「老後2000万」にたどり着く無難な方法

ファイナンシャル・プランニング

今日は、午後に妻が仕事のため、娘と一緒に家で過ごしています。

さて、本題。

数年前に、老後2000万円必要という言葉に批判が集まった頃があります。
でも、当時FPさんの中では、「老後資金に1億必要だ」と法外な金額を提示して、それに見合う生命保険を当たり前に勧めている人もいました。(さすがに2000万円の件があってからおとなしくなりましたが)

個人的には「2000万円必要」とする必要額はとても現実な金額だと思っています。
政府批判の材料に使われたのは、とても不幸なことだと考えています。

過去に、どれくらい老後生活に必要なのかを検討した記事があるので、詳細はそこを見てもらうとして、今回は、年金以外に必要な貯蓄、「2000万円の資産形成がどの程度必要になるか」を計算してみました。

逆に言うと、65歳くらいまでに自力で2000万円は準備しなければならないという覚悟は必要な時代だと思います。

ではどうすればいいか。

結論は意外にシンプル、
「つみたてNISAで、無理しない金額を積み立てるだけで十分」です。
iDeCoも強力な制度ですが、つみたてNISAだけでも十分行けることがわかります。

実際に後で計算して裏付けを取っていきましょう。

老後2000万円の話

老後に2000万円要る。

併せて、それを政府批判の材料にする一大センセーションな公表が当時ありました。
当時、この件を本当に批判すべき内容なのか、と思っていました。

最初に書いた通り、この話が出るまではファイナンシャルプランナーの方々は、老後資金は3500万円要るとか、余裕のある生活に1億は要ると平然と言っていたのですから。

私も、実際にどうなのか気になったため、別途自力で概算してみました。

当時の結論として、夫婦(夫が元サラリーマン、国民年金支給額は平均値)で、65歳時点で必要な貯蓄は最低限900万円、ある程度のゆとりある生活で2,200万円となり、奇しくも金融庁の報告書類に近い数字が出ました。

当時と比べて若干医療制度などが変わると思いますが、必要額は概ね同額で事足りると思います。

老後資金(生活資産)と投資資金の違い

老後資金のために、我々は投資をする必要があります。

私達は、資本主義の社会で生きる故に、お金がなくなると干からびるしか無く、給与や事業の利益の一部から、老後の「生活資産」を残さないといけません。
国民年金のみの個人事業主の方などは、積上額がサラリーマンより少なく、さらにシビアに考える必要があります。

政府も、国に年金を積み立てれば老後資金を提供できるという甘い考えを改め、積立額を所得から除外するイデコ(iDeCo)や、利益を非課税とするつみたてNISAなどの税制面で老後資金を積み立てることを支援しています。

検討

実際に2000万円をためるためにはどの程度の積み立てをする必要があるかを考えてみましょう。

参考サイト

楽天証券で、シミュレーションサイトがあるので、それをもとに検討してみました。
積立NISA向けで作られたシンプルなもので、「最終積立金額を計算する」を選択して、

・毎月の積立額
・運用利回り
・年数

これを入れることによりいくら積み立てられるかわかります。

実際に検討してみましょう。

前提

ある程度条件を絞りましょう。

①運用年数
運用年数は35年(25〜60歳、30〜65歳)にします。
イメージとしては、入社して数年目から始めた人が2000万円の貯蓄を志したといったところ。

私も含め、実際はもう少し短い方もいますが、社会人として入社直後の方を想定しています。

②利回り
平均的な投信利回りが4〜6%と言われています。
実際に、それ以上もそれ以下もありえるくらいの運用スコアです。

検証には、若干シビアに3,4,5%のケースを調べてみましょう。

その代わり、モデルをシンプルにするため、
つみたてNISA期限経過後の譲渡にかかる所得税なども考慮しません。

③積立額
①と②の条件に基づき、月額の積立額をシミュレーションしていきましょう。

こだわることは、35年時点において2000万円になるためにいくら積み立てればいけるか。
ここを軸に考えましょう。

検証

では、実際に検討してみましょう。

①利回り3%

    積立総額   原資

1万  741.56万円 420万円

2万  1483.13万円 840万円

3万  2224.69万円 1260万円

なお、2000万円を積み立てるためには月額約2.7万円必要です。

①利回り4%

    積立総額   原資

1万  913.73万円 420万円

2万  1827.46万円 840万円

なお、2000万円を積み立てるためには月額約2.2万円必要です。

①利回り5%

    積立総額   原資

1万  1136.99万円 420万円

2万  2272.18万円 840万円

なお、2000万円を積み立てるためには月額約1.8万円必要です。

整理すると、2000万円の老後積み立てのために、

年3%なら、月額の積み立てが約2.7万円、
年4%なら2.2万円、
年5%なら1.8万円となります。

一方、現在の制度として準備されている「つみたてNISA枠」は、最大年40万円(月33,333円)です。
年3%の運用だとしても、積み立て額を超えることはありません。

つみたてNISAの限度額は実に老後資金積み立てのために現実的な設定をしているのです。
今回検討しなかったiDeCoは、これに加えて所得控除の恩恵もあります。
見た目以上にとても優秀な制度なのです。

とはいえ、若いうちは積立が大変かもしれません。
実際私も大変でした。

何しろ、就職氷河期。
がんばって掴んだ正職員の立場でも、月収20万円未満で生活していました(ボーナスはありましたが。)。

とはいえ、老後資金のバビロンの大富豪のようなもので、給与が入ったらあらかじめそのお金を避ける習慣を持つことができれば、老後2000万円を目指すのはそこまで難しくないのです。

積立向きの投信

最後に、つみたてNISAのもう一つの課題。

どの銘柄に積み立てるか。

つみたてNISAについては、銘柄の制限が厳しいです。
裏を返すと、国策のためリスクの高い銘柄を選択させません。

全部が全部ではないかもしれませんが、リスクの少なめの投信が多くある印象があります。

実を言うと、昔は投信アレルギーでした。
利回りを出せないのに手数料をむしり取る投資信託に対し、ぼったくりビジネスとおもったころもあります。

しかし、投信にもいい商品が出てきています。
というより、投資家の視点から割の合わない投信が見捨てられたのかもしれません。

仕組みで資産が増やせるのでローコスト、人的要素を排除した投信が増えています。
多数のブログで紹介されていますが、参考までに投信を紹介しています。

①eMAXIS Slim米国株式ファンド
②eMAXIS Slim全世界株式ファンド

が人気ですね。ブログ、note、SNS問わず、これらを発信する方が多いです。
米国株の方が若干リスクでリターンも大きく、全世界の方が若干リターンが少なくリスクも少なめです。

日本株は今後成長するかわからないのであまりお勧めはできません。
他の答申でも、重要なのは「ローコスト」「(長期的にのんびり成長し)買ったり売ったりせず済むもの」の2点に着目しましょう。

上記2つの投信はそれらの条件を満たしています。
米国が心配なら全世界をやるとよいでしょう。

まとめ

サラリーマン・事業主関係なくほとんどの方は、老後の心配をしています。

投資も事業も華やかなことに目がいきがちですが、我々は生きねばなりません。
生きるための資金をしっかり確保することが、幸せな人生のライフハックになると思います。

結論は3点

・我々は老後のために生活資金を積み立てる必要がある
・年4%、毎月2万円の積立で35年運用すると資産は1827.46万円(原資は840万円)
・積立NISAやiDeCoは国策。税制にも恵まれている。

つみたてNISAの期間が38年(大学卒から60歳)、または60歳未満の人は非課税とするよう、老後資金のための投資だけは特別扱いにするような政策があってもいいと思います。

とはいえ、40万円の枠を20年というのは、非常によく設計された制度だと思います。
しっかり活用して、若者のころから老後資産を形成しましょう。

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