリット)

 

3連続する日に使わないと行けないので、自ずと体育の日周辺の3連休に使用する方が多いわけですが、その周辺は子供の運動会の時期の地域も多いため、意外と恩恵を受けにくいから輪をかけてマイナーなチケットのかもしれません。

鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ(Wikipedia)
 

18きっぷと同様のため、乗車可能な列車は快速、普通列車に限られます。

しかし、これにはいくつかの例外があります。

今回は、いくつかの例外のうち、北海道新幹線オプション券のみ紹介します。

 

2.オプション券とは

 

 

・歴史

上述の通り、18きっぷ(秋の乗り放題パスを含む。)で特急や新幹線(一応急行も)に乗ることは出来ません。

 

しかしながら、いくつかの例外の中で「その路線に特急しか通っていない区間にかぎり特急列車の普通席に乗っていい」というものがあります。

 

青函トンネル(海峡線)を走る列車は、かつて特急のみの頃があり(もっと昔は快速もありましたが。)18きっぷで乗る場合、「蟹田(青森)〜木古内(北海道)」まで特急を使うことが出来ました。

 

それが2016年3月に新幹線が開通することに伴い、新幹線も対象になるのかが当時議論となっていました。

 

・オプション券とは

JR北海道(+道南いさりび鉄道)が取った手段は、「オプション券」というものを設け、新幹線に乗る特例を認めることとしました。

 

オプション券とは、その券を購入することで18きっぷに例外的な扱いを行い、

 ・函館(五稜郭)〜木古内までの道南いさりび鉄道

 ・木古内〜奥津軽いまべつ駅までの北海道新幹線

に限り乗ることができるチケットです。料金は2300円です。

 

ポイントは、「新青森から終点の新函館北斗までではない」ということです。

 

・仕組み

奥津軽いまべつ駅の場所には、かつて津軽今別駅という海峡線の特急停車駅でした。

 

津軽今別駅は本州にあったJR北海道の駅です。

この駅は、徒歩でJR東日本の津軽線の駅である津軽二股駅に行くことができます。

 

したがって、18きっぷで本州から北海道を目指す人は、

 ①青森(新青森)から津軽線で津軽二股駅を目指す

 ②津軽二股駅から奥津軽いまべつ駅に向かい新幹線に乗る

 ③木古内駅で新幹線を降り、道南いさりび鉄道で函館(五稜郭)

 

ことになります。

 

この程度の乗り換え負担は、18きっぷを地方で乗る時のあるあるですが、乗り継ぎが極端に悪いことがこの乗り継ぎを困難にしています。

 

・乗り継ぎ時間

①下り(青森~函館)の場合

青森 6:15 11:01 13:14 15:41
         
蟹田 6:58 11:38 (13:58) 16:19
  7:07 11:44 (14:01) 16:42
         
津軽二股 7:31 12:08 14:16 17:08
奥津軽いまべつ 8:12 13:47 17:01 19:01
         
木古内 8:48 14:23 17:37 19:37
  10:13 15:18 19:00 20:21
         
函館 11:13 16:22 20:00 21:25
所要時間     4:58  5:21  6:46   5:44

 

②上り(函館~青森)の場合

函館 7:04 13:29
     
木古内 8:04 14:33
  9:44 14:57
     
奥津軽いまべつ 10:21 15:34
津軽二股 12:58 15:48
     
蟹田 (13:23) 16:13
  (13:26) 16:34
     
青森 14:10 17:14
所要時間   7:06 3:45

 

まとめると、新幹線は使えるものの、

 上り 4本 平均5時間42分(最速4時間58分)

 下り 2本 平均5時間25分(最速3時間45分)←乗ったのはこの最速接続です。

とかなり遅いです。

 

特に、下りの本数が異様に少ないです。(一応、現行最速は下りですが)

なんと、18きっぷを使って函館から青森に出るための終電は13時29分になります。

 

参考までに、古い時刻表(2015年冬、北海道新幹線開通直前)を出して、調べてみたところ、18きっぷ利用のルールで蟹田駅~木古内駅を特急(スーパー)白鳥に乗る方法で函館を目指すと、

 上り 5本 平均4時間31分(最速3時間10分!)

 下り 4本 平均3時間29分(最速2時間50分!!)

 

です。新幹線より特急のほうが明らかに早いことがわかります。

当時は、蟹田から乗れることで原則的に乗換えが1本少ないため、早いのだと思われます。

 

恐らく、JR東日本とJR北海道の調整で済んだ開通前と比べて、

道南いさりび鉄道にも調整が必要になるため、長時間の待ち時間が生まれているようです。

 

4.結局、利便性は?

 

金額的には少しトクになるものの、

かつての「追加費用ゼロかつ早かった」の当時の環境と比べると、かなり使いにくい内容になりました。

 

新青森から木古内、または、奥津軽いまべつ駅から新函館北斗まで特例区間が伸びれば、利用者も増えると思いますが、それに応じて18きっぷで旅をしない人も特例を使う(そのほうが安いから)ことが想定されるから恐らく導入される可能性は低いのだと思います。

 

 

5.特例区間の感想や気づき

昔の特急(スーパー)白鳥で蟹田駅から木古内駅へ向かう時は、蟹田駅で待つワクワク感がありました。

当時を思うに、「ここからいよいよ北の地へ乗り込むぞ!」といった、特例利用者間の言い知れぬ高揚感と連帯感があった気がします。

 

しかし、今回は計画を立ててたときから、ある程度予想はついていたもののなかなか寂しい限りです。

ちなみに、乗った日はいさりび鉄道、津軽線まで乗って青森駅まで行った利用者は私のみでした。

(マニアって言わないでね(^^;)秋の乗り放題パスがマイナーというのも一つの理由かと。)

 

一応、新幹線にも乗ったのでそのあたりの気づきもメモしてみました。

通常の北海道新幹線の利用の際にもネタとして役立つかもしれません。

 

・スマホを40分近く充電できる

18きっぷは仕様上、優等列車に乗れないので車両の電源を利用するのはほとんど無理です。

(裏技は有りますが、個人的にはグレーな使い方は好きではないのでここでは紹介しません。)

新幹線なので、当然電源がついているので役立ちました。

 

・青函トンネルではそんなに速度を出さない(出せない)

新幹線だから250km/hで青函トンネルを飛ばすわけではなく、かつて乗った特急より若干早い程度。多分250km/hで飛ばすには危険なんだと思います。

 

なお、約40分で走る距離で比較すると明確です。

 1 木古内~奥津軽いまべつ(74.8km) 38分   平均時速120km/hくらい?

 2 盛岡~仙台(183.5km) 39分   平均時速282km/hくらい?

 

・トンネルの縁の側を走っていて怖い

そのままです。ギリギリの場所を走るので、見た目は結構怖い。

きっとあのトンネルの半径を50cm拡幅するだけで、ものすごいコストがかかるのだと思います・

 

・旧吉岡海底駅(吉岡定点)と旧竜飛海底駅(竜飛定点)のライトは点いている

かつて見学することが出来た吉岡海底駅、竜飛海底駅跡は、駅としての運用は廃止し、各定点として現在は利用されています。

現在もライトが煌々と点いています。

(新幹線と次の新幹線との間の時間が長いので別に見学ツアーをしてもいいと思うのですが・・・)

 

なお、通る時間は、自分が乗ったときのものとしては、

14:57木古内駅 → 15:05トンネルに入る(アナウンス有り) → 15:12吉岡海底駅跡 → 15:23竜飛海底駅跡 → 15:29本州へ →15:35奥津軽いまべつ駅

です。

 

トンネルを通って6分、18分くらい経つと、色の違う明かりとトンネルのような何かが見えてきます。そこが2箇所の定点です。

 

時計で目測ですが、新幹線のダイヤはかなり正確なので再現性はあると思います。

15:17頃に海底トンネル中間点に理屈上たどり着けますが確認できませんでした。

 

・中間点のライトなど、ライトが大分消えた

トンネル内に結構な数があったライトが半分くらいに減りました。

また、青函トンネル中間点のライトが消灯されたようです。

 

名物だった(と勝手に思っていた)のになー。残念。

 

・いさりび鉄道の検印欄は使わない

オプション券に、北海道新幹線といさりび鉄道の検印欄が有りますが、函館駅の担当に聞いたところ

(本当は、いさりび鉄道は五稜郭でからなので、

五稜郭駅で聞かないと路線違いですが優しく教えてくれました。)

 

「いさりび鉄道で検印はしませんよ」

 

そうなんだ。

まぁ、どうせ新幹線でチェックを受けるのと、18きっぷ利用者に木古内で降りられてもさして困らないからなぁ。

 

オプション券だけを買って、いさりび鉄道を往復しまくる不正がありえるかもしれませんね。

言うほどオトクとは思えないですが。

 

・新3駅+2駅の現状

 ①新函館北斗駅

終着駅だというのもあるけど、旧称「渡島大野駅」時代と比べて賑わっていました。

函館に向かうはこだてライナーに乗る乗客も結構いて賑わっていました

 

 ②木古内駅

特急駅時代と変わってホームがなくなり、窓口もありませんでした。

町の雰囲気は変わってないですが、若干もの寂しくなった感じです

 

 ③奥津軽いまべつ駅

かわっていません。もの寂しい空間です。

道の駅もあるのですが、土曜日夕方でも賑わいはそれほどでは有りませんでした。

 

ただ、車を止められるので地元の人たちが車に乗り換えて帰っていく様子が数件です。

在来線の駅なら、わりとあるあるですが、新幹線の駅としてはかなり寂しい空間でした。

 

 ④蟹田駅

もともと寂しい感じの青森の果て(最果てではないけど)の駅。

民家も診療所もあるのですが、さらに寂しい感じがしました。

 

色々なところの利権が絡んでいたとは思いますが、蟹田駅に新幹線を引いたほうが利便性が格段に高かったし、オプション券の価値も上がっていたと思います。

 

 ⑤新青森駅

かつて、妻と結婚前に行きました。

 

新青森開通の頃、お得なツアーということで浅虫温泉に旅行した際に乗った次第です。

あのころの新青森駅を見ているからかもしれませんが、元気がなさそうでした。

 

ゴール地点が変わるとこうも変わるものか。

もっとも東京行きの終電時間帯なので時間が悪かったからかもしれませんが、あまり元気がなさそうだったのが印象的です。

 

新函館北斗駅も、新幹線の延伸で寂れるか、栄えた状態を維持できるか、今後の営業活動に依ってくるのだと思います。

 

●まとめ

オプション券そのものは使いにくものとなってしまいましたが、函館のFさんとは函館に宿を取って飲みに行く約束をしたので、函館にはこれからも遊びに行くとおもいます。

オプション券は、朝6時台の青森発(現行6:15)の各駅停車に乗って、

3時間台で函館につけるプラン(要は10時前に函館に着ける)が欲しいところですね。

 

総じて今回の旅も、ノスタルジーを感じる良いものでした。

北海道の鉄道は好きなんですけどね。

段々と良い路線や駅がなくなってきて悲しい限りです。

 

●旅程

追記で、旅程を残しておきます。

ダイヤ改正次第で再現性がなくなりますが、同じルートをたどる人はどうぞ。

 

■1日目

(前略)
横浜
08:04発
08:31着
羽田空港国内線ターミナル
(空路)

新千歳空港
11:15発
JR快速エアポート113号・札幌行
11:52着
札幌

12時半からコンサル。
コンサル後~18時までの遊び場所を模索。
若しくは札幌ラーメン

札幌
18:20発
JR快速エアポート182号・新千歳空港行
18:36着
北広島
18:38発
JR千歳線・苫小牧行
19:20着
苫小牧 ※やることない・・・1
19:50発
JR室蘭本線・東室蘭行
20:53着
東室蘭 ※やることない・・・2
21:24発
JR室蘭本線・室蘭行
21:37着
室蘭
21:45発
JR室蘭本線・苫小牧行
21:58着
東室蘭
22:05発
JR室蘭本線・長万部行
22:34着
伊達紋別

■2日目
伊達紋別
07:55発
JR室蘭本線・長万部行
08:55着
長万部
09:11発
 ★JR特急スーパー北斗4号・函館行
09:54着
森(北海道)
10:06発
JR函館本線・函館行
11:04着
(新函館北斗)
11:13発
JR函館本線・函館行
11:38着
函館

函館
13:29発
 ★道南いさりび鉄道・木古内行
14:33着
木古内 ※やること無い・・・3
14:57発
 ★JR新幹線はやぶさ30号・東京行
15:34着
奥津軽いまべつ
15:48発
JR津軽線・蟹田行
16:13着
蟹田
16:34発
JR津軽線・青森行
17:14着
青森 えきまえ温泉へ
19:05発
JR奥羽本線・弘前行
19:09着 ワンコイン日本酒
新青森
19:44発
 ★JR新幹線はやぶさ42号・東京行
23:04着
東京
以下略

★は、18きっぷではない有料区間(オプション券含む。)

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