バリュートラップについて

投資関連(外国株以外)

投資をする際に、

「業績が良いのに株価が低い、なんでだろう。」

と思うことがあります。

こういう時は「バリュートラップ」にかかっているかもしれません。
自分も、バリュートラップで長期保有してもそこまで大きな成果が上がらない銘柄を持っています。

今日は、この「バリュートラップ」について考えていきましょう。

日本には安物買いの銭失いという格言があります。

バリュートラップとは何か

バリュートラップとは、

「PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)など、株式投資において割安・割高を判断する指標はいくつも存在します。理論的には、割安な銘柄は株価上昇による水準訂正が期待できますが、割安な銘柄がいつまで経っても割安なまま放置される状態」をいいます。

※SMBC日興証券

バリュートラップ│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券
「バリュートラップ」の説明。金融・経済・...

誤解を恐れずに単純に書くと、「資産や利益の状況に対し、割安で放置されている株を持ち動けない状況」のことをいいます。他の株式が上がっている時期に、バリュー株に投資したまま塩漬けになるリスクがあります。

バリュー株のうち、資産のバリューで判断するPBR(純資産/時価総額=1株当たり純資産/株価)などは解散を前提とした価値です。そのため、バリューと言ってもそのバリューを株価として正当に評価されづらいと思われます。

一方で収益部分に着目したPER(総利益/時価総額=1株当たり利益/株価)が低めでも、割安に放置されていることも少なからずあり、塩漬け状態で投資機会を失ってしまうことがあります。

バリュートラップがなぜ起こるか

バリュートラップを生じる主な原因を捉えていきましょう。

①バリュー株に注目されない相場

厳密には重複する部分もありますが、「バリュー株投資」と反対の「グロース株投資」というものがあります。

グロース株投資では、「現在の投資株価こそ割高だが、業績の伸びが著しく将来に期待できる銘柄」に対し投資します。
例えば、売上高の成長率に着目しPSR(時価総額/売上高)などに注目が集まり、現在の業績重視で見たバリューの低PER銘柄は比較的不人気になる傾向があります。

金融緩和などでマネーが流れ込む「金融相場」に現れる兆候といえます。

②足元の業績は良いが将来性がない

財務諸表で見る数値そのものは、あくまで「現在まで」の数値です。
したがって、次期(次回決算)の業績も予想値にすぎません。

株価は財務以外の情報でも判断されます。財務が良くても中・長期的に先行きが良くない(又は良くないと予想される)銘柄については買われません。

例えばタバコ関係の銘柄は、高配当・高収益体質なのにもかかわらず、健康志向によるタバコ需要の減少、訴訟リスクなどを見込んで、将来に不安を感じるからか、バリュー株のまま維持されている傾向があります。

③マイナーな市場

次に市場による原因です。

米国株市場だと、変化に敏感でインフルエンサーがテーマを投下した瞬間に燃え上がることも少なくないですが、当時、自分がメインで投資していたベトナム株は動きが緩慢でした。また、ベトナムの証券市場の中でもホーチミン市場(HOSE)やハノイ市場(HNX)よりマイナーな、UPCOM(店頭市場)は、さらに注目度が低いです。

④企業が無名

企業そのものの知名度や、やっている事業が地味な業界など、企業そのものが無名であることがあります。バリュートラップとなりうる銘柄として、「アナリストも注目していない銘柄」なども当てはまるでしょう。

世界で上場している銘柄は、多数あります。
2018年現在で、上場している銘柄だけで4万あるという調査もあります。

世界 自国上場企業数(社, 2018) | StatDB
国内の証券取引所に上場している企業数が最も多いのはインドで5,065社 各国別に証券取引所に上場している企業数を見ると、インドが最も多く5,065社であった。次いで、米国で4,397社であった。 日本は世界3位で3,652社であった。4位は中国で3,584社であった。中国の2008年時点の国内上場企業数は1,604社で...

上述の、店頭市場などの取り引きを含めるとさらに数倍になると思われます。

そのため、アナリストはすべての銘柄を分析するのは非常に困難です。
コンセンサス予想がほぼない銘柄などが当てはまると思います。

「良い株式でも、みんなが良いと思わなければ株価に反映されない」という問題点があります。

⑤結果、出来高が増えない

これらを主な原因として、出来高も増えない。
以上により、良い銘柄であったとしても、「知っている人は知っている優良銘柄」どまりとなり、バリューのまま放置されます。

①は若干異なりますが、総じて言えることは「注目されていない」ことにつきます。
Twitterのある方が書いた「視聴率が低い銘柄」という言葉がピンときます。

バリュートラップの対応法

次に、バリュートラップにどう対応していくべきか。
これは、2の裏返しになります。

「注目されていない銘柄」に手を出さないこと。

①将来の業績が下がりにくいもの
言わずもがな、バリュートラップに限らず、将来の見通しが良くない銘柄を買うのは避けるべきです。

②人気の市場のものを買う
ベトナムより日本、日本より米国、米国の中でもS&P500銘柄と、注目度の大きい市場の銘柄を目指すべきです。
注目度が高ければ、バリュー銘柄もそのバリューに注目され、株価として反映される可能性が高いからです。

③アナリストが注目するものに乗る
更に、アナリスト予想が多くなっているものに注目すべきでしょう。
機関投資家が注目している銘柄といって概ね相違ないと思われます。

これらの銘柄は、預かった多くの資金で、良い業績や良い材料に対し大規模に投資します。
バリューがあれば狙われる可能性は高いわけです。

④敢えてバリュートラップにかかる

効率が上がるとは限りませんが、「バリュートラップを受け入れ、敢えて待つ」というのも一つの解法だと思っています。

「投資は、企業の一部を持つ行為」です。業績や財務が良い事を前提として、バリュー株投資は、企業の一部を持つ価値に対し投資をするものです。待てば業績が上がり、配当も増えるような銘柄ならば、最終的に株価として反映されると思われます。

一方で、「バリュートラップ」の本質的な問題点、株価として反映されるのがいつになるかがわからないわけです。

ポートフォリオをこのようなバリュートラップに陥りそうな銘柄で埋め尽くしてしまうのは機会損失を生む原因となると思われます。

まとめ

大事なことは3点

 ・グロース株メインの相場(金融相場)ではバリュー株はあまり人気がない
 ・バリュートラップになる銘柄は「注目されていない」ことが原因
 ・良い企業なら中長期保有するのもあり

バリュートラップにはまると数年間、株価上昇を待ち続けて結果運用成績を下げることがあります。
良い業績と株価が上がる銘柄は一致しない。ここが株式投資の難しいところかもしれませんね。

一方で、2020年3月の暴落以降、最近までのグロース株メインの相場に対し、若干風向きが変わってきているようにも思います。以下の記事が参考になります。

グロース・トラップに引っかかるな! 割高でも強い「真の成長株」を探る | 特集 - 株探ニュース
大川智宏の「日本株・数字で徹底診断!」 第56回大川智宏(Tomohiro Okawa)智剣・Oskarグループ CEO兼主席ストラテジスト2005年に野村総合研究所へ入社後、JPモルガン・アセットマネジメントにてトレーダー、クレディ・スイス証券にてクオンツ・アナリスト、UBS証券にて日本株ストラテジストを経て、16年...

グロース株よりバリュー株の方がパフォーマンスを上回りだしている記事もあります。
半年後、1年後に、バリュー株が報われるか注目です。

コメント

  1. […] 昨日の記事の通り、「バリュートラップ」にかかっている銘柄と思う一方、下値は弱いと思われ(自分で買い支えたくなるくらい)、長期的に持てる銘柄です。 […]

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